2014年7月31日木曜日

多摩川について

■特徴

▼全長

  • 多摩川の全長は138km。鶴見川は43km。
  • 最上部の小菅村から河口部の川崎市まで含めると、流域人口は、なんと540万人という途方もない数になる。日本で一番人口の多い東京都と、二番目に多い神奈川県の県境になる街の川。
  • 多摩川の水は、都市の地上を地下を縦横無尽に流れ、洗濯機の中や、トイレの貯水槽、人間の体の内部を通り抜け、再び川に戻ってくる。道行く人々の体の一部はこの川の水で形作られているし、この川の水の一部はかつて道行く人々の体の中を流れていた。母なる川。
  • 多摩川の最大の特徴は、何と言っても都市生活に深く関わっている川ということだ。1997年の建設省(現・国土交通省)河川現況調査によれば、流域人口は350人余りで、利根川、淀川、荒川に次いで全国4位、流域人口密度は1平方キロあたり2827人で、鶴見川、荒川に次いで全国3位。釣りやバーベキュー、散歩、花火大会などで遊びにくる人は、1年間にのべ2000万人で、全国1位。この数字から見ても、多摩川は、日本一多くの人に親しまれている川だと言える。
  • 全長138キロ。多摩川は、山梨県塩山(現・甲州市)の笠取山に源を発する急流の中規模河川。源流~奥多摩湖~青梅まで。石灰岩質の山々を削って、V字谷を形作る。中流部は、青梅の扇の要にして広がる扇状地の南縁に沿って、立川、府中、調布、狛江、世田谷と流れる。下流部は、大田区田園調布にある調布取水堰からで、潮の満ち干の影響を受けながらゆるやかに流れ、羽田空港の脇で東京湾に注ぐ。

▼湧水

  • 水質浄化のためにまず必要なのは、川に水を取り戻すことだろう。川の水を増やすため、よく耳にするのは「緑のダム」である森を守るという方法だ。森は、雨水を受けとめ、地中にしみこませるクッションだ。しみこんだ水は、山の地中に貯えられてから、湧き水となって川に注ぐ。おかげで雨が降っていない時にも、川の水量が保たれる。多摩川が有する「緑のダム」は、源流部一帯に広がる「東京水道水道林」と名づけられた区域だ。
  • この区域の森は、東京都の水道局が管理しており、多摩川の水を守るために保護されている。面積は2万ヘクタールにおよび、羽村堰より上流の流域面積の半分ほどを占める広大な森林だ。多摩川の水源林は、劇的な変化の歴史を持っている。私がそれをまざまざと実感したのは、山梨県の笠取山にある多摩川の源流地点を目指して、水源林を歩いていた時のことだった。
  • 源流地点まで、あと数百mというカラマツ林の中、一枚の案内板が立っていた。そこには、大正時代末期に、同じ場所で写されたモノクロ写真が掲示されていた。私は目を疑った。写真に写ったこの場所には、木が一本も生えていない。多摩川の水源林は、かつてはげ山だったのだ。
  • 東京府は1893年に、当時神奈川の一部だった多摩川の水源地帯、北多摩郡、南多摩郡、西多摩郡の3群を東京府に編入。川の水を守るために、県境まで動かして、水源林経営に乗り出した。まず取り組まれたのは、はげ山に木を植えること。これは大きな効果を上げ、多摩川の土砂災害は収まっていった。
  • 多摩川流域で、湧水が多い場所は、中流域の左岸、東京側だ。「ハケ」と呼ばれる河岸段丘の崖があり、崖の下が湧水のポイントになっている。中でも、小金井から三鷹、調布を通って世田谷区まで全長18kmに渡って続くハケは、国分寺崖線と呼ばれており、50ヶ所もの湧水がある。

▼砂利

  • 古い時代の多摩川が運搬してきた砂利は、岡砂利と呼ばれた。岡砂利の採取が始まると、多摩川沿いの街では、川に沿っていくつもの巨大な砂利穴が見られるようになった。現在、府中市にある多摩川競艇場も、もともとはこの巨大な砂利穴の一つを利用して作られたものだそうだ。
  • 第二次世界大戦の東京大空襲の時にも多摩川の砂利は、戦後、焼け野原となった後の東京の復興に使われた。震災と戦争、二度に渡る壊滅的な打撃を受けた東京を再び続く直したのは、多摩川だったのだ。

▼堰

  • 調布堰の上流側と下流側とでは、水面の高さが2~3メートル違う。この段差は、たとえ魚がジャンプしたとしても、越えられるものではない。

▼堤

  • 多摩川溝ノ口築堤(1703年)の際には、水神の怒りを鎮め、洪水を未然に防ぐよすがとして2人の「人柱」が埋められた。

▼河口

  • 多摩川右岸の河口原点は多摩運河の南側の私有地の中。
  • 汽水域は、多くの人が海水と川の水が混じっている場所としてイメージしているが、実際に水中に潜ってみると、海水と淡水はほとんど混じらず、比重の関係で上下に重なっている。汽水域は混じる所ではなく、海と川が重なっている場所。
  • ちなみに海から川を目指す魚や小動物は、すぐに川に入ることはできない。浸透圧の違いから、身体の体積が急変して死んでしまう。したがって真水に堪える皮膚を、わずかに海水と真水が混じるユラユラ帯を使って馴らし、作らなければならない。

▼河川敷・ガサガサ

  • 河川敷には建築物を造ってはならぬという法律があり、たいていは公共の「縁地」ばかりが造成される。ホームレスたちの「家」はむろん違法建築だが、今のところお目こぼしに預かっている。
  • ガサガサは、川の中で実に多くの役割を担っている。産卵床であり、稚魚たちの生活場であり、寝床だったり餌場だったり、こういう怪しい水際をきれいに整理整頓してしまうと、川の中の生き物すべてが単純化してしまうのは残念なこと。水の中の生き物が、なぜそんなにガサガサが好きかというと、
    • 水の流れが、吸収されて穏やかになっている。
    • 鳥に襲われそうになった時に逃げ込むことができる。
    • ガサガサ内の水草や柔らかい茎が産卵床となっている。
    • 生まれたての小魚が育つ好条件が整っている。
    • ナマズやウナギの餌がいっぱい育つ。
    • 夜行性の魚たちの寝床にもなる。

▼生き物

  • アゴヒゲアザラシのタマちゃんが2002年の8月、丸子橋に出た。
  • 多摩川のキジはほとんど養殖したものを放したもの。キジのおかげでキツネも増えた。是政橋でも巣穴が確認されている。
  • イタチ似の足跡の主はイタチではなく、ドブネズミが小走りした時に付く足跡。小走りした時だけがイタチ似の足跡で、それ以上に早く走った時やのんびり歩いた時は、まったく違う足跡になる。ちなみにゆっくりだとカカトが付いて、ダッシュした時は指先だけになる(いずれも後ろ足)。
  • ドブネズミの餌はヒマワリの種でもピーナッツでもいけるが、一番入るのは"とんがりコーンの焼きとうもろこし味"。しかもとんがりコーンは相手選ばず効く。
  • ネズミを大きく分けると、野ネズミと家ネズミの2つに分かれる。家ネズミというのは、屋根裏をゴソゴソ走り回ったり、ビルの配線をガリガリかじったりする"クマネズミ"、下水や繁華街の植え込みに穴を掘って暮らしている"ドブネズミ"、それと、米びつを荒らしたりタンスの服に大穴を開けたりする"ハツカネズミ"、この3種類でまとまる。野ネズミとは、それ以外のネズミをそう呼ぶ。
  • 多摩川にはフクロウがシベリアから二種渡ってくる。
  • アユは大変に知名度の高い川魚。アユは日本中どこに行っても"アユ"で通じる共通語であり、これは古くから水産価値の高い物産として、各地に流通していたおかげにほかならない。逆に水産価値のない魚ほど、地方名のまま呼ばれていたりする。メダカなどはまったく流通しなかったせいか、地方によって呼び名はことごとく変わり、日本のすべての呼び名を集めると5000以上にもなるらしい。共通語になったのは、"めだかの学校"で歌われるようになってからのことだそうだ。
  • これまでの多摩川の目標は、『アユが上る川』でしたが、これからの目標は『アユと泳げる川』だと思います。目標を実現するため残された課題は、私たち人間が安心して泳げる水質を取り戻すことだ。
  • 一般に、生き物の血縁を調べる方法として良く知られているのは、DNA鑑定だ。たとえばメダカやイワナの場合は、それぞれの地域や水系ごとに、遺伝的な特質を持った地域個体群がある。つまり、ある1匹のメダカの遺伝子を調べれば、どの地域出身のメダカなのかを、ある程度推定することができる。しかし、アユの場合、遺伝子から出身地を推定するのは難しい。遺伝子を調べてわかるのは、琵琶湖出身のアユか、南西諸島出身のアユ(リュウキュウアユ)か、それ以外のアユかという程度だ。
  • 昭和30年代前半、大工仕事1日の日当が800円ほどだった当時で、アユの売値が1匹50円。一晩の漁で20匹ほど捕れたというから、1000円になる。子どもの稼ぎとしては、相当なものだった。この頃の多摩川は、水泳場としても知られており、休みの日には、家族連れでにぎわった。レジャー客たちでにぎわう場所で投網を打つと、よく魚が捕れた。人々が足で川底をかき回すので、カワムシや有機物が舞い上がり、それを食べる魚が集まってくるからだ。
  • 多摩川中流で川底の石を拾い歩く。探したのは、アユの「ハミ跡」だ。アユは、細かいギザギザのついた歯で、川底の石についた藻類をこそげとって食べる。「ハミ跡」とは、この時に残される、アユ独特の歯形のこと。その数や大きさを見れば、そこに暮らすアユの密度や大きさを推測できる。
  • 天然遡上アユの数は、年による差が大きい。1990年代以降、多い年だと130万匹、少ない年だと16万匹ほどだ。一方、放流アユは、東京都と川崎市の漁協で、年間およそ130万~140万尾。つまり多摩川では毎年、天然アユを上回る数のアユが放流されており、その数の開きは年によっては8倍もある。
  • アユは一生の中で海と川とを行き来する通し回遊魚だ。夏の間、川底の石に付着した藻類を食べて育ったアユは、秋に川の中流で産卵して一生を終える。卵は2週間ほどで孵化。生まれたての小魚は、流れに乗って海に下る。冬の間は海で動物プランクトンを食べて大きくなり、翌年の初夏に再び川に上る。
  • 桜が散り、新緑が萌える5月。調布取水堰の直下の水面が、小魚の背中で埋め尽くされている。東京湾から上ってきた天然遡上のアユの稚魚だ。堰の水の落ち口では、弾き出されるパチンコ玉のように、次々とジャンプが続いている。1秒間に何十匹が跳ねているだろうか。とにかくものすごい数とスピード感。銀色の体が光っては水中に没し、凝視していると目がチカチカしてくる。1年間に100万匹も上ってくるという数の多さを実感する。
  • 4月上旬、春風を感じながら川沿いの道を行く。探していたのは、マルタの産卵群だ。マルタが産卵する場所は、東急田園都市線の二子玉川駅付近(河口から18キロ)から、調布市の二ヶ領上河原堰(河口から26キロ)まで8キロほどの区間、川の中流部だ。中流部の川の流れは、浅くて流れの速い瀬と、深くて流れのゆるやかな淵との連続で形作られている。マルタは、瀬から瀬へ群れ単位で移動しながら、川底の砂利の間に卵を産み付けていくのだ。

▼川遊び

  • 野遊びに興じていろいろな美しい川も見てきたが、年々悪くなる山間の清流で心を痛めるよりも、年々良くなる街なかのドブ川の方が、遊んでいてはるかに楽しいもの。
  • ドブ川で魚と遊ぶことだってアウトドアに変わりはあるまい。
  • 行政も市民も、まだまだ川を知らない。たとえば、私が取材に入った段階で、多摩川のアユの産卵を見たことがあると言っていたのは、中本賢さん、ただ1人だ。多摩川の生き物が、どこでどんな暮らしを送っているのか、分からないまま川のあるべき姿が語られ、整備事業が進んでいくというのは、やはりおかしい。

▼仕掛け

  • 数日寝かせて回収するのだが、とにかく何が入っているのか、仕掛けを上げるときは何度やってもドキドキしてくる。エビ、カニ、ドジョウにオタマジャクシ、同じ仕掛けでも場所が変われば入るものも変わるし、季節で魚の大きさや数も変わったりする。こういう些細な違いや発見が、実は川遊びで一番大きな楽しみでもある。

▼自然保護市民活動の発祥

  • 多摩川は、全国の自然保護市民運動の発祥の地だと言われている。それまでの日本の自然保護運動は、絶滅に瀕した希少種を保護するために、研究者たちが中心となって繰り広げるものだった。しかし、多摩川では、専門知識を持たない市民が、身近な自然の大切さを訴えた。これは今日の里山保全運動などにつながるもので、その後の時代を作った運動のスタイルだ。

■多摩川の見所

▼四季

  • 春から初夏にかけては断然、草花がおもしろい。
  • 夏から秋口までは虫と魚が面白くなって、
  • 秋には森。
  • 哺乳類や鳥が簡単に見られるのは冬が一番。

▼兵庫島

  • 由良兵庫助(新田義興(新田義貞の息子))の亡骸が流れ着いた場所が兵庫島という公園になっている。

▼菅の渡船場跡

  • 昭和48年まで現役だった多摩川最後の公の渡し場で、引退した赤い屋根の伝馬船が桟橋代わりに舫(もや)ってある。対岸の京王閣競輪場の開催日には、今でも「渡し」が行われている。ギャンブラーはここから颯爽と出陣する。

▼多摩川八景

  • 牛群地形は多摩大橋下流の右岸に見られる。JR八高線の下でも見れる。

▼釜の淵

  • 釜の淵は青梅の市民プールだったが、水死者が出てからいっさい遊泳禁止となった。行政の責任逃れのご法度によって故郷の川で泳ぐ愉快と、抱かれるべきその思い出を失ってしまった。

▼拝島水道橋

  • 橋長670m、多摩川に架かる橋では最も長い。
  • 第2位は新二子橋、第3位は拝島橋。
■多摩川あれこれ
  • 「多摩川」の最初の一滴が流れおちる「水干(みずひ)」があり多摩川の水源といわれるのは山梨県と埼玉県の境、「笠取山(かさとりやま)」です。水干には「多摩川源頭 東京湾まで138km」と書かれた標識があります。
  • 「投げ渡し堰」で用水に水を横取りされた多摩川の、何と流れの弱々しいことよ。私たちの飲み水のために必要とはいえ、少しばかり心が痛む。
  • 多摩川やその支流の秋川は、水質、水勢、流量ともにアユの生育に最適で、村々では上質のアユを多摩川の名産品として江戸幕府に献上していました。こうしたアユを「御用鮎」「献上鮎」などと呼んでいました。特に多摩川中流域のアユは姿形が美しく、味もよかったそうです。多摩川の水質汚染で一度は姿を消してしまいましたが、近年では清流となった川に戻ってきています。いつまでも鮎が棲みつくきれいな多摩川にしていきたいですね。
  • 多摩川は、日本で三番目に河床勾配がきつい川なんです。だから、川の流れが非常に速い。それが、多摩川が死の川から復活できた、ひとつの要因でもあります。流れが速いので、ゴミが捨てられてもすぐに下流に流れていく。だから、どんなに汚されても、ちょっときれいにしたら下流まできれいになる。反対にちょっと汚されたら、上から下まで一気に汚れてしまう。それが多摩川の特性です。
  • 多摩川は、昔は猛烈に冷たい川でした。中流域でもほとんど20℃くらいしかなかった。いまでも奥多摩の駅前の水温は真夏でも14℃です。イワナが棲めるような水温です。かつては、それが川崎まで流れてくるのに1日かからなかった。ダムがないから水がどんどん流れてくる。つまり、あたたまるタイミングがない。非常に水温が低い川だったんです。それがダムや堰ができた今、水温計を見たらほぼ倍、30℃を平気で超えている。
  • 今多摩川には冬になると大鷹やハヤブサが来る。でもたとえ来なくなっても、誰も困らない。何か役に立つわけではないですから。魚も同じです。その結果、多摩川は荒れて、ドブ川になっちゃった経緯がある。それでやっと少しコストをかけて、やっとのことで、今多摩川がよみがえったわけですよね。またコストを削減すれば、いつ元の状態に戻るかわからない。もっと政治的に考えてもらわないと困ります、草の根の活動では限度があります。
  • ある寒い日に多摩川の川辺に調査に出かけたら、アミメニシキヘビが凍死寸前になっていた。
  • 多摩川付近のお店に卸すくらいに鮎が食べられる状態になり、この話を多摩区長にしたところ、川崎市長も試食され、「多摩区名物・多摩川鮎として売り出そう!」と言ってくれました。さっそく地元の市民イベントで鮎の塩焼きを出して、その美味しさに人々は驚いていました。
  • 多摩川で放流しているのは漁協の対象魚だけ、鮎に鯉に鮒、ウナギ。そんなものしか放流していない。にもかかわらず、「死の川」と呼ばれた多摩川に、実際に入って調査をすると50種類ほどの魚が棲んでいる。みんなが思っているより、魚はずっとしたたかに命をつないでいるのです。
  • そして人間が飲んだりするほかは、台所で使って捨てられたりした汚れた水が、みんな多摩川に返ってくる。多摩川から取った以上の、下水処理水が返ってくるということなのです。ほかの川は多摩川のように循環的に使っているわけではありません。発電に使われたり、農業用水として使われたりしてもいるので、畑に使った水は植物が吸水し、川にそれほど戻ってこない。多摩川がどうして循環式の河川になっているのかというと、多摩川流域の人口が多いからです。およそ460万人が多摩川流域だけで生活しています。
  • 「中野島」もそう。中野島にももう一本支流があって、調布の染地に流れていた。そのときに調布の上布田と下布田が分断されたのでした。いま、多摩川べりにはグラウンドがたくさんできています。そこは本来、洪水時期に水を溜め込む場所だった。それなのに無理やり盛り上げて平らにしたら、あふれた川の水は行き場をなくして護岸を削っていくに違いありません。
  • 多摩川流域の陸地の部分、いまの住宅地になっている箇所に、川にちなんだ地名がものすごくたくさんあるのに気づきます。私が住んでいる生田のそばにある「土渕」。その場所は、昔は多摩川が流れていた。崖があるから、上から砂がジャンジャン落ちてくる。その土だけだから土渕というのです。一方、「宿河原」。その昔、江戸の手前には宿があった。河原の中に宿があったんだけど、川があちこちに動いてしまうので、そのたびに宿場を動かさざるをえない。それで最後は河原の石の上に宿を設けた、それで宿河原になった。
  • 旧石器時代の月見野遺跡群が示すように、かつて多摩川は相模川とつながっていて、ほぼ同時期、荒川とも青梅のすぐ北の入間からつながっていた。川崎の地形は扇形をしていますが、これは多摩川の度重なる氾濫によってつくられたものです。ちなみに、布田という土地があるのですが、下布田は川崎市側、布田は東京都側、等々力も東京と神奈川の両方にある。多摩川があっちへ行き、こっちへ行き、蛇行し氾濫し地形を変え、その土地に住む人間も変えていったのです。
  • さらに進むと、日原鍾乳洞のある日原川が支流域としてある。ここには石灰採掘所があり、これを下流の工場まで運び建材に加工されていく。すでに産業と川がつながっている顕著な例でしょう。それから尾根に囲まれ、うねうねと本流は蛇行し、白丸ダムに到着します。そこからヤマトタケルの白狼伝説のある、武蔵御嶽神社で知られる青梅市を抜ける。
  • 多摩川と呼ばれるようになる箇所は、小河内ダム付近から。昔、作家の石川達三が小説『日蔭の村』に書いた、1億8540万立方メートルの貯水を誇る巨大なダムです。ここの水は非常用に回す以外は、主に発電に利用されています。実は、東京都民の生活用水は利根川水系からとっているのです。ここにダム湖としての奥多摩湖がありますが、その湖にそそぐ丹波川の「たばがわ」という読みが、多摩川の語源だという説もある。石が玉のようだったからともいうし、はっきりしない。その不明確さが歴史の深さを物語るようです。

