2007年8月22日水曜日

本「沈まぬ太陽〈5〉会長室篇(下)」

やっと昨日、「沈まぬ太陽」を全巻読み終わった。

全5巻、2500ページにもなるこんな大作はこれまで読んだことなかったかもしれない。
結局2ヶ月弱かかったのかな。ちょっと充実感。

でも、この本を読んだ感想は、惨憺たるものだった。
なんなんだこの人たち。

会社、政界、財界、取引先、グループ会社を巻き込んだ、組織に巣食う魑魅魍魎。
人が亡くなってるのに、臭いものに蓋をしようとするその腐りきった根性。
保身やさらなる儲け話にしか興味を示さなくなった組織に飼われる豚。
都合の悪い約束は守らず、明るみに出そうになると権力にすがるコバンザメ。
言う通り、思い通りに行かないとすぐキレたり、脅したり、権力を振りかざす長いモノ。

中には、主人公や会長みたいに組織の膿と真っ向から勝負する良心もいる。
でも、これだけの蛆虫がはびこってたらとてもじゃないけどやってらんない。

この本に書かれている話が全てホントかって言われると多分そうじゃないんだろうけど、ホントのとこもあると思うし、まだまだ汚職みたいなのはたくさんあると思う。
そして、今も続いてて甘い汁吸ってる連中はいんだろなって思います。

ただ、この話は航空業界特有の話ではない気がした。
それなりに大きい企業なら、どこにでもありそうな話かな、と。

天下り、ペーパーカンパニー、既得権、中小企業からの搾取、生協の選定、キックバック、クビ=他ポストへのすげ替え、、、いろんなとこで、汚いことが平然と行われてて、日本もどこの国も同じようなもんなんだろーなと思います。
アメリカなんてもっといろいろやってそうだし。

でも、そういう社会で俺は生きていかなきゃいけないと思うと、気が滅入ります。
偉くなれればいいや、とは思わないけど、自分が偉くなれば守れる人が増えるのも事実。
「踊る」じゃないけど自分の信念を貫きたかったら、思い通りにできることを増やしたかったら偉くなるしかない。だから、偉くなる必要があるなら、偉くなってもいいとか思ってたけど、これじゃちょっとな、、、「偉くなんかならなくていい」「お礼とかお願いとか調整とかめんどくさいから絶対やだ」って言ってた人の気持ちがわかります。
そりゃ腐るほどこういうの生で見てきたら、そう思うよな。。。仕事が人にこびへつらうことになって、好きな仕事してる気なんか絶対しなそうだし。
それでも、そういうバカな連中が接待受けちゃったり、お酒飲んじゃったり、女抱いちゃったりするもんだから、自分達もそういう括りで見られる、、、よくもまぁ我慢してられるもんだと思います。

既得権てのは、甘い汁だと思うけど、それだけの奪い合いなんて全然意味がない。
大事なのはお客さんにどう見えるか、誠実に接しているか、満足してもらえているか、もっとできることはないかを常に考えておくことだし、その為に働くからお金をもらえるってことを忘れないでいたいと思いました。

正直、読んでておもしろくはないし、へこむけど、いい勉強にはなりました。

最後に、読んでくれた人にお願いがあります。

俺が腐ってきたと思ったら、すぐ言って。腐んねぇけど。

0 件のコメント:

コメントを投稿