2007年12月15日土曜日

本「忘れそうなモノ語り」

トヨタに続き読んだのは、古きよき日本を記したこんな本でした。

昔の日本を伝える、いい本だと思いました。
蚊帳の話や、日本は色鉛筆なんかじゃ表現できない無数の色があったこと、月見やゆず湯なんかの季節ごとの行事、母さんの編みかごが今は市場の人たちに使われていること、いろんなからくりが仕掛けられた裁縫箱、タバコじゃなくキセルで味わった一服と装飾、帽子の文化や障子の張替え、実家でも薄れかけてるような暮らしを思い出す、いい機会になりました。

文明開化から何年経ったか知らないけど、いろんな文化を知ることはいいことだったかもしれないけど、自分達の先祖が代々この土地で創りあげてきた生活習慣が廃れていくのは少し寂しいなと思いました。

だからってずっと戻って縄文時代みたいな暮らしがしたいかと言われると「それはイヤ」としか言わざるを得ないんで、変化することについては前向きに考えたいとも思う自分もいる。

新しいことは、基本的には知るべきだと思う。
でも、古いことも、やるやらないは別にしても知っていて損になるようなことはないと思う。

今改めてこう読んでみると、ちょっと興味ある色の表現だとか日本語の奥ゆかしさってのはすごくあって、それを伝えられる人を残せないことは、自分でももったいないと思うから、そう思ってこんな本を書いたんであろうこの筆者の気持ちはすごく伝わってきた。

形にしておければ、自分の後輩達へのこういう伝え方もあるんだよね。
結局、文献から時代を探るってのはいつの時代も有効な手段だって平安時代の人たちも教えてくれてるのに、文章から遠ざかってる俺らの世代、、、どうなんですかね。
漫画も確かに文化だと思うし、否定はしない。映像についても否定はしない。音楽にしても、いいものはやっぱ残っていくと思う。
どんな形でもいいのかもしれないけど、その人がほんとに伝えたい気持ちを伝えられる手段が、金目当てとしか見られないような世の中にならないといいなと思いました。

俺のこんな文章も、5年前の文章ですら懐かしく感じるんだからこの先の俺がどう感じるか、書いといて良かったと思ってもらえるようにしっかり書いときたいと思います。

残しておきたい忘れそうなモノは、形じゃなく気持ちだったりするのかもね。

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