▼多摩川の汚染について

  • 調査結果では、多摩川の汚染でカシンベック病が発症したケースはないとされましたが、イタイイタイ病で知られたカドミウム汚染や、発がん性物質の樹脂であるABSの基準値の大幅越えもあり、多摩川は確実に公害の病巣と化していたのです。
  • 近づいて見ると、褐色の粘液状の液体が泡に絡みついている。もうグロテスクとしか表現しようがない。湾岸戦争で話題になった、石油で汚染された海のようなタール状の川になっていました。
  • 当時の多摩川の汚染はパニックを呼ぶ性質のものでした。首都圏の生活用水の依存度で言えば、多摩川は利根川に次ぐ2番目の河川です。以下は江戸川、相模川という順になっている。多摩川の水は主に首都東京で使用されているので、流域住民よりもむしろ、都心のほうから改善の声が上がったのです。私もハッキリと覚えていますが、川面は一面、ぶくぶくと泡が渦巻いていた。
  • 多摩川を昭和20年代頃みたいにできないか。俺にそれができるかどうか、それは問題じゃない。まずはやってみることだ。ただきれいにするだけじゃない。それではいけない。川が死ぬということは、本質的な汚染での死以外に、周囲の住民に見捨てられる死という2つの意味があるのです。
  • 川の再生の敵は、流域の人々の『善良なる無関心』だ。善良な市民なんだけど、川に関心がない。水道の蛇口の水がどこから来ているのかを知らない。トイレで流した水がどこへ行くかも知らないし、興味もない。それじゃ、いつまでたっても川は変わらない。
  • 現在、多摩川に注ぐ下水処理水のうち、高度処理されているのは、5分の1程度だ。この割合を高めていけば、今後も水質浄化が進むはずだ。
  • 現在、多摩川流域の下水道普及率は、ほぼ100%に達している。下水道普及率を上げることで水質浄化を進めるというこれまでの考え方は、もう通用しない。望みがあるとすれば、下水処理の量ではなく、質を向上させることだ。今、一部の処理場で、高度処理と呼ばれるシステムが動き始めている。これまでの下水処理の技術は、有機物の汚れを除去することには高い効果を上げるが、窒素やリンなど富栄養化の原因物質を除去することを苦手にしてきた。高度処理が導入されれば、窒素やリンが取り除かれ、処理水の水質が良くなる。
  • 「多摩川教育河川構想」としてまとめられた構想の文面「ありのままの多摩川の自然を子どもたちの学びの場にしよう」はそのまま、現在進められている「水辺の楽校プロジェクト」の考え方。水辺の楽校プロジェクトとは、地元の子どもたちが自然体験や遊びの場として活用できる河川環境を作り、地域で行う水辺での活動を支援しようというもの。1996年から、文部科学省、国土交通省、環境省が連携して全国的に推し進めている。このプロジェクトの始まる30年も前に同じ志を抱いていた市民たちがいたのだ。
  • 2001年には、多摩川の中下流が、環境省の発表する環境基準の中で、B類型と認められた。B類型とは、アユやサケ科魚類が暮らすためにも、水道水源として利用するためにも適した水質だとされている。この認定は、カシンベック病疑惑以来、取水停止が続いている調布取水堰の水が再び水道水源として認められたことを意味する。水道水失格の川は、30年の時を経て、ようやく汚名を返上したのである。
  • ダム建設後、羽村堰の下流では、日常的に川が干上がるようになった。これはもはや、アユが遡上できるかどうかという次元の話ではない。羽村から上流の流域面積は、多摩川の流域面積全体の4割を占める。多摩川は上流部4割を失ってしまったのだ。
  • 川の水質は、流入する汚濁物質を、どれだけ多くのきれいな水で薄めることができるかで決まる。汚濁物質とは、生活排水や農業排水の中に含まれている有機物と、リンや窒素などの栄養塩、工場排水に含まれる重金属などだ。多摩川に大量の汚濁物質が流れ込んでくるのは、中下流の都市部、第二の多摩川の流域である。第二の多摩川では、ただでさえ汚濁物質の量が多いのに、上流から流れてくるきれいな水がなくなったため、激しい水質汚濁が起きた。
  • 都市化が川にもたらしたのは、大量の汚濁物質だった。東京都によれば、当時の多摩川の汚染の原因の60%は、家庭下水によるものだ。この下水を処理するため1960年代から70年代にかけてし尿処理場が作られたが、し尿処理場だけでは、多摩川の水質汚濁を食い止めることはできなかった。し尿処理場で処理されたのは、トイレの汚水だけだ。台所や風呂から出た生活雑排水は、処理場ができる前と変わらず、垂れ流しになっていた。
  • 一般にBODが10ppmを越えると、川は悪臭を放ち、魚の生息に適さないとされている。し尿処理された水のBOD30ppmという値は、その3倍に当たるわけだから、魚の生息環境としては論外だ。川に放流することが許されたのは、川の水で汚れが薄まるから良いだろうという理屈だった。だが、この理屈、きれいな水をダムに奪われてしまった多摩川では、もはや通用しなかった。
  • カシンベック病は、元々中国東北部の風土病として知られていた奇病で、骨部が異常に発達する。この地域だけにカシンベック病が発生した原因として疑ったのは、水道水の影響だった。地域の水道水を作っていたのは、多摩川の調布取水堰から引き込んだ水を使う玉川浄水場だ。多摩川の水が奇病を引き起こす…このショッキングな情報は、市民を不安に陥れた。時の東京都知事、美濃部亮吉は、「疑わしきものは即座に処置せよ」の方針のもと、記事が掲載された9日後の9月28日、玉川浄水場に取水停止を命じた。

▼多摩川の環境保全のためのアイデア

  • 移動する川の博物館のようなものをつくる。船内にはレンタル用のライフジャケットが置いてあって、たとえば利用者から保証金をいただいて、使用後にライフジャケットを引き換えにお金を返すというような運営の仕方。
  • 「おさかなポスト」のような受け皿が、各市町村ごとに、1個ずつくらいあってもいいと思い、あるとき、市役所に「おさかなポスト」を置いてくれというお願いに行った。「市役所なら、転出届を出しに行くときに魚もつれてこられるでしょう。そこにおさかなポストも設けておけば、転入届を出しに来た人たちが新しい飼い主になれますよ」
  • 家庭で飼えなくなった魚類を引き取り、里親を募集する「おさかなポスト」が誕生しました。これには大きな反響がありました。テレビや新聞で取り上げてもらった直後に確認に行くと、グッピーなどの熱帯魚が、一度に2000匹ほど入っていたことがありました。
  • また、卵を産んで死んでしまった鮎を放置すると、そこからチッソやリンが発生してしまう。だから定期的に鮎を獲って利用しないと、汚染の元になってしまう。人間が食べることによって川の環境を維持できる仕組みが川にはあるのです。
  • 次の段階とは、鮎を食べられるようにすること。そうすれば、多摩川へ来る人が増える。漁協が機能し始めて、鮎を加工して出荷できるような態勢が整う。こうなると一つの事業になり利益を生みます。その利益を水産資源を増やす策に投資する。魚が増えて、川がきれいになったというアピールがしっかりできて、観光化の礎にもなる。
  • 奥多摩のダムが決壊したら、東京の世田谷から川崎市のほぼ全域はほとんど水に浸かるでしょうね。私見ですが多摩川には遊水池もないですから。昔の川崎には遊水池があり、梨畑があった。もし水があふれても、梨畑にいっぱい入ってくれば肥沃な土地になっていいじゃないか、という時代があった。それがいまはもうない。
  • 高度処理さえすれば、「アユと泳げる川」がよみがえる、とはいかないようだ。下水処理は、すべてを解決してくれる万能策ではない。下水処理頼みの環境再生について、もう一つ懸念されるのは、水温の問題だ。下水処理水が多く流れ込むことで、多摩川では冬場の水温が下がらなくなってきている。東京都環境科学研究所の報告によれば、多摩川中流の河川水の冬場の水温は5℃。ここに17℃の下水処理水が流れ込んでいる。

アイデアを出す

■オリジナリティを大切に

  • そこそこの市場規模がある分野であれば、そこでオンリーワンとして評価されれば、必然的にその市場でナンバーワンの地位がついてくるはずです。オンリーワンはナンバーワンになる力を秘めています。
  • ありきたりのアイデアを掛け算で少数派にする方法もある。
  • 記事になりやすいように考える。どんな風に取り上げられたいのか。どういう言葉で紹介されるのか。それに足るだけのものになっているのか。一行で説明できる形がベスト。
  • どんな仕事をしていくにしても、自分にフィットするいいツール、道具との出会いは大きな力を与えてくれる。どんどんツールを試してみること。新しいニュースにも敏感でいれる方が、アイデアは出てきやすい。
  • あとで誰かに言われる前に、自分で次のことを考えておこう。
    • 深い考えもないままソリューションの特徴や利点ばかりを話し合って、それを証拠と勘違いしていないか?
    • どういうソリューションにお金を出すのか、論理的に説明できる客観的な基準があるか?
    • 「できる」ことと「なすべき」ことの識別がほとんど不可能になっていないか?
    • 成功を定義、あるいは判断する尺度があるか?
    • 異なる見方や独特な視点が欠けていないか?
    • アイデアを財務上のインパクトに換算しているか?
  • 「多すぎる」もの、逆に「少なすぎる」ものは、適切な証拠や重要な発見をもたらしてくれるかもしれない。
  • 質は量が生む。とするならば、量を出せないヤツに質が高いものが出せるのか?もし出せたとしてもそれはまぐれに過ぎないのではないか?と考える。コンスタントに結果を出すためには、素振り練習が必要。プランナーにとっての素振りとは、まさにアイデアを書くことに他ならない。
  • アイデアは迷ったら出す。思いついてしまったアイデアを出さないことは罪。
  • ある程度制限をかけた方が、アイデアは爆発する。
  • セザンヌの書いたリンゴは特別なリンゴではない。リンゴという果物は机の上にあって、ありふれたものです。彼にとってはそれが特別な果物である必要はない。問題はリンゴの見方です。セザンヌの眼には、普通の林檎が美しかったのです。もし、それを美しく見ることができなければ、もっと高い果物を買ってきてもだめです。
  • 世界最高の工場を手に入れることはできても、アイディアがなければただの箱。
  • 0から1への距離は、1から1000への距離より大きい。
  • 『トトロ』は、映画の興行として決していい数字ではなかったのですが、その後、ビデオやキャラクター商品が売れまくり、結局、ジブリ作品の中で、一番の稼ぎ頭になっている。営利を目的としなかった作品が、一番の収益をあげている現実。
  • アイデアは仕事中に生まれるもの。アイデアは「馬上、枕上、厠上」というが、一番のアイデアは仕事中に出てくるもの。
  • イノベーションの偉人は常に自分の井戸を掘る。掘り当てた地下水脈は、常に普遍的な意味を持つ。
  • なんでもできる多機能高機能の製品は、ややもすると「コンバーチブルのバンでオフロード仕様」のようなもの。「一台で荒野を疾走し、ハイウェイを彼女とドライブし、荷物の運搬もできる”万能”なクルマ」ですべてのユーザーのニーズを満たそうとして、”八方美人の総花的商品”をつくり、結局、誰も満足しない製品を生み出してしまうこと。
  • 素直に驚いたり、コピーに励むのは、「僕には創造力がありません」と告白するようなもの。独創性を重んじるアルゼンチン人は、監督のお手本に刺激されて、その上を行くようなプレーを密かに編み出そうとするのです。
  • 少なくとも1度は人に笑われるようなアイデアでなければ、独創的な発想とは言えない。
▼ご褒美制
  • 「あと3つアイデアを出そう」「そのあとランチにしよう」これで3つのアイデアは確実に生まれる。昼飯抜きなんてまっぴらじゃん。
▼報酬と減点制
  • 各労働者の提案件数は、現場に棒グラフとなって貼り出され、労務管理上大きな役割を果たしている。職制からはノルマが与えられ、件数の少ない労働者は注意される。
  • また一方、労働者もノルマを達成するためと小遣い稼ぎと、それに提案件数が賃金、一時金の査定に影響するために、疲れ切った頭であれこれ考えては、現場に据えられた提案箱に備え付けられた用紙に書き込んで投入する。
  • 採用者には最低記念品(250円の商品券)から、通常1000円~1500円の賞金、あとは最高枠10万円までの間で、およそ多くて1,2万円前後の金額が与えられる仕組みになっている。
  • 毎月1回、担当課長が現場に来て封筒に入れた報奨金を本人に手渡す。このようにして労働者自ら、些細な機械改良に協力するシステムが完成する。
  • それは一見些細な機械改良にしか見えないものの、その不断の積み重ねは、当然労働者にとってもっとも重大な影響である労働強化、合理化、労働力削減に到達する。
  • 労働時間中、自分の与えられた労働に何一つ創意も工夫も加える余地もないまま労働を継続している労働者が、家に帰って自分の首をしめるようなことを考えついたとき、初めて企業の運動に参加できる提案制度。
▼どんどんメモする
  • 一つの事項を一つのカードに記入すると、しばらくたてば諸君のテーマのセクション別にこれらのカードを分類することができるようになり、最終的にはきちんと整理分類された、あらゆる項目を網羅した、一つのファイルボックスをもつことになる。
  • まずちょっとした、仮の、あるいは部分的なアイデアが諸君を訪れてくる。それらを紙に記入しておくことである。どんなに突飛に、あるいは不完全なものに思えても一切気にとめないで書きとめておきたまえ。これはこれから生まれてくる本当のアイデアの前兆なのであり、それらを言葉に書き表しておくことによってアイデア作成過程が前進する。
  • 十分深く、あるいは遠くまで掘り下げていけばほとんどあらゆる場合、すべての製品とある種の消費者との間に、アイデアを生むかも知れない関係の特殊性が見つかるものなのだ。
▼人が使われているのはおかしい
  • 動機は、機械のために人間があるという考えがそもそもおかしい、ということでしたね。当時、計算機室の横にはキーパンチャーの部屋があったんです。そこでは、女性が何人も並んで伝票を朝から晩までカードに打っている。これは逆ではないか、と。機械にデータを入れるために人間が使われている。書いた伝票があるわけですから、そのまま機械に読ませるという需要は必ずあるはずだと思いました。

