2014年7月28日月曜日

営業にまつわるあれこれ

■営業姿勢

▼必要なのは思いやり
  • 営業のすべての出発点は相手を思いやる心にあるというシンプルな原理を、すべての営業マンは改めて胸に刻むべきだろう。
  • 携帯電話にかけて相手が出なかったとき、折り返し、『着信履歴が残っていました』と電話をかけてくれる営業マンはすごくありがたいですね。こちらのメールの内容をくみ取り、急ぎの度合いを感じ取って返信ではなく、電話のほうがいいと判断してくれる営業マンもありがたい。そして、こちらの話の調子や声のトーンから緊急度を感じ取って、場合によっては『いまから行きますので』と素早く行動に移してくれる。要は嗅覚です。
  • メールの署名に電話番号も書いてある営業マンはそれだけでもすごくうれしい。メールを読んで疑問があれば、すぐ相手と電話で話をしたい。名刺を探す時間も惜しい。電話番号一つでも、相手の気持ちを考えてくれていることがわかる。
▼新しいことに取り組み続けること
  • 「一般の方は、『放水時間が数分延びます』といっても『それが何なの?』と思うかもしれませんが、消防関係の人は『なるほど』と思う。今までと同じ製品だったら、自治体の財源はつかない。『古いか新しいかだけの差だろう?今の消防車も使えているのだから、整備はしっかりやって、来年か再来年に買えばいいじゃないか』と言われてしまいますから。モリタは、コンビニ業界と同じことに取り組んでいます。従来、コンビニのターゲット層は若い人たちでしたが、客数が増えないので、今は中高年層を取り込もうとしている。今回の新しい泡消防車の投入も同じ理屈です」。
  • 見せるものを少しずつ変えていく。「5年に1度の周年イベントでは来場頻度の低い地方客も呼べるが、まずは首都圏中心のリピーターに何度も来場してもらうために、イベントやショーを一定の頻度で刷新していく、というのがオリエンタルランドの戦略だ。」
  • どんな商売でも変化を起こすのは顧客ではなく、売り込む側。
▼サンプル配布
  • 商品を原価で配れるようになれば、めちゃくちゃ安くできる。CMとかを打っていくよりも、全然安く済む。お客様も何かがもらえるのであれば黙っていても集まってくる。
  • この2つをつなげることができれば、うまくまわる?
▼あからさまに売り込まない
  • 自分や店を好きになってもらうよりも、自分が1人ひとりのお客様を好きになること。それは巡り巡って返ってくる。街を舞台にしたゲームの画面で、看板に例えばプーマ、プーマ、プーマ。登場人物の服や靴もプーマ。
  • 「けれども」というキーワードと、「物事は見かけ通りではない」というテーマにすると、いい物語がつくれる。
  • お客さんに決定権を渡す。帰ってから考えて決めてもらう。「ご検討よろしくお願いしまーす。」で終わることが、無理やり感がなくていい。
  • 街一つを見本市の会場にしてしまうスローフード協会の活動は商魂むき出しの人工的な会場でちびちび味見をしてまわる見本市が苦手な私には、なんとも新鮮だった。見本市の場合、たくさんのパンフレットを抱えて家へ着いた時にはたいてい何がおいしかったなんて、ろくに覚えていないもの。村の名産祭りといっても、本当においしいものにありつけることはあまりない。近頃では、北へ行っても南へ行っても、土産物屋には大量生産の似たようなものばかり並んでいる。それでは確かにつまらない。
  • 私は、代理店は「ハンター」だと思っていた。とにかく腕を磨いて、「獲物(お客)」のいそうなところへ出向いて、それを仕留める。そんな感覚で仕事をやってきた。しかし、しばらくして「これは違うな」と思うようになった。その頃から、代理店は「ファーマー」だと考えるようになった。過去のお客さんにも情報を提供したり、よいサービスを提供したりすることで、定期的に「収穫(買い替え需要)」が得られる。地道な取り組みでコマツや代理店の評判が上がれば、新たな顧客も自然に獲得できるようになる。それがわかって、いまの商売でずっとやっていけるという自信が生まれた。
  • 「プレゼンにも、最初の売り込みのステージと、具体的に説明するステージがあると思うんです。例えば、デパ地下でも上手な販売員はいきなり説明せず、まず試食をさせて興味を引きだし、お客が『なかなかおいしいな、どういう商品なんだろう』という心理が働いたところに、『これはこういうつくり方をしていて、体にもこんな効果があるんです』と説明すると、お客も『それならちょっと買ってみようか』という気になる。
▼売れなくても残ることも
  • 音楽業界が今のように戦略化される前に生まれたフォークの名曲の数々は、売上データを見れば驚くほどの少なさだろうが、それらを愛した人々の思い出と共に永遠の輝きを放ち続けている。

