2011年11月13日日曜日

アルゼンチンサッカーの思考力【11年22冊目】


アルゼンチンサッカーの思考力

<本の紹介>
マラドーナ、メッシを生んだ「ビーボな国」を知るための究極の一冊。小手先の技術や安易なシステム論を遥かに凌駕した衝撃のサッカー論。

<メモ>
・マラドーナが5人抜きを決めた舞台は、高地のアステカ・スタジアムでした。炎天下、しかも過密日程の中での5試合目、それも54分と肉体的に厳しい条件が重なっていました。そんな中でマラドーナは、自陣から相手ゴールまで一気に駆け抜けました。凄まじい体力です。
・イングランド戦は、フォークランド紛争での不倶戴天の敵。アルゼンチン国民にとって、決勝に匹敵する大一番でした。この死んでも負けられない大一番で、マラドーナは一世一代のゴールを決めました。あのイングランドを武力ではなく、彼らが生み出したサッカーというスポーツで黙らせたのです。
・「自分しか知らないチョコレートの盗み方を、どうして他人に教えるんだよ。まったくお前はイノセント(純真無垢)で、アマルゴ(苦い)ヤツだな。」
・素直に驚いたり、コピーに励むのは、「僕には創造力がありません」と告白するようなもの。独創性を重んじるアルゼンチン人は、監督のお手本に刺激されて、その上を行くようなプレーを密かに編み出そうとするのです。
・アルゼンチンでは若年層を担当する指導者こそ、多くの引き出しを持った優秀なコーチであるべきだと考えられています。というのも、若い子は安い値段で契約できる。安く買った原石を将来、高く売るためには、素材が柔軟なうちに才能を引き出さなければなりません。
・成功への強い渇望を秘めた選手は、現状に甘んじることがありません。18歳で2部リーグで活躍する選手がいたとします。早く1部リーグに上がらなきゃと考える高い意識の持ち主なら、味方がミスをして負けても、「どうして俺がミスをカバーできなかったのだろう」と自分を責めます。反対に、2部リーグで満足していたら、ミスをしたチームメイトを責めるでしょう。
・生んでくれた親を大事にして、家族を大事にして、美味いものを食べて、神様が与えてくれた時間を自分の好きな人たちと一緒に楽しく過ごす。それだけ。そこにサッカーがあれば、もう何もいらない。金持ちも貧乏人も、そのことは同じです。
・「サッカーなんてのはなぁ、敵を全員抜き去って枠の中に決めりゃぁいいんだ」「俺はなぁ、嫁と娘に愛されたら十分に幸せなんだよ。あんたに愛されたくはない。」―どちらもリケルメ。
・日本人の自分はアルゼンチン人と比べて、どんな特徴があるのか、それを試合でどう生かすべきなのかということに、まったく無頓着だったのです。
・日本と韓国は勝ったり負けたりの好敵手ですが、スタイルという点では韓国が先を進んでいるような印象を受けます。日本はまだ、ほかの国の人々が明確に思い浮かべるようなスタイルを模索中です。だれもが「これだよ、これが見たかったんだ」と手を打つ瞬間が、日本のサッカーに待たれていると思います。
・アルゼンチンには攻守両面のケースで1対3になっても、「これはおいしい」と思える選手たちがたくさんいます。そう考えられる選手が増えてきたら、日本のサッカーは確実にたくましくなるでしょう。
・アルゼンチンの人々のサッカーにかける気持ちは、どんな国にも負けていません。そんな本気のファンに見守られてプレーする選手たちは、これも嬉しいことに、自分たちがファンだったころの気持ちを失っていません。選手の多くは、大金持ちになっても質素な暮らしを忘れず、スタジアムに足を運ぶ人々が、少ない給料の中から苦労してチケット代を捻出していることを知っています。自分たちが不甲斐ないプレーをして敗れたら、1週間を暗い気分で過ごすということも知っています。だから、彼らはすべてをグラウンドで表現します。たとえ敗れることがあっても、心のない敗北だけは死んでもしない。

<感想>
難しい本ばっかり読んでたので、息抜きに好きな分野の本も読んでみました。
アルゼンチン―最初に好きになったきっかけは「俺たちのフィールド」だったか、ウイイレでのやりとりだったか忘れてしまったけど、98年のフランス大会のときからワールドカップでの応援国は僕はずっとアルゼンチンです。シュートの止まない波状攻撃、ドリブルで仕掛ける心意気、アルゼンチンのスタイルがバティやオルテガ、シメオネの頃から、クレスポとベロン、サビオラ、リケルメ、アイマールの頃、そしてテベスやメッシの今の代表に至るまで変わらずにずっと好きですね。きっともう10年早く生まれていたら、マラドーナの頃もずっと好きだったろうと思います。^^

そんなアルゼンチンのサッカーにあるスタイルについて新しい発見もあった読んでて楽しい本でした。俺フィーでもサッカーは手でするってのが出てきてたけど、それが「自分しか知らないチョコレートの盗み方」なんですよね。これは生活のいろんな場面であるある。教えるわけないこと、ってのがいくつあるかってのも、比較はできないけどいい選手ほど持ってる気もする。
それと、リケルメ。ボカにいた著者の話なんでやっぱりボカの話がメインになる。そうすると、時期的にリケルメの話もたくさん出てくる。リケルメ履き、リケルメ食い、リケルメ飲み、、なんでも伝説にしちゃうリケルメのオーラもすごいと思うけど、上にも書いた「俺はなぁ、嫁と娘に愛されたら十分に幸せなんだよ。あんたに愛されたくはない。」っていうスタンスもリケルメらしいなぁ、とか思いました。でも、本質そこでいい気はする。

そして読んでて考えてたことは、日本にはまだそこまでの国民みんなが共有してる好きなスタイルがあるわけではないんだなぁってことでした。そりゃ、各チームレベルではあるけれど、アルゼンチンだけじゃなくイングランドやスペイン、イタリアが持ってるその国のサッカースタイルっていうのがまだ、日本スタイルって形では認識できないなと。これからどういう形で形成されていくのか、ちょっと楽しみにも思いました。^^

サッカー好きな人はおもしろいと思います。よかったらぜひ!