■これから考えるべきこと

  • これから考えるべきこと。
    • 「よその国、特に途上国にできること」は避ける。
    • 「コンピュータやロボットにできること」は避ける。
    • 「反復性のあること」も避ける。
      ⇒これからは創造性があり、反復性がないこと、つまりイノベーションとか、クリエイティブ、プロデュース、といったキーワードに代表される能力が必要になっていく。
  • 「答えのない時代」のいま、世の中に出たら、知識を持っていることよりも、多くの人の意見を聞いて自分の考えをまとめる能力、あるいは壁にぶつかったら、それを突破するアイデアと勇気を持った人の方が貴重である。
  • 学校で教えてくれる程度のことは、仮によく記憶していたとしても、二束三文でしかない。グーグルで検索できることは基本的に無料。その証拠に、人に教えるほど物事をよく知っているはずの先生でお金持ちになった人など知らない。
  • 「処理能力」より「創造力」、「技術マニュアルで得られる知識」より「潜在的知識」、そして「細かい部分にこだわること」より「大きな全体像を描く能力」がますます必要になってくる。
  • これから求められる6つの感性(センス)
    • 機能だけでなく「デザイン」
    • 議論よりは「物語」
    • 個別よりも「全体の調和(シンフォニー)」
    • 論理ではなく「共感」
    • まじめだけでなく「遊び心」
    • モノよりも「生きがい」
  • マイナスをプラスにする発想が大切。そのためのマジックワードが「これからの○○」。
  • 自分たちを取り巻く知の貯水池から、今取り組もうとしているプラットフォーム上に何を選び、何と何を結び付ければ、価値のある「知のリンク」を生み出せるか。固定観念にとらわれず、 リンクを縦横に張る柔軟な編集力が求められている。
  • どんなジャンルであっても、客層を広げる可能性を持っているのは玄人好みの商品ではない。素人がカジュアルに楽しめる商品だ。カジュアルな商品こそそのジャンルの間口であって、それを軽んじる業界は廃れる。新規の客を弾くからだ。

■発想の2つのタイプ

>           新規発想型(A×B→C)   改善発想型(A→A’)

・パターン       「無」から「有」を作る  既存のものをより良くする
・連続性        非連続的         連続的
・性質         柔軟           手堅い
・良否         応用範囲が広い      即効性がある
・出やすいナレッジ   各分野のコアや原理に精通 現場の問題点を熟知
・発想の原理      異種融合         改善
・はまるビジネスシーン 企画、開発        製造、営業

■発想の触媒の例

▼感性系
  • 5感:食べる、飲む、考える、話す、聞く、触る、、
  • 動作:使う、出来る、、
▼時空系
  • 軸の拡大/縮小:空間(広い、狭い)、時間(短期、長期、今からX年後)
  • 反転:上下左右反転、因果逆転、主客転倒
▼環境系
  • 環境:現実/仮想、身代り、なりすまし、代替
  • 感性:極限状態、挑戦、こだわり
▼使えるサイト(お手軽オズボーン)
  • アイデア生産工場 http://www.idea-plant.net/

■発想の広げ方

▼地平線(もう出ないところ)まで発想を広げてみる。
  • オリジナル歓迎、できるできない無関係、調査は×、絞り込みは後回し、データが必要になる直前の段階まで広げる
  • 軸(上位概念)を探す。これができると、アイデアを支え生み出す基盤となる。
  • ワールドカフェはブレストに非常に良い手法。
    • 人の話は聞ききる。
    • 否定しない。
    • 必ず全員が発言する。
    • 時間になったらタイムキーパーが手を上げるので、気づいたら話をやめる。
    • テーマを変える。席を移る。

■商材の荷姿別考慮要素

▼荷姿>①市場性(ニーズ)>②希少性(技術)>③レバレッジ(構造優位)>④リスク
  • ハードウェア>
    • ①スペック、性能
    • ②要素技術、生産技術、特許
    • ③規模の経済(生産、物流量)
    • ④在庫リスク、陳腐化リスク、価格競争
  • ソフトウェア
    • ①機能そのもの、実現すること
    • ②知的所有権、ライセンス
    • ③デファクトスタンダード、チャネルコントロール
    • ④販売数
  • ソリューション
    • ①イシューの解決
    • ②ノウハウ
    • ③ナレッジマネジメント、パッケージ化、ブランド化
    • ④スタッフ稼働率
  • サービス
    • ①アウトソース、インフラの実現
    • ②最新技術、オペノウハウ
    • ③固定客、長期契約、稼働率
    • ④投資規模、プライシング、生産性

■10の問い

  • 1-10は1つずつ積み重ねで仮説と決定を繰り返す
  • 仮説が棄却された場合は前に戻ってそこから考え直す
  1. 顧客は誰?
    • 顧客、消費者、地域社会の具体的なイメージはあるか?
    • 対象とする業界はどこか?
    • 興味を示しそうな人が具体的にイメージできるか?
    • どんなシーンで活きるのか?
  2. 顧客ニーズは何?
    • 技術ありきじゃなく、まずニーズありき
    • 顧客に共通して存在するニーズは明確か?
    • 「なぜやるのか」が明確になっているか?あきらめない理由は何か?
    • その中に、自分がやらなければいけない理由はあるのか?
  3. 顧客への提供価値は何?
    • 提供する価値は持続可能な形で明確に定量化できているか?
    • 自分たち、顧客、消費者、地域社会全てにメリットをもたらすものになっているか?
    • 将来の日本に、世の中にどんな価値をもたらすのか?実現された世界観は言語化されているか?
  4. 競合は誰?
    • 敵対しそうな人が具体的にイメージできるか?
    • 比較基準がどこか明確か?
    • 同ターゲットの異業種競合が意識されているか?優位性や差別化ができているか?
  5. 差別化ポイントは何?
    • 自分たちの競争力は何か?類似の事業との差別化ポイントはどこになるのか?他社に真似できない理由は何か?
    • 差別化ポイントを生み出す源泉・ノウハウがどこにあるのか?
    • 必要な技術を持っているか?
    • 効果的であるばかりでなく、効率的(時間・手間に関して優位性がある)か?
  6. 商品・サービスの内容は?
    • 「何をするのか」「どんなコンセプトなのか」がわかりやすくまとまっているか?一言で表現できるプラン名があるか?
    • 「売り」はどこか?
    • Out of Box(固定観念にとらわれない自由な発想)で考えているか?
    • 事業に追加できるサービスや、省略できるサービスは明確か?
  7. 業務フローはどうあるべき?
    • 自分たちだけでやれるのか?足りない能力や経験は誰がどう埋めるのか?
    • 「我慢」「不便」をイメージさせない、みんなが前向きに取り組めるプランになっているか?
    • 母集団形成~成約~ファン化までのプロセスは明確か?必要なスクリーニング機能や動機形成機能は準備されているか?
    • 各業務における収益向上のポイントは何か?
    • 関わってくれる人たちの教育プランも考えているか?
  8. 事業の成果指標(KPI)は何?
    • 最も注力すべき指標は何か?目標値はどのくらいか?指標向上のための打ち手は何か?
    • 想定の事業規模はどの程度か?
  9. 事業のリスクは何?
    • 実現する上での課題は何か?リスクや問題点は危険度が分析されているか?
    • 他のプレイヤーがやってきたら困ることは何か?自分たちが「やらない」ではなく「できない」ことをどう超えていくのか?
    • リスクを削減する具体策が先行して考えられているか?
    • 許認可について確認されているか?取得プランは立てられているか?
  10. 収益成長の見込みはある?
    • 運営していく上で必要となる資金はどれだけか明確か?
    • タイミングが明確になっているか?どの時期にどんな「人」と、どれくらいの「資金」が必要か明確か?
    • キャッシュの流れをどう予測するか?
    • 消費者が増えていくシナリオはあるか?

■階層を意識してみる

  • 束論。2つの順序集合の要素があったとき、その共通の上位要素を上界といい、その中で最小公倍数にあたるものを最小上界(犬と猫の最小上界は動物)、下界もあり、最大公約数を最大下界(ペットと動物の最大下界は犬)という。

■時代性も大切

  • 『美女と野獣』『リトル・マーメイド』『アラジン』といった作品をつぎつぎに出したころのディズニーはおもしろかった。なぜかといえば、そこに時代性があったからです。
  • これらの作品は全部、古典に題材を求めています。テーマはほとんどが差別とその克服。現代ではリアルに描きにくいけれど、いまもけっして力を失っていないテーマです。それをオブラートにくるんで取り上げた。もうひとつは、主人公を女性にしたこと。たとえば『美女と野獣』でも女性の側から描いている。この30年で、女性と男性どちらが大きく変わったかといえば、圧倒的に女性でしょう。女性を主人公にすることで、古典の物語を現代の目で描くとこうなるんだよ、ということを上手に見せた。
  • 「かつての作品と比較すると、最近のディズニー映画の女性キャラクターは魅力に欠ける。」「当たり前だ。ハリウッドを牛耳っているプロデューサーもディレクターもアニメーターも、みんなゲイだらけだからだ。」

■アイデアの触媒

  • アイデアは、いくつかの軸で考えてみると突然おもしろくなったりしますね。視野・視座・視点を変えてみること。そんな軸をまとめていきたいと思います。
  1. タイムトラベル:もしこの問題が10年前に起こったら?100年前だったら?もしくは100年後だったら?
  2. テレポーテーション:違う場所でこれが起こったらどうする?違う国だったら?もしくは別の宇宙だったら?
  3. 違う自分:もし自分が別の性別だったらどう考える?別の国籍だったら?身長がもっと低かったら?体重がもっと増えていたら?
  4. 他の人:自分じゃなくて他の人だったら?父親だったら?親友だったら?
  5. 有名人:キリストだったら?ジョブスだったら?
  6. 超能力:もしあなたに超能力があったら?スパイダーマンなどのヒーローだったら?
  7. ギャップ分析:今いる地点をAとして、目指すべき地点をBとして、その間にどんなギャップがあるかリスト化してみよう。
  8. グループで!:もっと他の人を呼んできてブレストしよう。
  9. マインドマップ:説明不要。
  10. メディチ効果:異なる文化、コンセプトが交差するところではアイデアが生まれやすい、という考え方。他のちょっと似ている分野での成功者、成功事例を羅列して共通点を見つけよう。
  11. SWOT分析:強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)について分析してみよう。
  12. ブレインライティング:ブレストを紙やメールで行うもの。アイデアを書いた紙を10分ごとに隣の人にまわしてどんどん追加していこう。
  13. トリガーメソッド:アイデアを出したら、そのうちの一つを選んで、それをトリガーにしてさらに広げていこう。
  14. 変数ブレスト:目的を達するための変数を羅列し、その変数のそのまた変数について考えてみよう。
  15. ニッチ分析:これは上述の変数のリストが出た後にやるもの。変数を自由に組み合わせて新しい課題をさがしてみよう。
  16. チャレンジャー:現状を成立させている前提条件をリスト化し、「本当にそれが正しい?」とあらためて考えてみよう。
  17. 脱出思考:これは上述の「チャレンジャー」で出た前提をまったく逆にして思考するもの。
  18. 逆バリ思考:現状に対して普通の人がとるような行動をリスト化。その逆をしたらどうなるかを考えてみよう。
  19. トレードオフ解決法:現状、存在しているトレードオフは何か?それを解決するようなアイデアはないか?
  20. 無限リソース:お金や人材、時間などが無限にあるとしたら?
  21. フォース分析:あなたを突き動かしている力にはどういうものがあるか?もしくはあなたを行動から妨げている力は?その力がもっと大きかったら?もしくは小さかったら?なくなったら?
  22. 拡張思考:何もかもが大きくなったら?10倍になったら?100倍?もしくは1/100だったら?
  23. ランダム:まったく関係のないものを持ってこよう。絵でも言葉でも映像でも。TVや雑誌を見てみつけよう。
  24. 瞑想:課題にフォーカスして静かな場所で集中して瞑想しよう。紙とペンを忘れずに。
  25. 101のアイデア:なんでもいいので101個アイデアを出してみよう。
  26. 懐かしい体験:昔の懐かしい体験を、どこかに取り入れられないか。例えばガチャガチャとか。
  27. その他の効能:「効能」が複数あると、商品が魅力的になる。いくつの効能を兼ね備えているか?
  28. 副産物:「自由研究」の題材としての、「科学を学べる」料理教室。同じサービスでも、違う用途を謳うと違う人が集まってくる。「朝のカフェは『集中できる』」「麻雀は『ボケ防止』」「旅行も『健康のため』」…こっそりと楽しみを提供できないか?
  29. 色の塗りつぶし方:面(コミュニティと言い換えてもいいかも)を作るには、新しい点を打つ、点を濃くする、大きくする、新しい線を作る、太くする、アプローチはいろいろかも。
  30. ユニークベニュー(特別な開催地)。場所に特別感があるとそれだけでテンションが上がったり。

