2011年10月29日土曜日

「通貨」を知れば世界が読める【11年20冊目】


「通貨」を知れば世界が読める “1ドル50円時代”は何をもたらすのか?

<本の紹介>
なぜ我々は「円高・円安」に一喜一憂しなくてはならないのか、そもそも「通貨」とは何なのか……。そんな壮大なテーマを、人気エコノミストがわかりやすくも刺激的に説いていくのが本書。◎そもそもの通貨の意味とは?◎基軸通貨を巡る各国の争いの歴史◎ドルの覇権はすでに終わっている!?◎ユーロは次世代の基軸通貨になりえるか?◎「1ドル50円」時代はいつ来るのか?◎通貨の未来、そして円の未来とは?など、面白くて読む手が止まらないトピックスが満載。知的好奇心を満たすのはもちろん、明日のビジネスにも必ず役立つ内容。本書を読めば、円高・円安に一喜一憂する必要がなくなる!
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<メモ>
・「すべての不可能なことを除去したのちに残った答えは、それがいかにありえなそうに見えても、結局は正しい答えである。」
・決然と滅亡に向かって扉を開ける。これは、呪われし者の特徴的な行動だ。
・仕組みがいびつなために破たんした経済を元の状態に戻そうとすることは、不安定な場所にあったがゆえに落ちた花瓶を、再び同じ場所に置こうとするようなもの。
・日本は世界最大の債権国だ。成長はできなくなったが、蓄積はある。これは成熟経済の当たり前の姿であり、自然なものだ。若者には成長力がある。大人には成長の果実がある。
・鎖国しておのずと自己完結的に経済をまわしていける国など、めったにない。どうしても外部に新たな領地や経済水域が必要になる。その結果は、領土を争う戦争の勃発ということになりかねない。保護主義は保護主義にとどまらず、どうしても拡張主義に転化していく。これが怖い。領土争いなんて、まさか。そう思われる向きは多いだろう。だが、この「まさか」ほど、何度となく実現してきた「まさか」もない。
・短くても、しっかり足元が固まっている諸通貨がひしめき合いながら、共存している。そしてその上に、円やドルといった国内向けの通貨があり、さらにその上に「共通通貨」が存在している。そんな、がっしりした短足通貨に支えられた集合体として、グローバルな通貨秩序ができあがる。通貨体制の三元構図だ。いわば、「3D」型のグローバル通貨秩序である。21世紀的な通貨のあり方として、そのような姿をイメージしてもいいのではないか。通貨の足と経済の腰がしっかりした地域共同体。それらが寄り集まって形成された地球共同体は、土台がしっかりしているから、そう簡単には崩壊したりしないだろう。バランスがとれた小宇宙群によって構成された大宇宙は、いくら大きくてもバランスが崩れないはずだ。それに対して、小宇宙のバランスをないがしろにした大宇宙は、それこそ足腰が弱いから不安定に泣く。

<感想>
ニーベルングの指環の話になぞらえて、これまでの基軸通貨の移り変わりとその中での日本の「円」の立場や果たしてきた役割をまとめてくれてて、非常にわかりやすく、著者の明晰な感じがとっても伝わってきました。そして、歴史が繰り返すわけについても、深い洞察で「確かにな」と思いながら読み進めることができました。
そして、これから起こるであろう基軸通貨の変化に対しての提案もとても根拠のあるもので、地域通貨と基軸通貨それぞれの求められる役割と難しさをうまく解消できるモデルで、「これがあるべき姿なんじゃないか?」って今回のユーロ危機を見ていて感じるところが多々ありました。ちょっと、財布に複数種の通貨があるのははじめはこんがらがりそうだけど、慣れれば今も旅行に行ったときとかそうしてるし問題なさそう。
TPPの話についても、集団鎖国って表現は正しい気もする。そこに入らなった国との通商ってどうなるんだろう。もう少し注意して経過を見てった方がいいかもしれないですね。

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