2017年2月23日木曜日

本「嶽神伝 無坂(上)」

久しぶりの歴史物。武田軍と同じ地域で暮らしながらも別々の生き方をしている山のものたちの物語。人気シリーズらしいけど自分ははじめて読みました。「山怪」や「黄色い牙」のようなマタギの山の話は読んできたけど、荷役の話は新鮮でしたね。印象に残ったのは登場人物たちの無欲な暮らし。多くを望んでいないからこそ質素な暮らしの中での楽しみの見つけ方に優れていて、山の中に入れば必要なものは周りにすでにある。そんな世界が今も隣にある(かもしれない)のに、里の暮らしばかりに目を向けてきたかもなと思いました。

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