自転車の出てくる映画

■茄子 アンダルシアの夏

■茄子 スーツケースの渡り鳥

■大脱走

まだあった気がするけど。。

森林資源の活用

■林業

  • 山仕事を担う人々のヴィジョンが将来の山と環境に大きく関わってくる。林業は一朝一夕に成果が出ない。植栽をして50年、100年経ってようやく伐採し木を売ることができる。その間、適切な手入れをしないと木は育たないし、周りの環境にも悪影響を与えてしまう。親が子供に教え、その次の世代、またその次の世代へと様々なことを継いでいってもらうように、林業も代々受け継いでいかなければならない。
  • そのためには、「どんな山にするか?」という最初の意志が大切。どんな意志でつくられ、育てられてきたのかを知らなくてはならない。
  • "生きている木を伐るなんて可哀想"とセンチメンタルな気分になりがちではあるが、ここは原生林ではない。人の手によって保たれる"林"なのである。むやみやたらに生長した樹木は、枝を拡げ絡み合い、地面に太陽光を届きにくくしてしまう。十分に根を巡らすこともできず、地盤は弱くなり、大雨などで斜面が崩れる心配だってある。
  • 中山間地においては農林業が主要産業にならざるを得ないため、林業の復興なくして地域振興はありえない、という事情も抱えている。
  • 「緑のダム」が現在、社会的に注目される大きな背景がある。林業復興のための意義づけ、手段といったらいいだろうか。木材消費に占める国産材比率が18%を割り、材価格の暴落や人材不足により国内林業が産業として成り立たない状況に陥って久しい。拡大造林期に植え日本の森林の約40%を占めるスギ・ヒノキ・カラマツなど大々的に間伐しなければならない時期を迎えている人工林が放置され、「国土保全」機能を果たすべき森林がむしろ土砂崩壊や雨水流出の危険度を高めている、というのである。
  • 多種の弊害が予想される人工構造物でなく、多面的に有用な機能をもたらす森林整備を中心にすえていくべきだ。国が森林整備は数字で定量化できないからと流域対策として認めないのは、自らの研究不足を棚に上げ、時代の要請に逆行しているのではないか。
  • 森林環境税は、森林保全を目的として、県民税に一律500円を上乗せして徴収する仕組みである。年約1億4000万円の基金を財源として、一方では公益上緊急に間伐を要する「水源林」等の強度間伐、すなわち「緑のダム」整備事業のために使い、もう一方では「山の日」関連イベントなどの普及啓蒙のための事業費として使われる。
  • 交付金事業とFSCの森林認証をセットにして進めた結果、認証森林は私有林の過半を超え、FSCのロゴマークを付けた木材の販売も少しずつ増加している。当初は木工製品の開発から始まったものが現在では高知市、大阪市などの工務店と提携して国産FSCで造った住宅・環境配慮の家という販売戦略が展開されつつある。
  • 間伐を実施すれば、国・県の補助金に加えて1ha10万円の交付金が支払われることが、間伐推進・「緑のダム」整備への大きなインセンティブとなった。
  • 町は森林認証の取得に全面的に協力するとともに、1999年に風力発電施設を2基設けた。設置場所は常時風の強い高原であることもあって、年間2000万~3000万円の収益が上がった。この収益をもとに町は「環境基金」を作り、森林認証の推進とタイアップさせながら、独自のユニークな間伐促進事業を立ち上げるなど、積極的な展開を図っている。
  • 森林認証では森林組合が管理者となって、国有林の一部と県有林、町有林そして多くの私有林を対象に趣旨に賛成する者と管理契約を結んで、グループ認証を受けるという全国初のチャレンジであった。製材工場の認証を取ることによって、認証森林から製材加工された木材製品に「環境に配慮した製品」であるというFSCのロゴマークを付けて販売することができるようになった。
  • 50年前の価格にまで暴落した木材価格のもと、「どうしようもない林業山村の危機から脱却をめざす」ためには、これまでの林業の効率化路線だけではやっていけないことを認識した中越森林組合長は、1998年末に高知県主催の「森林認証制度に関する勉強会」に出席したとき、再生・発展の新たな可能性を森林認証に見いだしたのである。
  • それまでの木材生産を目指したスギ・ヒノキ一辺倒のモノカルチャーの森づくりから、間伐推進による林内への広葉樹導入と合わせて平面的にも立体的にも多様な「モザイクの森」づくりへの転換を図ったものといえる。それによって、生態系の豊かさの回復と「緑のダム」機能の改善、水の再生を図る。
  • 1950年代~1970年代においては、全国的に、燃料革命(薪・炭から石油等へ転換)が進み、茅葺き屋根が激減し、まぐさや肥料も山の採草地からの依存がなくなり、山林利用が激変した時期で山地で広範に行われていた畑作や棚田農業も減り始めた。それらの山地に、当時価格が急上昇していたうえに、林野庁の植林奨励と補助金によってスギ・ヒノキなどが大規模に植林された。
  • 広葉樹の優れている点は、立地環境に適応した多様な樹種が生育できる、気象災害に強い<風への抵抗性、雪氷害の起こりにくさ、折損後の再生性など>、病虫害に対して危険分散できる、リター<枯葉や枯枝>の分解が早く土壌化しやすい、などがあげられる。そこで手入れの行き届かない人工林<針葉樹一斉林>の弱点を広葉樹が補うことによって、森林の諸機能が強化され生態的にも資源的にもバランスが図られる。広葉樹林については、現状の保全を基本に必要であれば手入れを行い、その利点が遺憾なく発揮されることが期待される。
  • そもそもわが国では古来より、川を治めるには山を治めよ、と言われ続けてきたのである。私たちはそろそろ洪水対策の発想を変えなければいけないのではないか。明治以来営々とダムとコンクリートで洪水を河道に閉じ込めてきた「線の治水」から、洪水量そのものを押さえて被害を減らす「面の治水」へ重点を変えていく時代がやってきたのである。そのためには、今、流域面積の7割を占める森林の質にこそ目を向けてほしい。これは山に暮らす人々、川に暮らす人々、それぞれの現場からの切なる声である。
  • 流域の人工林を20年間かけて強間伐を行えば、2025年には18,000トン/秒となり、新たなダム建設は必要ないことがわかった。またこれによって毎年7億円の新たな公共投資が生まれる。
  • 森林の違いを取り入れて雨量と河川流量の関係を再現したところ、ピーク流量は森林状態により変化する。浸透能の低い1970年代のデータで計算するとピーク流量は大きくなる。浸透能が高い1961年の森林状態に回復すれば、ピーク流量は20%下げることができる。現在では、旧建設省が定めた基本高水流量24,000トン/秒は過大である。
  • 吉野川流域ビジョン21委員会報告所が指摘したのは、自然林は放置人工林にくらべ、2.5倍の浸透能力がある。強間伐して10年以上経過した人工林は放置人工林にくらべ、約2倍の浸透能力がある。
  • 戦後の拡大造林政策によって自然林の一斉皆伐が行われた結果、森の治水力を測る平均浸透能は、1970年代急激に低下した。この時期、毎年のように洪水が頻発している。1990年代、自然林の皆伐のあと植林されたスギ・ヒノキが成長し浸透能はある程度回復したが、現在は手入れ不足のためその回復が頭打ちとなっている
  • 洪水への影響度がもっとも大きいのは降雨量やその降り方である。また、流域の地質、地形、土壌などの地域性、さらに表土の攪乱も大きな影響要因で、長期流出における蒸散の影響を除いて、森林の影響はこれらの諸要因に比較して小さい。したがって、森林の影響を検知するためには、森林以外の要因の影響を取り除く必要があり、そのためには時系列的な降雨強度を入力し斜面での実際の水の流れを物理的に追跡する流出モデルと組み合わせて評価する手法をとるべきである。
  • 世界的には、熱帯地域、開発途上地域を中心に、森林が減少している国が多い。国連世界食糧農業機関(FAO)による「世界森林資源調査2000」によれば、1990年代の世界の森林面積の正味変化(増加と減少の差し引き)速度は年平均939万haの減少であった。これは世界の森林面積の0.2%に相当し、北海道の面積(780万ha)より大きい。
  • 大量に木材を消費する国であるにもかかわらず、自国の森林を温存できるのは、需要の80%を輸入でまかなうことができる経済力があるからこそである。
  • 日本は、森林面積67%という森林大国であり、その面積率は過去100年間ほとんど変わっていない。主要先進国のなかで、これほどの森林面積率を長期間、維持している国は他にない。日本で森と川とのつながりが問題になっているとはいっても、それは森林が減少して、その悪影響によって困っているのではなく、逆に森林が成長しているのに、それを切る人がいないので困っているのだから、考えてみれば贅沢な話である。
  • 近年、「水源税」というかたちで、上流の森林管理費用を下流域の住民に負担させようという趨勢もあるものの、現状では、税金が水源涵養のために有効に使われているかについて評価することが難しいのが現状である。
  • 国内の森林資源を使えば海外に富を流出させずに済む。しかも森林を失った国では、日本の森林と水を狙って、得た資金で日本の森を買い取ろうとしているのだ。日本は資金を流出させただけでなく、自らの国の水や森林まで失ってしまうのだ。だから国内の森林資源を使って家を建て、燃料に使うべきだ。

▼スギ・ヒノキ

  • ヒノキは成長が遅くて、育つまでにスギの倍、つまり約100年かかります。それでも人々は土まで背負って山にヒノキを植えました。しかし彼らは、自分の植えたヒノキで得することがないのです。なぜなら100年以上生きられることはまずないからです。では何のために植えたのか。子孫のためです。そんな彼らはなぜ生きていられたのか。祖先が植えてくれたヒノキがあったからです。だから彼らは祖先を大切にしますよね。それは当然です。今生きていられるのは祖先がヒノキという財産を残してくれたからなのですから。
  • ヒノキ林の特徴は、広葉樹に比べて落葉量が非常に少なく、さらには、その落葉も容易にバラバラになりやすいことである。そのためヒノキの落葉は容易に林内からうすなわれる。したがって、手入れの悪いヒノキ林では、下層植生も落葉層も失われるため、林床が裸地化し、遠目には緑の森林と見えるものの、森林の内部は砂漠のような状況となる。
  • 日本の森林の40%はスギ・ヒノキを中心とする人工林である。スギやヒノキの価格は、この25年間でなんと約半値まで下落し、最近5年間だけをとってみても、暴落といっていい値崩れを起こしている。40~50年前に山にスギ・ヒノキを植えた人たちは、林業で金もうけをすることを夢見て植えたのだが、そのもくろみは見事に外れてしまった。
  • ヒノキは、枝葉を水平方向に展開し下層への入射光をさえぎる、落葉が細片化して容易に移動するといった特性をもつため、下層植生の侵入や有機物層の発達が妨げられる。この結果、雨滴衝撃によって表層土が目詰まりを起こして浸透能が低下し、表面流が発生してしまうと考えられている。このような林では、間伐等の手入れを行うことによって「緑のダム」機能を向上させることができる可能性がある。服部らは、ヒノキ林にアカマツが混交したり、ヒノキ林の林床面をササが被覆したりした結果、土砂の流亡が大幅に減少したことを報告している。
  • スギは、樹齢30年ぐらいから花粉の量が増えてくるとされていて、70年代に入ると、花粉がどんどん飛ぶようになった。
  • スギ林の面積は、全国の森林の20%弱。日本の国土でいうと、なんと12%がスギ林なのだ。なんでこんなにスギ林が多いのか?その理由は、第二次大戦中にまで遡る。戦時中の日本では、武器や道具を作るため、たくさんの樹木が伐採され、いたる所、禿げ山だらけになってしまった。 そのせいで、大雨や台風が来るたびに、山崩れや洪水などの被害が起こるようになったため、対応策として、成長の早いスギの木が大量に植林されることになったのだ。
▼担い手不足
  • 香川県のように、水をもらっている吉野川・早明浦ダム上流の高知県の森林に対して、間伐補助金を出している「越境補助金」のような例もある。このような動きは今後各地に広がるであろう。しかし、林業は採算の問題以外にも、過疎化、高齢化の問題を抱えており、自己負担ゼロの補助金が用意されていても、実際に山に入って作業する人がいないために、予算が消化できず、間伐は進めない、という事態も起きている。
  • 1ha当たり3000~4000本程度の苗木を植え、大きくなったら2,3回間伐を繰り返して、最終的に1ha当たり1000本程度にする、というのが標準的な林業のやり方なので、過密になった人工林は、間伐をしないとダメになってしまう。しかし間伐しても、将来儲けにつながる見込みがないので、間伐が行われない、いわゆる手入れ不足の人工林が増えてしまっているのが現状である。
▼森林の機能
  • 森林には「ゆっくり流す」機能と「水を消費する」機能の二つが備わっている。水を消費する機能とは、葉や枝が雨水をさえぎって蒸発させたり、葉から水を蒸散させる機能のことで、森林は草地や荒地などとくらべて、より多くの水を消費することが知られている。

■森林酪農


  • 「この世界に無駄な命などない」と考えるアミタ株式会社が、森で育てる酪農を鮮烈な形で復活させました。丹後半島の森の中で牛の放牧を始めたのです。しかも山地酪農では徐々に丘状にしていくのに対して、アミタの考える「森林酪農」では森のまま維持します。
  • アミタで放牧されているのは種牛を除いて乳牛で、乳牛は一日一度、乳が張ってそれを絞ってほしくて牛舎に並びます。それ以外の時間すべて、牛たちは山の中を散策しています。雪が降る真冬でも牛たちは外にいます。出産するときも牛だけで自力でします。
  • 森の中で牛に出会うと驚きますね。森の中で大きな動物に出会うことはないですから。ここで作られた牛乳は、成分の調整などせずに大手の百貨店で販売しています。週一回の販売、しかも市販の牛乳価格の7倍だというのに、これまで3年間、一度も売れ残ったことがありません。
  • アミタはその牛を、林業にも役立てているのです。牛は下草を食べてくれるので、夏場、人が立ち入ることができないほど密生する下草が、すかすかになります。そして牛は大きな図体で自然に枝落としをしてくれます。まるで下草刈りしたみたいな森になるのです。牛糞は一頭当たり一ヘクタールあれば、そのまま山の栄養になります。逆に草の成長量から言うと、一頭あたり二ヘクタールの面積があれば牛と雑草が共存できます。
  • これを林業に役立てたら、最大の費用がかかっている草刈りがいらなくなります。林業から考えると、コストをかけて乳牛を管理しなくても、雄牛を中心に飼うことで除草を任せることができます。

■広葉樹


  • 広葉樹の生態系に合わせた利用法を考えるべき。生態系の問題は、即環境問題。
  • 広葉樹が本当になくなれば、秋の紅葉がなくなってしまう。またいろんな木から採れる果実もなくなる。となれば、山に棲息する動物たちの食糧事情に多大な影響を及ぼすことは必至。サルやリスがいなくなり、昆虫がいなくなり、鳥がいなくなる。もはや生態系に以上をきたしはじめた山々は、日本のあちこちに出てきている。
  • 四季いずれの時期も炭酸同化作用をし、休まず地中から養分を取り続ける針葉樹だけでは、山の土は痩せてしまうといわれている。たしかに、広葉樹の土は養分に富むので、飛騨地方では苗代に入れている。
  • 今、日本の国土の66%を占める森林地帯の環境を守るキーポイントは、広葉樹にあるのではないだろうか。
  • 落葉広葉樹林の場合は、常緑針葉樹ほど樹冠遮断量は多くなく、草地とそれほど変わらないという研究もある。しかし降水量の少ない地域では、深い根の影響で草地よりも水を消費する。また湿潤な土地を好むポプラやヤナギなどは、蒸散量が非常に大きく、結果として水流出量を50%またはそれ以上減少させる。
  • 上流域(高標高域)では、(成熟した)常緑針葉樹林の面積率が10%増加するごとに、水流出量は1.5~2.0%減少する。このことは、森林を皆伐すると水流出量が20~25%増加することを意味する。これは森林が草地に対して樹冠遮断蒸発量が多いためである。下流域(低標高域)では、上流域に比べて雨が少なく、樹冠遮断蒸発量の影響は少ないが、樹木は深い根を持ち、草地に比べて蒸発量が多くなる。低標高域では、水流出量はもともと少なく、森林の影響によって水流出量は70%またはそれ以上減少する。
  • 現在、多摩川の水源林のおよそ3割は、植林された針葉樹林で占められている。一般に針葉樹の森では、広葉樹の森に比べて川の水量が少なくなる。川の水量を増すためにできるのは、広葉樹の森を復活させることだ。すでに、多摩川の水道水源林では、針葉樹の人工林を、広葉樹の天然林に戻す取り組みが始まっている。

■照葉樹


  • 照葉樹林が広がる地域は世界でも限られ、その地域には共通した生活習慣―焼畑、絹、漆、味噌や納豆の発酵食品、餅食などが見られるという。それを「照葉樹林文化」と呼ぶのだそうだ。

■竹


  • 竹の中には乳酸菌が含まれています。そのおかげで竹を粉にしてビニール袋に入れておくと、発酵して「ぬか」そっくりなものになります。そこに生ごみを入れれば、臭いも出さずに二週間で分解され、それが堆肥になります。それどころか、その竹粉そのものが飼料になるのです。特に牛やブタは大好物で、竹粉を混ぜた飼料を与えると、その後は竹粉がないと食べなくなるほどです。堆肥としても有効で、竹粉を捲いたところだけ、草の成長が飛びぬけていました。
  • こうして使えたら、竹害が国産飼料になります。カロリーベースで日本の食糧自給率が40%と低いのは、配合飼料の輸入が多いためです。もし竹粉でまかなうことができたなら、日本の食糧自給率は52%まで向上することになります。
  • 竹は杉よりも高いとこまで一気に伸びてから葉を茂らせる。その結果、杉林すら竹に負けて朽ちていくのだ。しかも竹は上だけ伐っても地下茎で広がるから駆逐できず、地下茎を取ろうとすると山の表面全部をはがすことになる。この困りものの竹が、粉にすると畑地の栄養となるだけでなく飼料にもなるのだ。これで竹の害を利益に変え、自給率を向上させることができる。それらを飼料に使えば、自給率ははね上がる。こうすれば最悪の資金流出を防ぐことができ、地域経済の活性化ができる。

■緑のダム


  • 「緑のダム」とは何か、といわれれば、それは森林そのもののことである。河川の源流域にある森林はすべて、そう呼ぶことができる。森林にはたくさんの機能が備わっているが、そのなかには洪水を軽減し、渇水を緩和するという、コンクリートのダムの機能とよく似た機能がある。これを「『緑のダム』機能」と呼ぶ。
  • 数時間先に現在よりも大規模な降雨が予測されるような場合、人工のダムであれば放流により空き容量を増やしておく操作が可能であろう。それに対して「緑のダム」の「貯水量」や「放流量」は土壌間隙の性質と降雨パターンを反映して自ずと決まるもので、人為的な調節はできないことを認識しておく必要がある。予測されるさまざまな降雨パターンに対して「緑のダム」の限界を正確に評価することが重要であり、洪水制御(や渇水制御)の社会的要請がその限界を超える場合には、それを補うための工夫(たとえばダムや堤防の整備)が必要となる。
  • 実際に水を使おうとしたときに多すぎて困ったり(洪水)、足らなくて困る(渇水)のは、最大流量と最低流量だから、最大流量を減らし、最小流量を増やすことによる、流出量の平準化が森林の水源涵養機能ではないかという視点。
  • 国内からハゲ山がほとんどなくなったといっても、海外には中国をはじめとしてかつての日本と同様の状態の山地は多く存在しており、ハゲ山を消滅させた日本の経験は世界各地で役立てうる情報となっている。ハゲ山では、地表に降った雨の多くがそのまま流出し、洪水をもたらす。また、この流出は地表の土砂も押し流す。階段工を施工し、植林すると、流出はおだやかになり、土砂流出も急激に低下する。このようにハゲ山を対象とした多くの調査事例があるが、ハゲ山を緑化したことの影響はとても大きいので、その効果は誰にもわかっていた。
  • 「緑のダム」が失われた川では、雨が降れば洪水、晴天が続けば渇水が起きる。奥多摩のシカが増えた原因は、長らく保護のために狩猟禁止になっていたことに加えて、温暖化が進み、冬に自然淘汰される数が減ったためではないかと考えられている。森を守るため、シカの数をどうコントロールするのか。水源林の新たな課題だ。

■人間と動物と


  • 人間が人間の視点で理解し書き記した「自然」なるものと、実際いまそこにある「世界」とは、大きな隔たりがあった。
  • 人間の言葉では翻訳できないような事柄もあった。ある事柄について、対応する人間の言葉がないことを雨が説明すると、先生はひどく不思議がった。それなくしてどうやって生きていくのか、と先生は言った。

2014年7月30日水曜日

自己分析まとめ

■聞いてみるのも大事

▼自分が一番得意なことを人に聞く
  • 自分の仕事が価値を生んでるかを決めるのはお客さん、つまり自分以外の誰かなんやで
▼自分の苦手なことを人に聞く
  • この世界に闇がなければ光も存在せんように、短所と長所も自分の持ってる同じ性質の裏と表になっとるもんやで。たとえば、一人の作業が好きなやつは、人と会うと疲れやすかったり、逆に人と会うのが好きなやつは、一人の作業に深く集中することがでけへんかったりするもんや

