2011年10月29日土曜日

本「日本人の誇り」【11年19冊目】

<本の紹介>
危機に立たされた日本は、今こそ「自立」と「誇り」を回復するために何をすべきなのか? 『国家の品格』の著者による渾身の提言。

<メモ>

  • 現在、30歳女性で出産したことのない人が50%を超えています。ここ5年間の出生率は1.34程度で、人口維持に必要なのは2.08ですから、ある時から急激な人口減少が始まることになります。
  • 国立社会保障・人口問題研究所は生涯未婚率を算出しています。現在60歳の人では5%に過ぎませんが、現在30歳の人々だと23%、現在20歳の女性だと40%と予測しているのです。
  • ケータイ病におかされた子供たちは今や、世界でもっとも勉強をしない子供たちとさえ言われています。中学校で数学教師をしている私の教え子が言っていました。昼休みに勉強や読書をしたり校庭で元気よく遊ぶような子はまず見当たらず、おしゃべりをする子も少なく、ほとんどは黙々とケータイを手にしているそうです。
  • 学校にはBMWを乗り回しながら給食費を払わないモンスターペアレンツ、病院には治療結果が思わしくないとすぐに病院や医師を訴えるモンスターペイシャンツと、不満が少しでもあれば大げさに騒ぎ立てる人々が多くなりました。人権をはじめとして自らの権利をやたらに振りかざすような行為は、かつては「さもしい」と言われたものですが。
  • 和をもって尊しとなす。
  • アメリカの原爆投下命令は、ポツダム宣言の発表以前に下されていた。原爆は「ポツダム宣言を拒否したから」投下されたわけではない。
  • 「"正義は力なり"を標榜する米国である以上、原子爆弾の使用や無辜の国民殺傷が病院船攻撃や毒ガス使用以上の国際法違反、戦争犯罪であることを否むことは出来ぬであろう」という記事を1945年9月15日に載せた朝日新聞は発刊停止となった。(言論・表現の自由を米国の作った憲法に明記されているけれど。。。)
  • 日本の軍人達は、戦場で涙ながらに老いた父母を思い、自分の死後に残される新妻や赤子の幸せを祈り、恋人からの手紙を胸に秘め、学問への断ち難い情熱を断ち、祖国に平和の訪れることを願いつつ祖国防衛のために雄々しく闘いました。それが今、地獄さながらの戦闘で散華した者は犬死にと嘲られ、かろうじて生き残った者は人殺しのごとく難詰されるという、理解を絶する国となってしまったのです。祖国のために命を捧げた人に対し感謝の念をこめ手を合わせて拝むべきものであるのに、戦争の罪を一身に背負わせているのです。
  • 1945年3月10日の東京大空襲では、下町を中心に一夜で10万人以上が死亡しました。一夜としては史上最大の大虐殺です。あらかじめ関東大震災時における被害状況を調べ、下町に木造住宅が密集していることをつきとめた上で、木と紙でできた日本家屋を最も効果的に焼きつくすために新たに開発されたE46という集束焼夷弾を落としました。だから被害地域が関東大震災の時と似ています。浅草などではまず円で囲うように周囲に焼夷弾を落とし、逃げ出せないようにしてから徐々に内側へ落として行って人々を追いつめました。ビルに逃げ込んだ人も、吹き込む火炎流で焼死あるいは窒息死し、隅田川は川面が溺死体で埋まりました。残忍な皆殺し計画でした。
     東京はその後も何度か爆撃されました。上空の強風を避けるため2000mほどの低空飛行から投下したので、爆撃は極めて精確でした。爆破でもしたら国民の底深い怨恨を買うであろう皇居は目標から外されました。ロシア正教のニコライ堂、ロックフェラー財団の寄付で建てられた東大図書館、米国聖公会の寄付で作られた聖路加国際病院や立教大学、占領後に自分たちが利用とした銀座の服部時計店(米軍PXとなった)、第一生命ビル(GHQ本部となった)なども外されたから無傷でした。
  • 東京裁判では、「広島、長崎への原爆投下という空前の残虐を犯した国の人間に、この法廷の被告を『人道に対する罪』で裁く資格があるのか」は詭弁により斥けられました。触れてはいけない大地雷に触れたこの爆弾発言は、発言とほぼ同時に日本語への同時通訳が中止させられたため、日本人の耳にも届かずマスコミにも流れませんでした。欺瞞に満ちたこの裁判を破砕するものだったからです。
  • 人間というものは、他人を攻撃する際に自分が言われるともっとも痛い言葉を用いる、という心理的傾向があるのです。国も同じです。
  • もし現代の定義を適用して日本を侵略国というのなら、英米仏独伊露など列強はすべて侵略国です。ヨーロッパ近代史とはアジア・アフリカ侵略史となりますし、アメリカ史とは北米大陸太平洋侵略史となります。清国も侵略国です。ただしこれらの侵略国家が倫理的に邪悪な国ということにはなりません。この2世紀を彩った帝国主義とは、弱肉強食を合法化するシステムだったからです。
  • 日中が手を携えるというのは白人にとって悪夢中の悪夢だったのです。これは現在に続いています。この2つは対立させる、というのは今も欧米の基本戦略です。
  • 日本は敗北したとはいえ、白人のアジア侵略を止めるどころか、帝国主義、植民地主義さらには人種差別というものに終止符を打つという、スペクタキュラーな偉業を成し遂げたのです。日本人の誰もそんなことを夢想だにしていませんでしたが、結果的には世界史の大きな転機をもたらしたという点で、何百年に一度の世界史的快挙をやってのけたと言えるでしょう。

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