■営業力

▼営業力
  • 営業力とは、告知能力と成約能力。件数を増やせれば、問い合わせは増やせる。その問い合わせを成約に結び付けることが大事。
  • 人間社会は知情意、すなわち知性と感情と意思で成り立っていると言われる。ビジネスではまず、相手と「知」の部分での合意を目指そうとする。したがって、「知」が不足した営業マンは当然、顧客に見捨てられる。しかし、「知」だけではなかなか顧客の「意」は得られない。「知」の限界を「情」が補ったとき、相手の中で「この人を相手に取引をしてみたい」という共感が生まれ、強い意志がわき上がって、合意へと至る。
  • 「取引先の営業マンと一緒に先方の工場見学に行ったとき、営業マンが工場のおえらいさんに、いかにも初対面らしく、土産を渡して『お願いします』と挨拶するんです。『客は誰なんや』と思ってしまう。些細なことで営業と現場が疎遠な関係であることがわかります。」営業マンが足を運び、顔を向けるのは営業先ばかりではない。製造現場との関係を深めることができれば、それが社内調整力となり、営業力を下支えする。
  • 商談が一段落して世間話になると、自社のグチを言い始める。『上層部が言うことを聞いてくれなくて』とか、『営業と開発や生産との仲が悪い』とか。そこにその人の本質が表れますし、その会社はチームとして成り立っていないことの表れでもある。一方、自分の会社が好きで、商品が好きだという人は、説明の仕方一つにも表れる。わたしたちは、自分の会社や商品が本当に好きなんだなと感じられる営業マンと取引をしたい。
  • 重要なのは、2点です。
    • 第一に、その営業マンが競合他社をベンチマーキングしているかどうか。単に『うちの商品はここがいい』と言うだけではなく、『他社製品と比べてこんなメリットがあり、値段的にもこれほど違う』といった比較情報がほしい。その商品をなぜ選んだのか、理由を文書にしやすいからです。
    • 第二に、われわれの社内顧客のニーズをどれだけ把握しているかです。自動車部品のように点数が多いと、バイヤーもすべて技術的な情報をフォローしているわけではありません。そこで、われわれは営業マンに技術的な質問をします。このとき、日ごろの行動の差が答えに表れます。できる営業マンは、購買部ばかりでなく、技術部にも通って情報をとり、ニーズを把握しているので的確に答えられる。われわれもいちいち技術部に確認に行かなくてすむので、商談はトントン拍子で進みます。
  • 会った人を笑わせる。「笑わせる、いうんは、『空気を作る』っちゅうことなんや。場の空気が沈んでたり暗かったりしても、その空気を変えられるだけの力が笑いにはあるんや。ええ空気の中で仕事したら、ええアイデアかて生まれてくるし、やる気も出てくる。人に対して優しゅうなれるし、自分のええ面が引き出される。それくらい空気いうんは大事やし、笑いって大事なんやで」
  • お客さんとコミュニケーションを続けるコツは、いつも1,2個宿題を持って帰ってくること。そこからのやり取りを発生させること。
▼清潔に
  • 「売れない営業マン」のイメージのダントツナンバー1は「不潔」。
▼売る側と買う側
  • メーカや問屋が売り込みに来ることは見方を変えれば悲劇的な状況とも言える。欲しい商品はこちらから買いに行くものであり、売れない商品を強引に押し付けられているとも言える。そして買ったものは売る必要がある。どうせなら、買ってくれるお客さまに押しかけられたい。
  • 今のようにものが売れない時代、お客様が欲しくないものは買わないという時代、あるいは商品のライフサイクルが非常に短くなっている時代に、メーカーや問屋が持ってくるものをただ並べておくだけで、どうして売れるのか。新しい売れ筋商品は、黙っていても向こうからやってこない。そういう商品は、必ず外にある。外にあるといっても、いつも向こうからきている取引先には、そういう情報はない。新しくて有益な情報を得たいなら、それまでに行ったことがない場所を重点的に探らなければならない。
  • もっとも重要なのは目の前にいない人たち。売り込みに来ない(来る必要がないほど他で売れている?)、買いに来ない(必要なものが揃えられていない?)という状況を想定して、どうしたらそういう商品を手に入れることができて、買ってもらえるかを考えるのが大事。ただ、目の前のお客様をないがしろにしたら本末転倒なので、目の前+@を考えるということ。
  • 課題解決のすべてのプロセスにおいて、初めから双方ともにプロジェクトの形で参加できたら、顧客側の社内ユーザの潜在的なニーズも浮かび上がり、一方、サプライヤー側の潜在的な対応力も見えてきて、最適最善の営業が可能になる。一対一から複数対複数、面対面の"多面体営業"へ。これが組織戦時代の営業の必勝パターンだ。
  • バイヤーは一種独特な仕事で、お客であることが仕事なわけです。日本には『お客様は神様です』という文化があります。売る側がお客様のことを大切に思う気持ち、それは美しい文化だと思います。ただ、われわれのような買う側が『おれたちは神様だ』と言った瞬間、それは醜いものとなります。
  • 「売った責任ってもんがあるだろ。売り手から先回りして商品の価値下げるもんじゃない。誠実っていうと聞こえがいいけどそれは自分が背伸びしなくて済むっていう楽をしてるだけ。手ェ抜いたんならともかくそうじゃないなら『いい仕事しました』って胸張るのが売り手の義務」
▼リピーターを重視
  • 「リピート顧客はより頻繁に、より高額な買物をする。」というデータもある。
  • 既存顧客の維持にかかるコストを1とすると、新規顧客の獲得には5~10、遺失顧客の再獲得には50~100のコストがかかる。