■strength finderより

▼戦略性
  • 戦略性という資質によって、あなたはいろいろなものが乱雑にある中から、最終の目的に合った最善の道筋を発見することができます。これは学習できるスキルではありません。これは特異な考え方であり、物事に対する特殊な見方です。
  • 他の人には単に複雑さとしか見えない時でも、あなたにはこの資質によってパターンが見えます。これらを意識して、あなたはあらゆる選択肢のシナリオの最後まで想像し、常に「こうなったらどうなる?では、こうなったらどうなる?」と自問します。このような繰り返しによって、先を読むことができるのです。そして、あなたは起こる可能性のある障害の危険性を正確に予測することができます。それぞれの道筋の先にある状況が解かることで、あなたは道筋を選び始めます。行き止まりの道をあなたは切り捨てます。まともに抵抗を受ける道を排除します。混乱に巻き込まれる道を捨て去ります。そして、選ばれた道――すなわちあなたの戦略――にたどり着くまで、あなたは選択と切り捨てを繰り返します。そしてこの戦略を武器として先へ進みます。これが、あなたの戦略性という資質の役割です。問いかけ、選抜し、行動するのです。
▼ポジティブ
  • あなたは人をよく誉め、すぐに微笑みかけ、どんな状況においても常にポジティブな面を探します。あなたのことを陽気と言う人もいます。あなたのように楽天的になりたいと思う人もいます。しかし、いずれにしても、人々はあなたの周りにいたいと思います。あなたの熱意は人に伝染するので、あなたの近くにいると彼らには世界がより良いもののように見えてくるのです。あなたの活力と楽天性がないと、人は、自分の毎日は同じ事の繰り返しばかりで単調であるとか、最悪の場合、プレッシャーを重く感じてしまいます。
  • あなたは、彼らの気持ちを明るくする方法を必ず見つけます。あなたはどんなプロジェクトにも情熱を吹き込みます。あなたはどんな進歩も祝福します。あなたはどんなことでも、よりエキサイティングで、より生き生きとしたものにする方法をたくさん考え出します。一部の懐疑的な人たちは、あなたの活発さを否定するかもしれませんが、あなたはめったにそれに引きずられることはありません。あなたの積極性がそれを許さないのです。あなたは、生きていることは素晴らしいという信念、仕事は楽しいものにできるという信念、どのような障害があろうと人は決してユーモアの精神を失ってはならないという信念から、どうしても逃れられないのです。
▼着想
  • あなたは着想に魅力を感じます。では、着想とは何でしょうか? 着想とは、ほとんどの出来事を最もうまく説明できる考え方です。あなたは複雑に見える表面の下に、なぜ物事はそうなっているかを説明する、的確で簡潔な考え方を発見すると嬉しくなります。着想とは結びつきです。あなたのような考え方を持つ人は、いつも結びつきを探しています。見た目には共通点のない現象が、何となく繋がりがありそうだと、あなたは好奇心をかき立てられるのです。着想とは、皆がなかなか解決できずにいる日常的な問題に対して、新しい見方をすることです。あなたは誰でも知っている世の中の事柄を取り上げ、それをひっくり返すことに非常に喜びを感じます。それによって人々は、その事柄を、変わっているけれど意外な角度から眺めることができます。あなたはこのような着想すべてが大好きです。なぜなら、それらは深い意味があるからです。なぜなら、それらは目新しいからです。それらは明瞭であり、逆説的であり、奇抜だからです。これらすべての理由で、あなたは新しい着想が生まれるたびに、エネルギーが電流のように走ります。他の人たちはあなたのことを、創造的とか独創的とか、あるいは概念的とか、知的とさえ名付けるかもしれません。おそらく、どれもあてはまるかもしれません。どれもあてはまらないかもしれません。確実なのは、着想はあなたにとってスリルがあるということです。そしてほとんど毎日そうであれば、あなたは幸せなのです。
▼活発性
  • 「いつ始めようか?」これはあなたの人生で繰り返される質問です。あなたは動き出したくてうずうずしています。分析が有用であるとか、ディベートや討論が貴重な洞察を生み出す場合があることをあなたは認めるかもしれませんが、心の奥深くでは、行動だけが有意義であると知っています。行動だけが何かを起こすことができるのです。行動だけが功績につながります。決断が下されると、あなたは行動を起こさずにはいられません。他の人は「まだ知らないことがあるのに」と戸惑うかも知れませんが、あなたのペースを遅くすることはなさそうです。そのうえあなたの考え方では、行動と思考は互いに相容れないものではありません。事実、活発性という資質によって、あなたは、行動は最良の学習手段であると考えています。あなたは決断し、行動し、結果を見て、そして学びます。この学習方法によって、あなたは次の行動、そしてさらに次の行動へと導かれるのです。もし行動しなかったら、どうやって成長できるでしょう?あなたは、行動がなければ成長できないと考えています。あなたは、危険を冒してでも行動し続けなければなりません。次の行動を起こさなければなりません。思考を常に活き活きと豊かにしておく方法が、他にあるでしょうか?発言したことや考えたことによってではなく、実行したことによって判断されるということを、あなたは知っています。これが重要なのです。あなたはこれを恐れることはありません。あなたにとって、これが喜びなのです。
▼最上志向
  • 優秀であること、平均ではなく。これがあなたの基準です。平均以下の何かを平均より少し上に引き上げるには大変な努力を要し、あなたはそこに全く意味を見出しません。平均以上の何かを最高のものに高めるのも、同じように多大な努力を必要としますが、はるかに胸躍ります。自分自身のものか他の人のものかに関わらず、強みはあなたを魅了します。真珠を追い求めるダイバーのように、あなたは強みを示す明らかな徴候を探し求めます。生まれついての優秀さ、飲み込みの速さ、一気に上達した技能――これらがわずかでも見えることは、強みがあるかもしれないことを示す手がかりになります。そして一旦強みを発見すると、あなたはそれを伸ばし、磨きをかけ、優秀さへ高めずにはいられません。あなたは真珠を光り輝くまで磨くのです。このように、この自然に長所を見分ける力は、他の人から人を区別していると見られるかもしれません。あなたはあなたの強みを高く評価してくれる人たちと一緒に過ごすことを選びます。同じように、自分の強みを発見しそれを伸ばしてきたと思われる人たちに惹かれます。あなたは、あなたを型にはめて、弱点を克服させようとする人々を避ける傾向があります。あなたは自分の弱みを嘆きながら人生を送りたくありません。それよりも、持って生まれた天賦の才能を最大限に利用したいと考えます。その方が楽しく、実りも多いのです。そして意外なことに、その方がもっと大変なのです。

2014年7月28日月曜日

住む・不動産について

■どこに住むか

▼戸建かマンションか(マンションなら低層階?(要調査))
  • こんな情報を耳にした。
  • 6階以上のマンションに住む妊婦の流産率は木造住宅の、約4倍。異常分娩率は約2倍。高層階になるほど神経症も多く、アル中と喫煙率も高くなる。さらに高層階ほど低体温児が多く、高血圧、ボケ、も多くなる。高層階でペットを飼うと異常行動をとったり早死にするケースが目立つ。
  • 飛行機の操縦士にも早死が多かったり、キャビンアテンダントにも婦人科系や精神系の病氣が多いといわれる。飛行機ではしばしばペットボトルが気圧の変化でへこんだりするが、人間の脳や内臓は大丈夫なのだろうか?なんらかの影響はないのだろうか?
  • つまり、このような情報やデータが示すものは、人間は高層に住んではいけない事や、余りにも高度な空間に長時間いてはいけない事実を示している。高層ビルのエレベーターに乗ると、決まって途中で耳が痛くなったり聞きづらくなる。これをあのスピードで毎日の外出毎に繰り返していたら三半規管はじめ、体が異常を訴えても不思議ではあるまい。
  • 人間は大地の土から目には見えないエネルギーを貰っている。そこにできるだけ近い方が良いのは当然であろう。たまにの食事や宿泊で高層ビルを楽しむのは良いだろうが、毎日毎日暮らすところでないことは生物学的に考えても当然である。大手企業のお洒落なCMに惑わされず、人間と言う生物の観点から見た基準を持つことが必要。
▼賃貸物件の探し方
  • アパマンとエイブルとセンチュリー21とかは自社の取り扱い物件からの紹介が多くて、ピタットハウスとかビッグとかそれ以外のお店に行くと業者間で出回ってる物件の紹介が多い。
▼どんなマンションを買うべきか
  • マンションは誰が見てもよい、と思うものを買うべき。そういう物件がなければ、借りておくのが一番いい。金利の低い今が買い時、と世間では言われているが、価値が半減するかもしれない不動産を買う時の理屈ではない。

■不動産の運用について

▼売る場合
  • 僕の経験から行くと、U楽、M井、Pリンセスは高く査定して専任媒介契約を取ることを目的にしている気がしました。結局お願いしたものの反響が低く、価格をどんどん下げざるを得なく、売れる時期を先延ばししただけになってしまいました。
  • 結局S友林業にお願いしたところ、スピード感がとても早く対応していただけ、値引きも最小限で売却まで至ることができ、とても好感を持っています。
▼資産価値の維持
  • 人間の家は、人間が住まなければ駄目なものです。

ポジティブエネルギー住宅

  • 生産量が消費量より多い住宅。こういう住宅を量産できるようになればいいのでは。


順位/駅名/家賃相場/駅の所在地

  1. 西八王子 4.70万円 八王子市
  2. 高尾 4.70万円 八王子市
  3. 日野 5.30万円 日野市
  4. 国立 5.60万円 国立市
  5. 西国分寺 5.70万円 国分寺市
  6. 国分寺 6.00万円 国分寺市
  7. 八王子 6.10万円 八王子市
  8. 東小金井 6.40万円 小金井市
  9. 武蔵小金井 6.50万円 小金井市
  10. 立川 6.70万円 立川市
  11. 武蔵境 6.80万円 武蔵野市
  12. 豊田 6.85万円 日野市
  13. 三鷹 7.00万円 三鷹市
  14. 吉祥寺 7.40万円 武蔵野市
  15. 西荻窪 7.40万円 杉並区
  16. 阿佐ヶ谷 7.50万円 杉並区
  17. 高円寺 7.50万円 杉並区
  18. 中野 7.80万円 中野区
  19. 荻窪 7.80万円 杉並区
  20. 東中野 8.10万円 中野区
  21. 大久保 8.80万円 新宿区
  22. 水道橋 10.93万円 千代田区
  23. 市ヶ谷 11.00万円 千代田区
  24. 御茶ノ水 11.00万円 千代田区
  25. 四ツ谷 11.10万円 新宿区
  26. 新宿 11.11万円 新宿区
  27. 信濃町 11.38万円 新宿区
  28. 東京 11.40万円 千代田区
  29. 代々木 11.50万円 渋谷区
  30. 神田 12.10万円 千代田区
  31. 飯田橋 12.20万円 千代田区
  32. 千駄ヶ谷 12.30万円 渋谷区

表現のメモ


  • この400mほどの坂道の界隈には、ドラマがぎっしりとつまっている。道は狭いが、厚みがある。
  • <微分>というのは、実は何も難しいものではありません。高校の教師はかつてそう私に語った。<微分>というのは、動いているもの、移ろいゆくものを、その一瞬だけ、とどめてみたいという願いなのです。カメラのシャッターが切り取る瞬間。絵筆のひと刷きが描く光沢。あなたのあのつややかな記憶。すべて<微分>です。人間のはかない"祈り"のようなものですね。微分によって、そこにとどめられたものは、凍結された時間ではなく、それがふたたび動き出そうとする、その効果なのです。
  • まったく曇りのない、虹彩の大きさまでわかるようなその澄んだ瞳は、私の身体を素通りして私の背後の、もっと遠くの場所に投げかけられている。彼女の前で、私は透明な存在に過ぎない。
  • 「お前の孫が読んで誇れるものにしたい」
  • この変わりゆく世の中で、もし変わらぬものがあるとすれば、富士の高嶺の雪と通勤電車の混雑ぐらいなものでしょう。
  • 顧客が購入するのは、輸送手段ではなくステータスだ。(キャデラック事業部長)
  • 侵略すること火の如く、その疾きこと風のごとく、その動くこと雷震のごとし
  • 「疲れはせぬ。それよりもあんたの様子を見ると、京にいたほうが疲れるようだ。」
  • 下部構造が上部構造を決定する。
  • 強い人は、弱い人が相手でないときもっとも強い
  • 『私は原石を宝石にしました』と言ってあげたいよ。
  • 「明日の事を語れる今日の幸せ」
  • 「成功と共に嫉妬は増え、尊敬されて孤独になる」
  • 「母は太陽より大きく、いかなる神々より神聖なり」
  • 苦悩させられるのではなく、苦悩するのだ。愛されるのではなく、愛するのだ。生かされるのではなく、生きるのだ。
  • 男は傷を負いながら強くなるが、女は記憶の化粧をして美しくなる。
  • 若い頃不良をきどっていた人ほど、まっとうに生きていこうとする。今では政治家やエグゼクティブなビジネスマンよりも、ロック・ミュージシャンたちのほうが、遥かに真摯に環境問題に取り組んでいるではないか。
  • 小説は既に過去の表現形式でいらないものだと、本気で考えた。むしろテレビ・ゲームのほうが、小説で書くべきことを的確に表現しているかもしれないのだ。
  • 幸福な家庭の幸福は似通っているが、不幸な家庭の不幸はそれぞれ趣を異にしているものである。
  • ビールあびーる。
  • 食べてないのに気になるカレーは、デキそうでデキなかった女との関係のようで、おそらく一生デキないだろう。
  • 東京タワーはほおずき色の鉄骨が足を広げてズーンと立ち上がっており、女の股ぐらを下から見上げる気分だ。
  • あとから来た常連の客が煮込みを注文し、「鍋の下の方」と言った。大鍋でたっぷりと煮込まれた煮込みだが、「下の方」と注文する爺さんが素敵じゃありませんか。下の方がうまそうな気がするものなぁ。おかみさんが「あいよォ」と答えるきっぷもよく、客と店との呼吸はそう簡単に成立するものではなく、ぼくは、時間をかけて熟成させたドラマをかいまみる。客も店も料理も酒も時間をかけてコトコトと煮込まれ、ちょっと見は泥臭くて野暮だが、そのくせラインダンスのような花がある。
  • 言葉は「言の端」ではなく、事(行為、行動)と同じ意味を持つ。言葉の乱れは生活の乱れ、逆に、生活の乱れは言葉の乱れ。
  • 誕生日って母の日だと思う。
  • 初給料日って父の日だと思う。
  • 起きていながら目が覚める感覚。
  • 青空は史上最大の読書灯。
  • 赤ちゃんの寝息は、ママへの子守唄。
  • 「明日からやろう」を30回言うと、1ヶ月が終わる。
  • 明日の為に、今やろう。
  • 遊んでいるのではない。給料に合わせて働いているのだ。
  • 親は、半分しか育てられない。
  • コオナルト・ザ・ピンチ。
  • 大変なことが多い人。略して、大人。
  • 僕の君は世界一。
  • 男を昼は馬車馬のように夜は種馬のようにこき使うとか。
  • 冗談としては、「こんなに毎日まずい物ばかり食わされているんなら、いっそのこと鶯にでもなった方がましだわい」などと言う人も、ないわけでもないようです。でもそこへ魔法使いでも現れて「では望み通りこれから鶯にしてやろう」とでも言おうものなら、たちまち逃げ出すことでしょう。
  • 駒井甚三郎は、それがためにかなり多くの費用をお松の手に渡していきました。お松は、それを辞退しましたけれども、辞退すべき性質のものでないと諭されて、いさぎよく預かっておきました。
  • 面白半分というより、面白八分でやったこと
  • 曇りにしては気分が軽い、晴れにしてはしっとりとした、都の春の宵の色。
  • どこかの星に咲いてる一輪の花を愛していたら、夜空を見上げるのは、心のなごむことだよ。星という星ぜんぶに、花が咲いているように見える。
  • 砂漠が美しいのは、どこかに井戸を、ひとつかくしているからだね…
  • 子供たちは、ぼろきれのお人形に時間を費やす。だからそのお人形はとっても大事なものになる。それで、とりあげられると泣くんだね…
  • いちめんに黒い海が広がり、そのすぐ上に、赤い月が浮かんでいる。黒い幕にナイフをすっと走らせたような、細い、赤い月だ。窓をあけた瞬間にそれが目に飛び込んできたので、なんだかひどく劇的な感じがした。静かな波音が、ずっと下のほうから聞こえてきた。
  • 後楽園の「天下の憂いに先立って憂い、天下の楽しみに遅れて楽しむ」という精神。
  • 植物園は広大だった。小石川後楽園の場合もそうだったが、こういう広大な施設では中心部に向かって歩を進める最初に、一瞬であるが、右に行くべきか左に行くべきか心に迷いが生じる。そのときわれわれは気づくのである。その迷いに対応するかのごとくたいてい「順路」と書いた札が立っているのである。だが、わたくしは順路という札を好まない。いんちき宗教のように、こちらの心の迷いにつけこんでくるからである。親切顔をしているからである。親切顔をしながら指図しているからである。信用せよと言わんばかりの顔つきをしているからである。皆さんはたいていこの指示に従っていますよ、と言わんばかりの顔をしているからである。相手が考えるべきことにまで踏み込んでいるからである。
  • 「サッカーなんてのはなぁ、敵を全員抜き去って枠の中に決めりゃぁいいんだ」「俺はなぁ、嫁と娘に愛されたら十分に幸せなんだよ。あんたに愛されたくはない。」―どちらもリケルメ。
  • 「自分しか知らないチョコレートの盗み方を、どうして他人に教えるんだよ。まったくお前はイノセント(純真無垢)で、アマルゴ(苦い)ヤツだな。」
  • 決然と滅亡に向かって扉を開ける。これは、呪われし者の特徴的な行動だ。
  • 不採用になった情報も何件かありますが、その際の館主さんの判断とその明解な解説連絡を戴くことの方が採用と同じくらい嬉しいですね。「一喜一憂」としないで「嬉々」とした次第です。
  • 服を体に合わせるのではなく、体を服に合わせていただいた。
  • 自分の頭とハートが、今の今までつながっていなかったのだ。
  • 「鰻は脳溢血で死んだんでしょう。脳溢血かコレステロールの関係でしょう。鰻は全身アブラですからね。どうしても血管に悪く作用する。」

