2011年12月24日土曜日

本「石ころをダイヤに変える「キュレーション」の力」【11年25冊目】

<本の紹介>
世の中は過剰なサービスに溢れている。過剰でとらえきれない状態から、選択し、絞り込み、結びつけ、編集し、新しい価値を生み出す。より多くから、よりシンプルへ。多機能高性能から、絞り込まれた“好機能”“賢機能”へ。マルチから、スマートへ。FREE、SHAREに続く新たな時代のキーワード!「キュレーション」こそ成功へのカギとなる!

<メモ>

  • 過剰な世界から絞り込みの世界へ。より多くからよりシンプルへ。
  • 日本でもキュレーション関連のサービスを始めている会社がある。韓国の検索サービス最大手の日本法人ネバージャパンが始めたユーザー参加型の情報集約・共有サービスの「NEVERまとめ」です。ユーザー自身がネット上で自分の関心のあるテーマに関連する情報へのリンクを選別収集し、編集して、それ自体にコンテンツとしての価値を持たせ、共有することを目的とする。こうして情報がキュレーションされたサイトは「まとめサイト」と呼ばれ、そのまとめページをつくったユーザーに広告収入が還元されるという仕組み。
  • キュレーションで最も問われるのは、新しい関係性の中でどれだけ新しい意味が編集され、いかに新しい文脈が生まれるかだね。
  • ジョブズが天才的なキュレーターであるのは、単にテクノロジーだけでなく、新しい価値を生み出すため、人間を中心に置くリベラルアーツの軸を忘れないから。
  • テクノロジーとリベラルアーツの交差点に立つアップルに対し、ソニーはテクノロジーで対抗しようとした。アップルがコトのイノベーションを起こしたのに対し、ソニーはモノの性能の次元でしか考えず、何と何を結び付ければソニーらしいコトづくりができるかという発想を持てなかった。モノとコトはどう違うのか。それは、そこに人間がかかわっているかどうかです。つまり、コトとはモノとユーザーの関係性の中で生まれる文脈であり、物語であると言えます。体験と言ってもいいでしょう。その物語や体験に共感するとき、ユーザーは手を伸ばす。だから、テクノロジーの軸だけでなく、人間を中心に置くリベラルアーツの軸が必要なのです。
  • ゲームに熱狂するファンがいる一方で、実は声を出さずに静かに立ち去った人たちも多くいたのではないか。かつては茶の間でコントローラーを奪い合い、ギャラリーも一緒に楽しんだのに、コントローラーはどんどん複雑化して、差し出すと後ずさりするようになった。ギャラリーも消え、1人暗い部屋にこもって遊ぶようなイメージになってしまった。
  • 「任天堂は重厚長大なものばかりつくっていてはダメだ。軽薄短小でお客を満足させることを考えろ。」「任天堂は力のケンカなどするな。よそと違うから価値がある。」
  • キュレーションの大きな特徴は、iPadがユーザーによって多様な使われ方をしているように、新しい意味が提供されると、今度は受け手が自分でその意味を再編集し始めることにあります。
  • 自分たちを取り巻く知の貯水池から、今取り組もうとしているプラットフォーム上に何を選び、何と何を結び付ければ、価値のある「知のリンク」を生み出せるか。固定観念にとらわれず、リンクを縦横に張る柔軟な編集力が求められている。
  • なんでもできる多機能高機能の製品は、ややもすると「コンバーチブルのバンでオフロード仕様」のようなもの。「一台で荒野を疾走し、ハイウェイを彼女とドライブし、荷物の運搬もできる”万能”なクルマ」ですべてのユーザーのニーズを満たそうとして、”八方美人の総花的商品”をつくり、結局、誰も満足しない製品を生み出してしまうこと。
  • 過剰を究極まで排した余白は、詰め込まれた情報よりはるかに多くを語ります。「少ないほうが時には多さに勝る」。それをジョブズは禅の精神から学んだとすれば、わたしたち日本人のDNAにはもともと、「より多く」「より高度に」を志向する以上に、選択し絞り込むキュレーションの感性が根づいているのかもしれません。
  • 東京にしがわ大学
  • 「黒川温泉一旅館」という、顧客の視点からの再定義を何より大切にする。定義が明確であるほど、何をキュレートすべきかがわかる。そして、売り上げよりも優先すべきことがはっきりしている組織は真の強さを発揮することを黒川温泉は物語っています。
  • 「僕らは、まず、自分が欲しいものは何かを把握する。そして、同じものを多くの人も欲しがるかどうか、きちんと考えることがアップルは得意なのだと僕は思う。僕らはそのプロなんだ。だから、次にブレークするのは何だと思う?って社外の人に訪ねたりしない。」
  • イノベーションの偉人は常に自分の井戸を掘る。掘り当てた地下水脈は、常に普遍的な意味を持つ。
  • 教養のある人間とは自分の生き方を常に問いかけている人である。
  • 自分もいつ死ぬかわからない。そう思い起こすことが人生で重大な決断をするときに、後押ししてくれる最も重要な手助けになる。なぜなら、まわりからの期待、プライド、失敗や困難への恐れ…すべてが消え去り、本当に大切なことだけが残るからです。

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