近場の行ってみたかったところを訪ねる旅、続きましては小金井市にある「江戸東京たてもの園」へ。ここも行った人みんなが「よかったよ~」って教えてくれる場所。
まわりに建築や設計の仕事をしている人が多かったのも、興味を持つきっかけだったのかもしれないですね。
いざ訪ねてみると、まずは中の敷地の広さにびっくり。予想以上に大きい。。ちょっと広い公園くらいかなと思っていたら、建物だけでも20以上。じっくり1日がかりでも周りきれるのかな、というボリュームでした。で、早々に全部まわるのはあきらめ、何度か来ながら見ていければいいかなと今日はダイジェスト版にすることに。
そして歩き始めると、自分が1人で来ていたからかボランティアのガイドさんがすぐに気さくに話しかけてくれる。これは嬉しいし、この話しかけられやすさは1人で行動しているときのメリットかなと思ったり。で、ざっと説明してもらって今日立ち寄る場所に目星をつけてみる。さて行ってみよう。
まずは正面の「旧自証院霊屋(きゅうじしょういんおたまや)」へ。徳川3代将軍家光公の側室を供養するための霊屋なんだそうですが、スケール感と品格が目を引く建物でした。最初が肝心とばかりに、謙虚な気持ちにしてくれます。
そして「高橋是清邸」を見学。2.26事件の現場になった部屋もあったり、歴史の重みとその中で重要なワンシーンを担った舞台がここなんだと思うとちょっと身が引き締まるというか、自分の小ささも感じるというか。ガラスが明治のもので、平面でないところも味がありましたね。ここはじっくり見たらすごくかかりそう。また来よっと。
続いて、たてもの園だけど電車を見つけたので立ち寄ってみたり。なんだろう、すっかり電車好きになってしまった。荒川線以外にも東京中を都電が走り回ってた風景、のどかな感じだったのかな。一度見てみたかったな。
さらに巡って次は商店ゾーンへ。写真の左側の建物は文具店(三省堂だけど書店じゃないよ)で、入り口から潜れる地下室があって当時の物流を考えさせられました。商売をやるのに在庫を切らしちゃいけない。でも夜入荷するわけにもいかないし、お店の裏口は広くない。店先に置かない商品はどう受け入れて、どこへ保管したらいい?当時、建てる段階でも売れだしてからも工夫しただろうなぁ。当時の職人さんや商店主がその辺どんな会話をしてたか、混ざって意見交換とかしてみたかったです。
さらには銭湯もありましたよ、「子宝湯」。東京の銭湯を代表する建物なんだそうです。こんなにビシっとした銭湯、庶民が日常使いで入ってたんだろうか。それともご褒美で入ったりしたんだろうか。建物の中は会話が弾みそうなつくりというか、広すぎず狭すぎず(身長的には少しサイズは小さく感じたかも)、ここで過ごす時間は楽しいお風呂だったんじゃなかろうかと思ったり。
ぐるっとめぐって「三井八郎右衛門邸」も見てきました。ここは、ずっしりと豪華のひと言。同時にセンスの良さも感じて、文化芸術を愛した一族というのは端々から伝わってくるものがありました。中身を見ずに派手で豪華なものばかりを財力に任せて追求したわけではなく、そこで過ごす時間を価値のあるもの、大切な時間にしたかったんだろうなとか。それはお金をかける意味があり、自分たちが次の世代に何を残したかったのか、そんなメッセージが含まれているように感じました。
自分はたとえお金をたくさん持っていたとしても、こういう使い方ができるだろうか。お金が十分になくたって、一緒に過ごす人に、自分はあなたを大切に思っているということが伝わる暮らし方をしているんだろうか。とか。
そんな感じで駆け足だったけどざっといろんな建物を見せてもらって、そのひとつひとつの建物はそれぞれの意図があったり実現したい夢やそこで誰かと過ごしたい時間、そして建てる際に受ける制約があることもある。どこにどんな折り合いをつけて、少しでも大切に思える暮らしができるよう工夫を重ねていくことが必要なのかなぁと思った時間だったなと思います。
加えて、そうはいっても主のいない建物はやっぱり少し寂しく感じますね。
たくさんの建物はいらないから、自分が暮らしている今のボロアパートにもうちょっと愛着を持って工夫できることは工夫してってみたいかなと、そんなことも思ったたてもの園訪問でした。ちゃんちゃん。
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