営業にまつわるあれこれ

■営業姿勢

▼必要なのは思いやり
  • 営業のすべての出発点は相手を思いやる心にあるというシンプルな原理を、すべての営業マンは改めて胸に刻むべきだろう。
  • 携帯電話にかけて相手が出なかったとき、折り返し、『着信履歴が残っていました』と電話をかけてくれる営業マンはすごくありがたいですね。こちらのメールの内容をくみ取り、急ぎの度合いを感じ取って返信ではなく、電話のほうがいいと判断してくれる営業マンもありがたい。そして、こちらの話の調子や声のトーンから緊急度を感じ取って、場合によっては『いまから行きますので』と素早く行動に移してくれる。要は嗅覚です。
  • メールの署名に電話番号も書いてある営業マンはそれだけでもすごくうれしい。メールを読んで疑問があれば、すぐ相手と電話で話をしたい。名刺を探す時間も惜しい。電話番号一つでも、相手の気持ちを考えてくれていることがわかる。
▼新しいことに取り組み続けること
  • 「一般の方は、『放水時間が数分延びます』といっても『それが何なの?』と思うかもしれませんが、消防関係の人は『なるほど』と思う。今までと同じ製品だったら、自治体の財源はつかない。『古いか新しいかだけの差だろう?今の消防車も使えているのだから、整備はしっかりやって、来年か再来年に買えばいいじゃないか』と言われてしまいますから。モリタは、コンビニ業界と同じことに取り組んでいます。従来、コンビニのターゲット層は若い人たちでしたが、客数が増えないので、今は中高年層を取り込もうとしている。今回の新しい泡消防車の投入も同じ理屈です」。
  • 見せるものを少しずつ変えていく。「5年に1度の周年イベントでは来場頻度の低い地方客も呼べるが、まずは首都圏中心のリピーターに何度も来場してもらうために、イベントやショーを一定の頻度で刷新していく、というのがオリエンタルランドの戦略だ。」
  • どんな商売でも変化を起こすのは顧客ではなく、売り込む側。
▼サンプル配布
  • 商品を原価で配れるようになれば、めちゃくちゃ安くできる。CMとかを打っていくよりも、全然安く済む。お客様も何かがもらえるのであれば黙っていても集まってくる。
  • この2つをつなげることができれば、うまくまわる?
▼あからさまに売り込まない
  • 自分や店を好きになってもらうよりも、自分が1人ひとりのお客様を好きになること。それは巡り巡って返ってくる。街を舞台にしたゲームの画面で、看板に例えばプーマ、プーマ、プーマ。登場人物の服や靴もプーマ。
  • 「けれども」というキーワードと、「物事は見かけ通りではない」というテーマにすると、いい物語がつくれる。
  • お客さんに決定権を渡す。帰ってから考えて決めてもらう。「ご検討よろしくお願いしまーす。」で終わることが、無理やり感がなくていい。
  • 街一つを見本市の会場にしてしまうスローフード協会の活動は商魂むき出しの人工的な会場でちびちび味見をしてまわる見本市が苦手な私には、なんとも新鮮だった。見本市の場合、たくさんのパンフレットを抱えて家へ着いた時にはたいてい何がおいしかったなんて、ろくに覚えていないもの。村の名産祭りといっても、本当においしいものにありつけることはあまりない。近頃では、北へ行っても南へ行っても、土産物屋には大量生産の似たようなものばかり並んでいる。それでは確かにつまらない。
  • 私は、代理店は「ハンター」だと思っていた。とにかく腕を磨いて、「獲物(お客)」のいそうなところへ出向いて、それを仕留める。そんな感覚で仕事をやってきた。しかし、しばらくして「これは違うな」と思うようになった。その頃から、代理店は「ファーマー」だと考えるようになった。過去のお客さんにも情報を提供したり、よいサービスを提供したりすることで、定期的に「収穫(買い替え需要)」が得られる。地道な取り組みでコマツや代理店の評判が上がれば、新たな顧客も自然に獲得できるようになる。それがわかって、いまの商売でずっとやっていけるという自信が生まれた。
  • 「プレゼンにも、最初の売り込みのステージと、具体的に説明するステージがあると思うんです。例えば、デパ地下でも上手な販売員はいきなり説明せず、まず試食をさせて興味を引きだし、お客が『なかなかおいしいな、どういう商品なんだろう』という心理が働いたところに、『これはこういうつくり方をしていて、体にもこんな効果があるんです』と説明すると、お客も『それならちょっと買ってみようか』という気になる。
▼売れなくても残ることも
  • 音楽業界が今のように戦略化される前に生まれたフォークの名曲の数々は、売上データを見れば驚くほどの少なさだろうが、それらを愛した人々の思い出と共に永遠の輝きを放ち続けている。

■営業力

▼営業力
  • 営業力とは、告知能力と成約能力。件数を増やせれば、問い合わせは増やせる。その問い合わせを成約に結び付けることが大事。
  • 人間社会は知情意、すなわち知性と感情と意思で成り立っていると言われる。ビジネスではまず、相手と「知」の部分での合意を目指そうとする。したがって、「知」が不足した営業マンは当然、顧客に見捨てられる。しかし、「知」だけではなかなか顧客の「意」は得られない。「知」の限界を「情」が補ったとき、相手の中で「この人を相手に取引をしてみたい」という共感が生まれ、強い意志がわき上がって、合意へと至る。
  • 「取引先の営業マンと一緒に先方の工場見学に行ったとき、営業マンが工場のおえらいさんに、いかにも初対面らしく、土産を渡して『お願いします』と挨拶するんです。『客は誰なんや』と思ってしまう。些細なことで営業と現場が疎遠な関係であることがわかります。」営業マンが足を運び、顔を向けるのは営業先ばかりではない。製造現場との関係を深めることができれば、それが社内調整力となり、営業力を下支えする。
  • 商談が一段落して世間話になると、自社のグチを言い始める。『上層部が言うことを聞いてくれなくて』とか、『営業と開発や生産との仲が悪い』とか。そこにその人の本質が表れますし、その会社はチームとして成り立っていないことの表れでもある。一方、自分の会社が好きで、商品が好きだという人は、説明の仕方一つにも表れる。わたしたちは、自分の会社や商品が本当に好きなんだなと感じられる営業マンと取引をしたい。
  • 重要なのは、2点です。
    • 第一に、その営業マンが競合他社をベンチマーキングしているかどうか。単に『うちの商品はここがいい』と言うだけではなく、『他社製品と比べてこんなメリットがあり、値段的にもこれほど違う』といった比較情報がほしい。その商品をなぜ選んだのか、理由を文書にしやすいからです。
    • 第二に、われわれの社内顧客のニーズをどれだけ把握しているかです。自動車部品のように点数が多いと、バイヤーもすべて技術的な情報をフォローしているわけではありません。そこで、われわれは営業マンに技術的な質問をします。このとき、日ごろの行動の差が答えに表れます。できる営業マンは、購買部ばかりでなく、技術部にも通って情報をとり、ニーズを把握しているので的確に答えられる。われわれもいちいち技術部に確認に行かなくてすむので、商談はトントン拍子で進みます。
  • 会った人を笑わせる。「笑わせる、いうんは、『空気を作る』っちゅうことなんや。場の空気が沈んでたり暗かったりしても、その空気を変えられるだけの力が笑いにはあるんや。ええ空気の中で仕事したら、ええアイデアかて生まれてくるし、やる気も出てくる。人に対して優しゅうなれるし、自分のええ面が引き出される。それくらい空気いうんは大事やし、笑いって大事なんやで」
  • お客さんとコミュニケーションを続けるコツは、いつも1,2個宿題を持って帰ってくること。そこからのやり取りを発生させること。
▼清潔に
  • 「売れない営業マン」のイメージのダントツナンバー1は「不潔」。
▼売る側と買う側
  • メーカや問屋が売り込みに来ることは見方を変えれば悲劇的な状況とも言える。欲しい商品はこちらから買いに行くものであり、売れない商品を強引に押し付けられているとも言える。そして買ったものは売る必要がある。どうせなら、買ってくれるお客さまに押しかけられたい。
  • 今のようにものが売れない時代、お客様が欲しくないものは買わないという時代、あるいは商品のライフサイクルが非常に短くなっている時代に、メーカーや問屋が持ってくるものをただ並べておくだけで、どうして売れるのか。新しい売れ筋商品は、黙っていても向こうからやってこない。そういう商品は、必ず外にある。外にあるといっても、いつも向こうからきている取引先には、そういう情報はない。新しくて有益な情報を得たいなら、それまでに行ったことがない場所を重点的に探らなければならない。
  • もっとも重要なのは目の前にいない人たち。売り込みに来ない(来る必要がないほど他で売れている?)、買いに来ない(必要なものが揃えられていない?)という状況を想定して、どうしたらそういう商品を手に入れることができて、買ってもらえるかを考えるのが大事。ただ、目の前のお客様をないがしろにしたら本末転倒なので、目の前+@を考えるということ。
  • 課題解決のすべてのプロセスにおいて、初めから双方ともにプロジェクトの形で参加できたら、顧客側の社内ユーザの潜在的なニーズも浮かび上がり、一方、サプライヤー側の潜在的な対応力も見えてきて、最適最善の営業が可能になる。一対一から複数対複数、面対面の"多面体営業"へ。これが組織戦時代の営業の必勝パターンだ。
  • バイヤーは一種独特な仕事で、お客であることが仕事なわけです。日本には『お客様は神様です』という文化があります。売る側がお客様のことを大切に思う気持ち、それは美しい文化だと思います。ただ、われわれのような買う側が『おれたちは神様だ』と言った瞬間、それは醜いものとなります。
  • 「売った責任ってもんがあるだろ。売り手から先回りして商品の価値下げるもんじゃない。誠実っていうと聞こえがいいけどそれは自分が背伸びしなくて済むっていう楽をしてるだけ。手ェ抜いたんならともかくそうじゃないなら『いい仕事しました』って胸張るのが売り手の義務」
▼リピーターを重視
  • 「リピート顧客はより頻繁に、より高額な買物をする。」というデータもある。
  • 既存顧客の維持にかかるコストを1とすると、新規顧客の獲得には5~10、遺失顧客の再獲得には50~100のコストがかかる。

■商品

▼商品の選別
  • POSはこれまでに自分たちが売ってきた商品についてのデータを出すことで、今売っている商品の中でお客様に評価されずに売れないでいる死に筋を排除するためにある。そのあとに何を投入するかは教えてくれない。それは店の中を見渡しても見つからない、店の外にある。

■調整、交渉についてのワンポイント

  • 「○○をして欲しい。さもなければ××(相手の嫌なこと)をするよ。」という取引ができるようになれば、できること、できる可能性は増えていく。
  • ビジネスEQの高さは、あなたがどれほど効果的かつ迅速に率直な意見を述べられるか、どれほど人間対人間の会話ができるか、どれほど自分の信念を堂々と話し合いに持ち込めるかを示している。EQの高い人は、自分の推測、仮定、思考のスタイルを自ら洗いなおして検証しようとする大人の態度を見せる。
  • コミュニケーションの最大の敵は、コミュニケーションがとれているかのような幻想。人と話をするときは、相手の使うキーワードに注意して、それをどういう意味で使っているのか尋ねよう。愕然とするほど、相手の返事は意外であることが多い。認識齟齬を防ぐ意味で、なるべく周りの人に何かをお願いするときには数値の情報を含めるようにする方が良い。
  • 価格の交渉には、「適正価格(相手が払える価格帯)の確認」と「値段交渉(相手が最善の取引になったと思える価格になるまでの交渉)」の2つの段階がある。そして商品やサービスは、原価に基づいて値段を決めるべきではない。顧客がどれだけの価値を感じるかによって決めるべきだ。原価40セントの口紅を5ドルで売って「私が売っているのは口紅ではない、希望を売っているのだ」といったエピソードだってそこら中にある。
  • 形のあるものを販売するには、それを売るための形のない何かを開発する必要がある。その部分を見落とさないようにすること。
  • 何を話すかの前に勝負はついている。
  • 行間を読む、空気を読むというのは必要だけども、やりすぎは考えすぎ、勘ぐりすぎになってしまう。ただ、これは常に正解がある性格のものではないので、日々失敗しながら調整していく必要がある。「バランスを取る」ことがわかっているかどうかが大事。
  • 何事にも、下地作りが大事。
  • 相手の興味に合わせて提供してあげること。興味を示してもないのに渡されても、管理のされはじめと思うだけ。
  • 大広間コミュニケーション。部屋が広くなればなるほど、共有されればされるほど話は早い。
  • 複数対複数で取り組む大きなメリットは、営業側の提案に対し、顧客側に賛成してくれる人が1人でもいれば、話を次に進めることができることだ。一対一の場合、相手にダメ出しされると、そこで終わりになってしまいやすい。多面体営業は、ある点とある点がうまく結びつかなくても、別の点と結びついてつながりが途切れないネットワーク的な営業スタイルが可能になる。変幻自在のダイナミックな営業により、顧客の隠れた課題をよりいっそう深いところから掘り起こすこともできる。
  • ただでもらう。どんな小さいことでも、安いもんでも、とりあえず何でもええからただでもらったりしてみい。それ意識してたら自分のコミュニケーション変わってくるで。言い方とか仕草一つとっても気い遣うようになるで。

2014年7月27日日曜日

サービスの考え方

■人と仕組みはサービスの両輪

  • どんなにいい仕組みを作りこんでも、それを使いこなせる人がいなければ仕組みの良さを活かすことができない。仕組みと人の両者が揃ってはじめてサービスは提供できる。
  • 人の感性や心は、数値で測ることができない。人の能力は無限大。だから人が最も貴重な財産であり、個を活かし、どうやって唯一無二のサービス体験を提供するかが最大の課題になる。
  • 1人1人が誰に対してもサービス精神を持つ必要があります。それがあなた自身の周囲を明るくし、物事を良い方へと導く原動力になってくれるから。サービス精神というものは、人生をより良く生きるため不可欠といっても良いでしょう。サービス精神の旺盛な人は良い人生を送れるし、優れた人はサービス精神に富んでいます。
  • それは決して会社のためではなく、あなた自身のためであり、あなたがこれから人生を生きていく上で自分自身の価値を高めることに他ならないからです。
  • サービスはそれに対する愛情があってはじめてファンができ、その愛情から共感の輪が広がるもの。
  • お客様から賞賛の電話やメールをいただくと、その内容が社内メールに転送され、ザッポスグッズを購入できる社内通貨がプレゼントされる。お金ではない、同僚からの褒め言葉、感謝の言葉、感謝のイベント。そんなハッピーな体験を通じて、社員と顧客を尊ぶ社風は醸成されていくのだ。

■サービスは売り物になり得る

  • サービスをコストとして捉えない。サービスとはむしろブランドを築くため、そして顧客ロイヤルティを築くための投資として考える。だから、電話の処理時間も測らない。
  • サービスをないがしろにする余裕は、僕たちにはない。
  • 人が欲しがっているものを先取りする。「つまり、こういうことが言えるわな。『ビジネスの得意なやつは、人の欲を満たすことが得意なやつ』てな。人にはどんな欲があって、何を望んでいるか、そのことが見抜けるやつ、世の中の人たちが何を求めているかがわかるやつは、事業始めてもうまくいく。上司の欲が分かっているやつはそれだけ早く出世する」
  • サービスとして夢を語る。ぎょうさんの人が聞きたい夢いうんはな、世の中がそれを実現することを望んでるいうことやろ。そしたら、その夢、かなえるのめっちゃ簡単やがな。なんせその夢はみんなが応援してくれる夢なんやから。
  • もの作りではスピードよりコストが優先され、工場もどんどん海外へ行ってしまいます。しかし、サービスビジネスはコストよりもスピードが優先される。

▼サービスで流行る水族館の事例 http://toyokeizai.net/articles/-/14418

■ファーストフードチェーンのサービス

  • ファーストフードチェーンはどこも質とサービスを売りにしているが、列を作り、食べ物をテーブルまで運び、ゴミを投げ込み、トレイを片付けてとことん働かされているのは、客の方。

