2009年7月11日土曜日

本「下天は夢か(一)」

著者 : 津本陽
角川グループパブリッシング
発売日 : 2008-10-25
<本の紹介>
群雄割拠する戦国の世に、尾張半国を斬り従えて頭角を現した父・織田信秀は、国主大名へと成り上がる野望を果たせず病没した。内外を敵に囲まれて跡目を継いだ信長は、内戦を勝ち抜き、ついに強敵・今川義元を桶狭間に討ち取ると、美濃攻略に取りかかる。天下への大きな一歩を踏み出そうとしていた…。革命児・織田信長の素顔に迫り、空前のブームを巻き起こした記念碑的大作。
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つい先日読んでいた遠藤周作の「男の一生上下」は、信長の配下、秀吉のその又配下の男達が主人公の話だった。
あれはあれでおもしろかったし、読んで良かったと思ってるんだけど、今回この信長側の視点を読んでみて、あの作品をさらに楽しめたし、男の一生を読んでたからこそ、こっちも楽しめたように感じました。

時代も登場人物もほとんど同じ話を、違う側面から読むことっておもしろいですね。
しかも、著者の違いから思想の違いというか価値観の違いも少し伝わってきて、「あ、ここはこっちから見るとそう見えるわけ」って楽しんで読んでました。

この本も全4巻と長いみたいだけど、読み始めると他のことをしてる自分を全部止めて読むことに集中したくなるような作品だと思います。信長が「うつけ者」って評価をなぜ得ておく必要があったのか。
周りから見たらバカなことしてると思われても「盗人にも三分の理あり」で、相手側の論理ってのが誰にでもあるもんで、自分もこの先の人との関わりの中ではそれを尊重できなきゃな、とか思いました。本当に本質を見てる人間として書かれていて、少し、「織田信長」に対しての見方が変わるかもしれません。
読んでみて良かった。

これからどうなっていくか、楽しみです。

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