■商品

▼商品の選別
  • POSはこれまでに自分たちが売ってきた商品についてのデータを出すことで、今売っている商品の中でお客様に評価されずに売れないでいる死に筋を排除するためにある。そのあとに何を投入するかは教えてくれない。それは店の中を見渡しても見つからない、店の外にある。

■調整、交渉についてのワンポイント

  • 「○○をして欲しい。さもなければ××(相手の嫌なこと)をするよ。」という取引ができるようになれば、できること、できる可能性は増えていく。
  • ビジネスEQの高さは、あなたがどれほど効果的かつ迅速に率直な意見を述べられるか、どれほど人間対人間の会話ができるか、どれほど自分の信念を堂々と話し合いに持ち込めるかを示している。EQの高い人は、自分の推測、仮定、思考のスタイルを自ら洗いなおして検証しようとする大人の態度を見せる。
  • コミュニケーションの最大の敵は、コミュニケーションがとれているかのような幻想。人と話をするときは、相手の使うキーワードに注意して、それをどういう意味で使っているのか尋ねよう。愕然とするほど、相手の返事は意外であることが多い。認識齟齬を防ぐ意味で、なるべく周りの人に何かをお願いするときには数値の情報を含めるようにする方が良い。
  • 価格の交渉には、「適正価格(相手が払える価格帯)の確認」と「値段交渉(相手が最善の取引になったと思える価格になるまでの交渉)」の2つの段階がある。そして商品やサービスは、原価に基づいて値段を決めるべきではない。顧客がどれだけの価値を感じるかによって決めるべきだ。原価40セントの口紅を5ドルで売って「私が売っているのは口紅ではない、希望を売っているのだ」といったエピソードだってそこら中にある。
  • 形のあるものを販売するには、それを売るための形のない何かを開発する必要がある。その部分を見落とさないようにすること。
  • 何を話すかの前に勝負はついている。
  • 行間を読む、空気を読むというのは必要だけども、やりすぎは考えすぎ、勘ぐりすぎになってしまう。ただ、これは常に正解がある性格のものではないので、日々失敗しながら調整していく必要がある。「バランスを取る」ことがわかっているかどうかが大事。
  • 何事にも、下地作りが大事。
  • 相手の興味に合わせて提供してあげること。興味を示してもないのに渡されても、管理のされはじめと思うだけ。
  • 大広間コミュニケーション。部屋が広くなればなるほど、共有されればされるほど話は早い。
  • 複数対複数で取り組む大きなメリットは、営業側の提案に対し、顧客側に賛成してくれる人が1人でもいれば、話を次に進めることができることだ。一対一の場合、相手にダメ出しされると、そこで終わりになってしまいやすい。多面体営業は、ある点とある点がうまく結びつかなくても、別の点と結びついてつながりが途切れないネットワーク的な営業スタイルが可能になる。変幻自在のダイナミックな営業により、顧客の隠れた課題をよりいっそう深いところから掘り起こすこともできる。
  • ただでもらう。どんな小さいことでも、安いもんでも、とりあえず何でもええからただでもらったりしてみい。それ意識してたら自分のコミュニケーション変わってくるで。言い方とか仕草一つとっても気い遣うようになるで。

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