■正しい問い

  • その製品やサービスを人に例えたら?
  • 男?女?トラックの運転手?画家?バスケの選手?
  • どんなことをしゃべるの?どんな行動を取るの?
  • 動物に例えたら?
  • 製品をもっと小さくしたら?大きくしたら?
  • 形を変えたら?色を変えたら?
  • 軽くしたら?重くしたら?
  • 包装を変えたら?強度を2倍にしたら?
  • サービスのスピードをもっと上げたらどうだろう?
  • もっと安くしたら?
  • もっと便利にしたら?
  • もっと気軽に使えるようにしたら?
  • 逆に格式ばってみたら?
  • もっと効率よくしたら?
  • もっと遅くしたら?
  • もっと値段を高くしたら?
  • もっと使いにくくしたら?
  • もっと効率を悪くしたら?
  • 製品やサービスに何でも好きなものを足せるとしたら?
  • 製品やサービスから何でも好きなものを減らせるとしたら?
  • もし今日この製品やサービスが突然発明されたら、どんな風に発表する?
  • この製品やサービスを火星人の女性が見たら、どう説明する?
  • 彼女はどう思う?欲しいと思う?
  • この製品やサービスの最大のセールスポイントが突然に違法であるとされたらどうする?
  • この製品やサービスの最大のセールスポイントに誰も魅力を感じなかったら?
  • 逆に全ての人が魅力を感じたら?
  • 最大のセールスポイントを2倍強力にできたら?逆に半分にしたら?
  • もっと手に入れやすくしたら?手に入れにくくしたら?
  • この製品やサービスだけが、このメリットをもっているとしたら?
  • 逆に競合商品や競合するサービスすべてがこのメリットを提供しているとしたら?
  • 1800年代に戻ったとしたら?
  • 逆に200年ほど先の未来では?
  • 問題が今の2倍難しかったら?10倍難しかったら?難しさが半分だったら?
  • 誰もがみな同じ問題を抱えていたら?
  • 自分だけがこの問題に悩まされていたとしたら?
  • 自分の最大の競争相手がこの問題を抱えていたら?
  • この問題を逆さまにしたら、どんな風になる?
  • 後ろからみたらどう見える?
  • この問題が来年も残っていたら?10年後にもあったら?
  • この問題が突然誰にとっても問題でなくなったら?
  • 今抱えているのとまったく反対の問題だけを抱えていたとしたら?
  • 他の業界の人がこの問題を抱えていたら、彼らはどうやって解決する?
  • 建築家はこの問題をどうやって解決する?配管工なら?外科医なら?詩人なら?
  • この問題を解決するために誰かが1億円を現金で寄付してくれたら、そのお金をどう使う?
  • あらゆる問題の原因の99%は人間なのだから、問題を解決するために誰でも解雇していいと言われたらどうする?
  • 逆に誰でも採用していいと言われたら?
  • もし自分自身に問題があるのなら、自分をどう変える?
  • もし親友が問題の原因であるなら、どうする?
  • もしあなたが子供なら、どうやってこの問題を解決する?
  • 僕はこの姿勢でずっといたいのか。

2014年7月26日土曜日

目標管理とモチベーション

■目標を立てよう

  • 目標を、「何を」「いつまでに」「どのレベルまで」をはっきりさせて立てること。
  • 目標は定量的に管理できた方が、あとで検証がしやすかったりする。自分は設定した数字で物語を作れるか、数値目標と方法論が明確かどうか。
  • 「正しい」は基準となる「一」にピッタリ「止」まるからこそ、正しいとなる。はじめに「一」を確認する、基準を作ることが大事になる。基準があるから頑張れる。達成できれば喜べる。自分のタクトタイム(仕事の標準時間)を把握していくことも大事。
  • 計画は100%達成でなければ意味がない。物事は連続している以上、99%でも繰り返しの掛け算の中でどんどん陳腐化してしまう。ミスはまったく許されるべきではない。
  • 問題と目標は違う。そして問題は明確になった時点で、すでに半分解決している。
  • 目標そのものが不明確であれば、検証のしようもない。
  • 嫌味な先輩に気を遣うサイテーのバイトも、カップラーメンディナーの侘しさも、目標さえあれば意味を持つ。
    • 期限と数値が盛り込まれているか。
    • 本人がコントロールできないような成果を目標として要求されるケースもある。自分でコントロールできる範囲を認識しながら目標を設定すること。
    • 長期的な展望を持って考えること。そして毎日の目標は控えめにしてヨチヨチ歩きをする。これが長期的な成功の秘訣。
  • 目標は自分の実績からの積み上げでなく、トップと比べた差異を「損失」と認識して、少しでも縮めるように努力をすること。実際にそれだけの売り上げを上げている人たちがいるなら、そのチャンスを自分たちは失っていると考えるべき。
  • 目標設定は、「現実に流されないための錨」であり、それこそが成長していくための最高の方法となる。
  • 我々は、目標がなくても生活することができます。しかし、目標は人生に骨組みを与え、我々の集中力を高めるのです。目標が高く、そしてしっかりしているほど、それに対する追求の値打ちも、より高まります。目標を追求するときの夢中さは、人々を心から人生に従事させ、より活発にさせ、気持ちよく目的に打ち込ませ、充実感を味わわせ、そして価値ある人生をもたらす、全ての糧を与えてくれるのです。しかし、あなたはやることをやったかのように見せかけて、手を抜いたことはありませんか?成功に近道などありません。格好つけるのではなく、何よりも目標に向かうことが大事なのです。見せかけはただ単に成功の幻覚を作り出すだけなのです。結局覚悟を決めてやるしかないのです。
  • 既に確立された定評を努力目標として示した場合、部下は過去の仕事に匹敵する仕事をやって見せようと努力する。
  • マズローの欲求段階説に則って、「~したい」という欲求に、無理やりにでも「生理的欲求」「安全の欲求」としてこじつけられるものをくっつけて目的を設定する(達成したら好きな彼女と結婚できるとか)と、より力が出る。
  • 「人は目の前に「ご褒美」があると、目的に向かって猛然とダッシュできる」。目的を定めるときは、同時にそれを達成したときの「ご褒美」をセットで考えることで、より学習のスピードと効果が上がります。
  • 目的を達成した自分をイメージするときには、イメージできるシーンを思い浮かべること。体験したことがないシーンをイメージしても、強い動機づけはできない。
  • もし現状に不満があったり、自分の生き方に疑問を感じているなら、自ら風を起こすことを考えてみる。無風状態で凧を揚げるとき、自分で走って風を起こします。飛行機も自らが猛スピードで走って浮力を獲得します。個人もこの手法を採り入れてみる。たとえば仕事のやる気が失せたようなとき、自分から上司に「これだけやります」と目標を申し出て頑張るとか、自分なりの計画を立てて「ここまでできたら自分にご褒美を与える」というのも一つの方法。
  • 人がやる気になる条件は3つある。第一は「目的意識を持つこと」、第二は「好きになること」、第三は「環境が整うこと」。この3つが揃ったとき、人はやる気になるといわれている。「行動というものは、常に判断の停止と批判の中止とによって、はじめて可能になる」という言葉がある。つまり、行動を抑えているのは「ああでもない、こうでもない」という理屈や批判。理屈や批判や言い訳を一切やめて、とにかく行動してみること。真のやる気を引き出してくれるのは、それしかない。
  • 自分の欲しい未来の姿、ビジョンを見つけること。北極星。それはプロジェクトを通じて、「どんなことを実現したいのか」、一本の槍となる。これがあるとプロジェクトをいい意味で、常に修正し変更できるようになる。逆にこれがないとプロジェクトの変更が怖くなる。変更が進化でなく、失敗だと思ってしまう。誰でも絶対転ぶ、転ぶのは何かに挑戦した証拠だから、みんなで大歓迎すること。僕たちは大きな迷路の出口を全員で探している。行き止まりを誰かが見つけてくれるだけでも、他の人が行かなくなる分の貢献になる。
  • ビジネスでは百点満点は目指さない。常に改善できることを意識しながら仕事に取り組むべき。
  • 「戦略とは、考えうる選択肢を出すだけ出して、そのあとに選んだ最良の方法である」戦略と戦術の違いがこの本ほどわかりやすく示された本は今までなかったです。仕事でも戦略と戦術をごっちゃにしているような面があったな、と反省しました。ちまちまと現場視点でその場その場、行き当たりばったりの戦術をいくら積み上げたところでそれはもはや戦略ではない。「こういうことも考えられる」「こうなったらこうする」「こうすればこうなる」そういったシミュレーションを十分に、2週間~3週間とか缶詰状態で考え抜いて、その中から「これならいける!」っていう確信を得られるだけの根拠のある戦略はひねり出されるもんだ、と。そういったアプローチは言われてみるとすごく納得がいくし、その通りだと思うんだけど、なんで今まで誰も教えてくれなかったんだろう。もしかして、こういうこと知ってる人って世の中ホントは少ないんじゃないかって思いました。
  • 諸君らはひとつ40になったら、必ず一冊の本を書く覚悟を、今日からしておいていただきたい。
  • 幅を持った、ある方向性を示すことはいいと思います。コンセプトなんて、そういうことを言葉で表しているだけの話ですから。だから駆動力があるんですね。けれども、いついつまでにそれをこうする、次はこうなるとやり出すと、もう嘘になってしまう。嘘の上に嘘を重ねていくようなものです。
  • コンセプトの第一行というのは、その一行を聞いた時に、使う人がその一行によって実現されるものが欲しいという、大きな反応が返ってくるものであるべきなんです。
  • いいテーマというのは、それが表現された言葉だけを聞いて、これを使う人がそれを欲しいと思えるような表現になっていなくてはだめなのです。
  • 本当にオリジナルで、創造性の高い研究テーマを決めようとすると、日々の管理をしている直属の上司の意向とは違うところに行くというのは、ある意味ではごく自然な話ですよね。その飛び越しを認めるような組織の風土があるかどうかが、かなり大切なことですね。
  • 自分でテーマを見つけるというのが最も重要なポイントなんです。それが間違った方向へ情熱をかけてしまうと、その人の研究時間が結果として無駄になる、何年もかけて、誰も相手にしてくれない研究成果を一生懸命出すような形になるんです。だから、MOTの根幹は、研究テーマのマネジメントなんです。最も悪いのは、何かのテーマをどこかから依頼されて、そのまま人に割りつけることです。これが最悪のパターンですね。
  • 我々は、三行からなるコンセプトを、まだ一行しか実現できていないときに、ポータブルにする、通信機能を持たせる、と発表しました。それには特許の問題が絡んでいます。つまり、ワープロの特許を東芝で独占するかどうかという問題です。結論としては、特許料率を下げて、そのかわりたくさんの会社に払ってもらうという戦略をとったわけです。将来の方向も公表してしまって、そういう方向へ東芝が進むから、ついてきてください。「一緒にやりましょう」と言ったことになるわけです。
  • 「ここの会社はなぁ、大きい会社やからなぁ、ただおりゃええがな」なんてぼーっと考えてる人は顔もボンヤリしてるし、体もたるんでる。それは自分自身のことがつまらないから。
  • 単に「瞬時の判断力」や「責任を持った決断力」を身につけただけでは、「戦略的反射神経」を身につけることはできない。それには、「重層的な戦略を準備する」ということが必要。
    • 重層的な打ち手を準備すること。
    • 重層的な目標を準備すること。
  • 「優れた戦略」とは、たとえそれが失敗に終わっても、極めて価値ある何かを残すものであることを理解するべき。

■ちょっと視点を変えてみる

  • どうしたら事業がうまくいくのか?ていうか、どうしたら失敗するのか?営業であれば、関係者全員に会うまで続けたのか?提案であれば、少なくとも100回は提案してみたのか?努力の次元が違うのでは?失敗なんて、学ぶことしかない。事業は誰にもできないことをするのだから、失敗し続けると世界一になれる。世界一になるということは、世界一の苦しみに耐えること。負ければ負けるほど、どうしたらいいか見えてくる。だからこそ、最初に決めなければいけないのは努力のレベル。
  • 開発戦略における焦点は物質的な蓄積と到達度の重視だが、この焦点を、人間そのものや彼らの自発性、そして積極性に移す必要がある。開発の最初の、そして最も重要な仕事は、個々の人間の内部にある創造性のエンジンのスイッチを入れること。とは言え、「やる気にさせる」と「楽にさせる」は違う。楽にさせたら、わがままになるだけ。ダメにしちゃう。人を育てるのであれば、「楽にさせる」ではなく、「スイッチを入れる」。
  • 厳しいところで結果を出せれば、他のとこでも絶対出せる。
  • 何もなかったとこをできるようにするからこそ、伝説になる。
  • 良い採算制度があるから採算が上がるのではなく、現場の人たちが採算を上げようと思うから上がる。
  • あくまで自分が主役。会社で仕事をするのも、そのなかの1コマに過ぎません。しかし自分でシナリオを書かないでいると、知らぬ間に他人の書いたシナリオのわき役を演じさせられる羽目になるかも知れません。それでも構わないのでしょうか。
  • 自分が「社長だったら」と常に考える。経営の視点を持っている人と持っていない人では、仕事への取り組み方が全然違ってくる。
  • 「100メートル走とマラソンは違う!」「3年後に売上1億を目指すから今年は売上2千万で!」という目標はおかしい。1億円を目指すビジネスと2千万円を目指すビジネスではやり方が違う。100メートル走の走り方でマラソンを走るぐらい違う、とばっさり。でも、言われてドキッとしました。今全力を傾けているから、目標に最速で近づいているのかと言われれば、現時点ではそうかもしれないけどそれをいつまでも続けることはできない。最終ゴールに向かってどうするのかを考えていない計画を積み上げても、最終ゴールには届かない。2千万のビジネスができたとして、それを5回繰り返すのか?ホントに2千万を目指すのが妥当なのか考えなきゃいけないよな、とか思いました。
■こんな人になれたらいいね。

  • 「自信」と「結果」のどちらが先に来るのかというと、これは「自信」になる。なぜなら自信は自分を信じることにすぎないから。結果なんて、全然関係ない。
  • 揺らがず、捉われず。心を揺るがし、捉われを生み出すのは「環境」「経験」「他人」に対するマイナスの認知・解釈。
  • 誰かに信じてもらえること、応援してもらえること。これが一番の強さになる。人は、1人になると非常に弱いもの。
  • 挑戦してる人を見るだけで元気になる。共鳴ってある。会うだけで、周りにいるだけで元気になれる人になろう。相手に勇気を与えるには、勇気を見せることが必要。
  • 成長の為には、ある程度のオーバーローディングは必要。処理できない程の量を前にして、人は改善や抽象化をはかるようになっていく。
  • 諦めないでいられるカードを残す。こういうところに、学校全体で取り組んでるところもある。
  • 定めた目標に向かって最後の最後まで粘ること。
  • リスクを取ることと失敗から学ぶことが成功企業の成長と発展に不可欠である。特に優秀なビジネスマンが平凡な会社員から抜きん出るのはこのため。
  • ほとんどの起業家は最後にようやく成功する前に平均5回は失敗している。また、失敗を「前進し続ける為の学習経験」とみなしている
  • 六十パーセントの力を出し続けられる人が勝つ。常に一定のパフォーマンスを残せる人は貴重な戦力になり得る。逆に100%が出せても0%にもなる人はダメ。
■ストレスとの付き合い方

▼ストレスはワルモノではない。
  • 嫌なことには「カモン○○」「アイラブ○○」ってステッカーでも貼っておけば、少しは見方も変わるかも。笑。
  • 「ストレスにさらされること」と「ストレスに反応すること」は違う。「ストレスにさらされること」は成長するために欠かせない。人は最もストレスを受けた部分が最も成長する。それに「ストレスにさらされること」で、より大きなストレスにも耐えられるようになる。
  • 飛行機は空気抵抗があるからこそ、空を飛べる。
    • 全ての問題に萎縮してスピードを緩めるのではなく、問題や雑音を力にして、飛び上がること。
    • そして得た成長は、「決して失われることのない報酬」となる。
▼ストレスは成長源。
  • ストレスが断ち切られたとき、全ては終わる。精神・肉体・感情、全ての成長が急停止する。退職ら6ヶ月後あたりが、退職後の人生において死の危険が一番大きい時期。ストレスから守られてしまうと、機能は一直線にだめになっていく。
  • とてつもないストレスはとてつもない成長と、とてつもない強さを生む。健康と幸福と生産性を最大限に高め、老化防止に一番効くのはストレス。使わないものは錆びつく。
▼自分の態度に問題はない?
  • ビジネスマンがスポーツ選手から学べることは簡単、訓練あるのみ。毎日訓練することで強さ、弾力性、反応力、柔軟性が増す。
  • 一番大変なのは、いつだって自分自身との戦い。恐怖心、暴走しようとする感情、自分の真の姿から目を背けようとする弱さと戦うこと。
  • 問題の原因を自分の態度に求めること。そしてそれは直せると思うこと。間違ってもいいから何か行動を起こしていると、少なくとも無力感に苛まれるのは防げる。
▼回避方法、回復方法を知ること。
  • 面倒なこと、苦手なことほどパターン化させてしまうのが、ストレスをためずに処理する方法。
  • 書く作業はネガティブな感情を発散させる。自分の葛藤について書くことで病気になることも減り、医師の診察を受ける回数も減らせる。
  • 回復のエキスパートでないと、厳しいストレスのなかで力を発揮し続けられない。
  • 燃え尽きる前にタイムをとる。燃え尽きるのは、自分が自分からタイムを取ろうとしないから、無理やりとらされたということ。それはストレスのせいではなく、ストレスからの回復を自分がしようとしなかったから。
▼それでも治まらないなら
  • ひどい扱いをされない為には、やり返すしかないように思える。しかし大抵の場合は、不機嫌で攻撃的な雰囲気の人から離れる戦術が最もうまくいく。子供が何かを吸収して学びを得るのに時間がかかるのとまったく同じように、いじめる人にも時間的猶予が必要だ。立ち去るのは軟弱な行為ではなく、諦めて相手のいいなりになっているわけではない。他人が仕掛けた不毛な心理戦に巻き込まれるのを拒否するだけのこと。

■振り返り

  1. 目標達成のための、”あなたのするべき事”は正しいものなのか?
  2. ”するべき事”をあなた自身、そしてチームでも分かっているのか?必要とあらば、個人として"するべき事"の確認を度々全員で行うこと
  3. ”するべき事”をしっかりやっているか?
  4. ”するべき事”をするということをしっかり意識しているか?
  • 野球も旅も恋も、反芻が一番楽しい
  • 他の部署も参加する完全なフィードバックシステムを作る。
  • ゴールキーパーは失点を深く考察する必要があります。例えばストッパーのポジショニングミスだとしても、俺がコーチングしていてあげたら良かったわけで、プロセスから目を背けていたら技術は向上しない。若い頃は、"しょうがないじゃん"と逃げてきた。失点が多かった自分が外されたのは、当然のことです。

2014年7月23日水曜日

奥多摩トレックリング#32イベントレポート!


