2009年6月28日日曜日

本「「経験知」を伝える技術」

<本の紹介>
組織の生き残りには、経験に裏打ちされた人の智慧「経験・専門知識・暗黙知」が欠かせない。継続的イノベーションと創造性を生み出す資源こそが、この人的資源であるディープスマートであり、持続的な革新を成し遂げるためには、ディープスマートの次世代への移転が欠かせない。
蓄積された経験知をいかにして組織内で移転するのか?「暗黙知」の形成段階にまで立ち返ってその性質を解き明かし、豊富かつ具体的な事例に基づいて移転方法を分析・解明した画期的な一冊。
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もうここ半年くらい考え続けてるテーマで、「引継ぎ」とか「知識の移転」とか「教育」ってのがあって、いろいろ調べていく中でぶつかったキーワードがこの「ディープスマート」。
「ディープスマート」(経験知)とは、人の直接の経験に立脚し、暗黙の知識に基づく洞察を生み出し、その人の信念と社会的影響により形づくられる強力な専門知識のことで、計画的にはぐくんだり、他人に移転したりすることができる。

こいつをうまくコントロールできるようになれないかな、てとこで探してきた本がこの本でした。自分がより成長していく為に。そして、自分と関わった人が(他の人より早く)成長していく為に。どうやって学んでいくべきだろう。何をどう教えていくべきなんだろう。
自分が今の会社に雇われている価値をちゃんと提供するには、自分の能力の向上は欠かせない。少なくともその会社で一番て言える分野を作れたり、業界の中で5本の指に入るって言われるものを持っていること。ただ、それだけじゃ自己満で、この本にも出てきてたけど「自分と同じことが出来る奴を育てられて一人前(初めて昇進する(=自分がその現場を抜ける)資格がある)」っていうのは自分でも考えていたことだったりする。

そういった領域についてすごく色んなヒントが書かれてて、自分の解の確認や補強が全般的にできました。この本は、難しいけど一度読んでみるといいと思います。特に、後輩を育てる立場の人に読んで欲しい。

自分が今後成長していく為に、何をすべきなのか。
個人の力量も大事なんだけど、俺がこの本読んで一番嬉しかったのは自分のやってきたことがそんなずれてなかったってことが確認できたことでした。
know whatよりもknow how、そしてknow howよりもknow who。
「何を知っているか」よりも「どうやるかを知っている」、「どうやるか」よりも「どうやるか知ってる人を知ってる」ことが、その人の力量として見られる世界があること。それは、やっぱり価値だよなと思います。
それに気づいたのは高校の真ん中くらいだったかな・・・自分の行く大学を選んだ理由も、今の会社を選んだ理由も、1つの活動に絞らずにその他の可能性にいつもオープンスタンスでいたことも、全ては自分を広げること、いろんな価値観を持つ「人」に触れることを目的としてた。PartyTimeなんて、その最たる例だと思う。

もちろんwhoは数じゃないから、「どれだけの人と知り合いか」じゃなく「誰と知り合いなのか」が大事で、その「知り合いたい人の1人」になれるように成長していきたいと感じてます。

知識の移転の方法も単純に仕事じゃ「引継ぎ」っていうけど、どんなタイプの人にはどんなメソッドが適応するのか。どこまで知識があればどういう形式が望ましいのか。
全部指図するのがいいのか、それともソクラテスメソッドがいいのか、実践形式がいいのか、講義型スタイルがいいのか、コーチはどこまでの知識を持っているべきか(逆に、若手でも教えられることはないのか)、考えなきゃいけない要素はたくさんあると思います。

計画的にローテーションされるような職業であればあまり意識はされないかもしれないけど、数日で完全に交代する、なんて引き継ぎがざらにある仕事での引き継ぎはやっぱり考えなきゃいけない。お客さんへ提供している価値を落とさず、すんなり引き継げるように後輩も育て、自分が抜けても何事もなかったかのように(そうなると当人はちょっと寂しいかもしれないけど)、それがどんな仕事であれきっちり引き継げるようなメソドロジを自分の中で確立したいと思います。自分の後輩になってくれる人の為にも。

もしよかったら、読んでみて下さいな。

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