こんにちは、きじです。

前回#31は梅雨まっただ中でついに晴天記録が途絶えた奥トレですが、7月21日(祝)、今度は晴れに恵まれて東京の秘境・奥多摩でもさらに人里離れたパワースポット、海沢に行ってきました。

今回は10人の大所帯でしたが、滝をめぐるたびに「すげー!」とか「わー!」とか歓声が聞こえて、ガイドしがいのあるツアーでしたね。^^

早速行ってみましょうか。

■奥多摩駅へ集合!

今回も集合は10:30に奥多摩駅。奥トレのはじまりはいつもここからです。
この日の奥多摩駅は雨の続いた3連休の最終日ということもあって、いつもよりも人は少なめでした。これから梅雨が明けたのを待って、避暑も兼ねて奥多摩で楽しむ人が続々と増えていく感じですかね。

簡単に奥トレと今日の流れの紹介を済ませて、早速最初の目的地へ。
僕たちの行き先は、駅から1分の「トレックリング」です。
今日は全台予約で埋まってしまったとのこと。奥多摩でレジャーを楽しむ人たちには徐々に認知度も上がってきてるみたいですね。奥多摩で自転車で遊ぼうと考えている方、事前に連絡をしておくのが確実かと思います。

ここで、自転車を借りていよいよ出発です。

スタッフによる事前講習を受けて
行ってきまーす☆

■自然に囲まれて腹ごしらえ

トレックリングを出発後、まず向かったのは奥トレではおなじみの「蕎麦太郎カフェ」。
奥多摩駅からも歩いていける、川辺の景色がキレイなカフェテラスで、まずは腹ごしらえをしていきましょう。

ここの「麦切り」は、うどんでもそばでもない食感が楽しめます☆
開放的なテラスでごはんを食べながら自己紹介もして、初対面の参加者同士もリラックス。
今回はみなさんの得意技を1つずつ教えてもらったりしてました。

ごはんを食べながらリラックス
■いざ、東京の屋久島へ

ごはんを食べてやる気も充電できたところで、いよいよ秘境巡りに出発です。
信号もない、自然の中をのんびりサイクリング。途中から登りが続きますが、この登りに備えて今回は電動自転車を借りていたのでスーイスイです。
若干2名、電動でないメンバーもいましたが、休憩しながらみんなで登っていきました。^^
奥多摩駅の標高約330mから、一気に約540mまで200mくらい上がってきました。東京タワー(333m)よりも、スカイツリーの展望デッキ(450m)よりも高い場所で遊んでおります。
どんどん深くなる緑にみんなもゴキゲンです。^^

緑の一本道
電気に頼らず頑張ってます
車も来ないし、話しながらがいいすね
いよいよ、目的地到着。サイクリングを終えて、ここからはトレッキングです。

■海沢3滝めぐりへ

トレッキングのコースは海沢にある3滝を巡る、海沢3滝めぐりです。
道がわかりにくい(一部ない)ので、最初にめぐるにはガイドがいた方がいいと思いますが、渓流沿いを歩いてまわれる気持ちいいコースですね。僕も大好きなコースです。

電動自転車で体力を温存しながら移動してきたのもあって、みんな元気。
早速巡ってみましょっか。

行ってきまーす☆
三ツ釜の滝
マイナスイオン充電中
渓流沿いを歩くのが気持ちいい~☆ 
水がホントにキレイです 
冒険感出てますね~ 
ネジレの滝
ようやく辿り着いた
滝をバックに
ときにはロープをつたって登ったりも
開けたスペースでしばしの休憩
通り抜ける風がまた気持ちいい
かなりの急斜面をくだって 
たどりついた大滝
滝のすぐ近くまで行けちゃいます
じゃーん 
感動を共有できるのもいいすね 
気をつけて!一歩間違えると…
こういう道だと散策も楽しげ
帰ってきました~
と、1時間半くらいで一周の海沢3滝めぐりでした。
ゆっくりと肌が水分を吸収して、帰ってきたら潤ってる感じがしました。^^

いやぁ、何度来ても海沢良かった~!おつかれさまでした~。

■一気に青梅へ!

海沢を後にして、一気に登ってきた坂道をくだる帰り道です。
ひとこぎもせずにブレーキだけで5km以上も走り抜けられるこの爽快感は、登ってきたつらさ(つらくなかったけど)をふっ飛ばしますね!思わず「いえーぃ」「やほーぃ」って声も出ちゃいますねw

青梅に向かってガンガン駆け下りながらも、運動してますから糖分補給も欠かさずに、ということで途中で休憩の選択肢を3つ提案してみました。

・ 奥多摩名物「へそまんじゅう」
・ 吉川英治ゆかりの紅梅園「氷梅」
・ もしもツアーズでも立ち寄った「くずきり」

今回は大多数のリクエストで「くずきり」に決定。
このくずきり、まぢでおいしいので御嶽で遊ぶ際にはぜひ寄ってみてください。
テラスから山並みをながめ、眼下には多摩川のせせらぎ、風を感じながら日本の夏を満喫できると思います。^^

うわさのくずきり。もみじがいい感じ
読了本の交換会もこのタイミングで 
開放感たっぷりの休憩タイム
甘いものを補給して疲れた身体を回復しながら、裏道を駆使して今日のゴールに到着!
総走行距離34km!いやー今日は走りましたね!

おつかれさまでした~!顔上げて~!w
■自転車を返してのお楽しみ!

そして自転車を返したあとは、奥トレでは毎度おなじみの河辺温泉・梅の湯へ。
露天風呂が本当に気持ちいい~、日本人で良かった~。
と疲れを癒やしながら、今日の感想とかこんなこともしてみたいとか、ゆっくりと話してみたり。

露天風呂がたくさんあります!
温泉で疲れを癒して、打ち上げはやっぱり「ビストロ今」へ。
いやぁ~、今日の疲れを癒しつつも楽しくお酒を飲んで、リフレッシュできました!

おいしく飲んでます!
自分で言うのもなんですが、運動して、温泉に入って、お酒を飲んで帰る日帰りツアー・奥多摩トレックリング、間違いないすね。w

梅雨が明けた夏本番も楽しんで行きたいと思います。
今回来てくれたみなさん、楽しい一日をどうもありがとうございました!^^



◆参加者アンケートより抜粋◆

―参加してよかったこと、満足できた点を教えてください

「念願の海沢で滝を見ることができ、緑いっぱいの山を歩けたこと!」

「電動自転車に乗って自然を楽しめるというのが、新しい発見でした。奥多摩トレックリングのことを知れたのも良かったです。」

「予想以上の滝の迫力と違う年齢層の方とのコミュニケーション、自転車もずっとくだりで気持ちよかったです。」

「濃い緑の中、マイナスイオンをいっぱい浴びて気持ちよかった!サイクリングとトレッキングを両方楽しめて大満足!」

「坂道で死ぬような思いをしたあとの壮大な景色は素晴らしかったです。あと、今年一番美味しいビールを飲めました。」

「海沢サイコー!!」

「自然がきれい、東京から近い、みんなとワイワイ楽しい、スポーティな自転車で山をスピード出して走れて気持ち良い。」

◆奥トレ統計◆

  • 通算参加人数(奥多摩):182人
    • 内リピータ 83人、リピータ率 45%!驚異のリピータ率40%超!
    • 男性 76人/女性 106人、祝☆女性100名達成!
  • 通算参加人数(全体):263人
    • 内リピータ 147人、奇跡のリピータ率 55%!
    • 飲み会は歴代参加者大集合!^^
    • 男性 112人/女性 151人、こちらも女性の参加率高しですな。
  • 最年少参加者:20歳!~最年長参加者:53歳!
    • しっかり世代間を埋める活動になってるかなと。^^
  • 晴天率:78%!(晴25回/全32回)
    • 大体晴れるから、安心して参加してもらって大丈夫です。^^
  • 総走行距離:664km
    • 600km超えました!東京から北は岩手、西なら兵庫くらい。
  • 平均走行距離:25.5km!(総走行距離664km / 実施26回)
    • 距離的には初心者サイクリング向きですね。
  • 遠距離参加者:千葉は船橋、神奈川は湘南から。
    • 休みを合わせて宮城県からの参加者も!
  • 自転車最大ブランク:中学2年以来乗ってません!
    • ゆっくり馴らしながらなのでそんな人でも大丈夫でした~!^^
◆今後の奥トレ予定◆

今後の奥トレは、以下を予定しています。
8/10(日) きのこBBQ!
8/24(日) 酒蔵見学!

参加申し込みは、こちらからお願いします。
https://ssl.form-mailer.jp/fms/0439267f209122
☆いずれも定員8名なので申し込みはお早めに!

また、それ以降の奥トレの予定や最新情報は奥トレMLにて発信しているので、
興味のある方はよかったら登録をお願いします。(7/23現在登録数:75名)

↓奥トレMLへの参加フォーム↓



◆◆

<今日走ったコース(地図をクリックするとアニメーションで見れます)>




2014年7月16日水曜日

エンジニアリングにまつわるあれこれ

▼工事の前後関係
  • 高所作業車はマテハン設置後は動かすことができない(動線がなくなる)ので、先に作業を完了する必要がある。
  • 工事用部材置き場、資材置き場を工事の計画と一緒に詰めていく必要がある。鍵付きの部屋など、保管できる条件を整えてから機材の納入をすること。
  • 電源はサーバルームを最初に入れること。サーバルームは換気をしないといけないが、換気口を設置すると気圧の差でサーバルームのドアが開かなくなることがある。ドアを開けるとホコリが入るので対策も必要。注意。
  • サーバラックはアンカー打ち、床貼りを終えたあとに設置となる。
  • 駐車場の台数は最初に確認しておくこと。
  • 東京電力の充電はエレベーターが最優先。サーバルームも最優先にしてもらう必要がある。
  • 床の耐荷重も確認しておくこと。本を置くなら、1tは越えておくこと。
  • 機器の調達の際には、分納になる場合はその時期と数量の明記、また支払いのタイミングについても確認しておくこと。それがないと、あとで混乱する。
  • MDFの大きさを確認しておくこと。工事の事前情報となる。
▼要員の管理
  • 連絡網の整備を早いうちからしておくこと。
▼システム機器の台数見積
  • 最大配置数と、初期に必要な台数は分けて考えること。
  • 本番で使用する台数と他に、予備や検証環境用の機器についてもカウントしておくこと。
▼機器インターフェイス
  • 通信方式としては、RS232Cが一番速い。USBよりも速いので、業務の中で最優先の通信にはRS232Cを使用するのが望ましい。
  • ただしノートPCなどではUSBしか接続端子がない場合があるので、その場合はUSBインターフェイスのものを準備すること。
▼ネットワーク配線
  • ダークファイバーの場合、新規建設物に引けない(NTT工事が前提のため)可能性あり。工事準備的に問題ないか。
  • ハブボックスなどの設置は、ALCか壁のどちらかのみに設置されているか。(地震の際に遊びをつくるため)
  • 配線は100mを超えるとメタルケーブルは減衰する。距離がある場合は光にするか、中継させること。
▼回線速度のサイジング
  • サイジングの前提となる基準は、まず現状の速度。そして売上。現状と新たに敷設する回線の売上見込から、必要となる速度を割り出す。(単純な掛け算で良いかは要検討、使われる通信量も使用人数も増えていくはずなので乗数の方が妥当かも?)
  • また、他拠点の数や、業務通信の洗い出しについても行っておくこと。
▼配線敷設の注意事項
  • メタルケーブルは100mで減衰する。100mを越えて配線をしたい場合は、光ケーブルで配線をする必要がある。
  • ハブボックスを半径50mでフロアにまんべんなく配置できる数が、フロア内に配置すべき数となる。
  • 配線の本数は、その中で冗長性をどれだけ持たせるか、予備線をどの程度確保しておくかが検討事項となる。
▼工事範囲の明確化
  • WAN~外溝部~MDF(PD板どこ?)~ONU~ルータ~L3スイッチ
  • どこからどこの成端までを誰が担当するのかを決めておく必要がある。
  • 配管、配線、設置、結線、疎通確認(確認方法:対向、通信方式(ping、telnet:ポート))
▼結線可否の確認
  • PCに接続するUSB機器の数などは、多すぎるとUSB口数が不足する場合がある。実際に購入する機器の結線イメージを先に書いてみて、電源・インターフェイスの口が十分に確保できているかどうかを確認する必要がある。
  • USBの口にはAタイプ/Bタイプの2種類ある。そこも確認しておくことが必要。
  • ケーブルの長さも、長すぎても短すぎても使えない。事前に決める・確認しておくこと。
  • ケーブルの色はシステム毎・ネットワーク毎に分けておくとメンテナンス性が上がる。事前に決めてバッティングしないようにしておくこと。
▼マテハンの考慮事項
  • シュリンクフィルムの温度
    • 温度によっては商品側のフィルムが溶けてしまうなどの問題が発生する場合がある。(180℃だと高い、普通は140℃前後)
▼テスト
  • テストでは確認したいことをあらかじめ明らかにしておくこと。
  • テスト外として、教育なども同じ環境でやるのであれば、それを見越したスケジュールを引いておく必要がある。
  • コンベアが連続していく中での、1業務ごとのテスト方式。1業務をテストしたいのに、全業務を流さないとテストできないような事態にならないようにする必要がある。
  • バケットの補給路、いくつまでバケット予備を投入できるのかも確認しておく必要あり。

2014年7月10日木曜日

多摩地域の農林水産業について

■「農」と言える多摩

  • 多摩地域で生産されている梨は「新高」や「二十世紀」「稲城」などがあり、稲城市や日野市などの多摩川周辺で生産されています。
  • 「高尾」は、東京生まれのぶどうの品種で、種無しでやや細長い形が特徴です。

■多摩の酒蔵について

  • 鳳櫻(オオトリサクラ):土屋酒造株式会社
  • 嘉泉(カセン):田村酒造場
    • 新奥多摩街道が福生駅西口通りと交差する付近からようやく用水沿いを自転車で走れるようになる。ここには石川酒造と並ぶ福生の蔵元、田村酒造がある。ここの清酒「嘉泉」も旨い。
  • 喜正(キショウ):野崎酒造株式会社
  • 金婚(キンコン):豊島屋酒造株式会社
  • 桑の都(クワノミヤコ):小澤酒造場
  • 澤乃井(サワノイ):小澤酒造株式会社
    • 奥多摩の銘酒「澤乃井」。奥多摩~青梅の居酒屋にはたいてい置いてあるこの日本酒は奥多摩線沢井駅にある小澤酒造の代表的な銘柄で、飲みやすくておいしいです。やっぱ地酒は地元で飲むのがはまりますね。
    • 小澤酒造には澤乃井園ままごと屋と櫛かんざし美術館が併設されていて、櫛かんざし美術館は収集家・岡崎智予さんのコレクションを一括継承、さらに新規の収蔵品を加えて展示している女性の櫛とかんざしの美術的な造形や細工にスポットを当てた美術館です。その展示品の数およそ3000点!1枚絵として鑑賞するような館内からの景色も絶景です。
  • 多満自慢(タマジマン):石川酒造株式会社
    • 幕末頃から続く蔵元。清酒「多満自慢」はもちろん、立派な蔵と自家醸造の地ビール「多摩の恵」、それに併設された「雑蔵(ぞうくら)」で提供されるおいしい蕎麦でもよく知られている。2本並んでそびえる大きなケヤキの木は夫婦欅(めおとけやき)といって、お米と水の神様をそれぞれ祀っている。
  • 千代鶴(チヨツル):中村酒造場
  • 月丸(ツキマル):西岡酒造株式会社
    • 2003年福井県の河村酒造(株)と合併、西岡河村酒造(株)として〝福井の地酒〟となる
  • 日出山(ヒノデヤマ):有限会社中島酒造場
    • 2012年6月30日製造、販売終了
  • 吟雪(ギンセツ):渡邊酒造合名会社(※2007年廃業)

【多摩じゃないけど…23区唯一】