2010年1月4日月曜日

本「国家の品格」

<本の紹介>
日本は世界で唯一の「情緒と形の文明」である。国際化という名のアメリカ化に踊らされてきた日本人は、この誇るべき「国柄」を長らく忘れてきた。「論理」と「合理性」頼みの「改革」では、社会の荒廃を食い止めることはできない。いま日本に必要なのは、論理よりも情緒、英語よりも国語、民主主義よりも武士道精神であり、「国家の品格」を取り戻すことである。すべての日本人に誇りと自信を与える画期的提言。
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読む前は、大したことないんじゃないかなと高をくくってましたが、いろいろ腑に落ちる部分もあっておもしろく読めました。文章が今風というか、若い世代にもわかりやすい感じで書いてあるのも良かったです。

せっかく日本に生まれているし、日本人の良さを感じながら暮らしていけるといいのかな、なんて。以下、メモです。

・民主主義の本質は主権在民。主権在民とは「世論が全て」。そして国民の判断材料は
 マスコミだけだから、事実上、世論とはマスコミ。言い方を変えれば、マスコミが
 第一権力になる、ということ。
・真のエリートには2つの条件がある。
 第1に、文学、哲学、歴史、芸術、科学といった何の役にも立たないような教養をたっぷりと
 身につけていること。そうした教養を背景として、庶民とは比較にもならないような圧倒的な
 大局観や総合判断力を持っていること。これがまず1つ。
 第2は「いざ」となれば国家、国民のために喜んで命を捨てる気概があること。俗世に拘泥しない
 精神性が求められる。
・人には4つの愛が必要。家族愛⇒郷土愛⇒祖国愛⇒人類愛。家族愛の延長が郷土愛、
 それら二つの延長が祖国愛。家族や郷土を愛していればいるほど、人間として魅力的で
 信用もできる。
・武士道の最高の美徳として、「敗者への共感」「劣者への同情」「弱者への愛情」。
 市場経済による弱肉強食の世界においては、特に重要な徳目。
・弱いものを救うときには力を用いても良い。しかし、5つの禁じ手がある。
 1.大きい者が小さい者をぶん殴らないこと。
 2.大勢で1人をやっつけないこと。
 3.男が女をぶん殴らないこと。
 4.武器を手にしないこと。
 5.相手が泣いたり謝ったりしたら、すぐにやめること。
・「卑怯を憎む心」をきちんと育てないといけない。法律のどこを見たって「卑怯なことはいけない」
 とは書いていないが、だからこそ重要。
 ・「万引きは法律違反だからしない」は最低。法律に禁止されていないことは何でも
  するようになる。
 ・万引きしたら「親を泣かせる」「先祖の顔に泥を塗る」。家族の絆が「卑怯を憎む心」を
  育て、強化し、実践させる力となる。
・経済的な繁栄を、羨望はしても誰も尊敬はしない。普遍的な価値を生むかどうかが重要。
 少なくとも1つの言語で10割の力がないと、人間としてのまともな思考ができない。言語と思考は
 ほとんど同じもの。日本が母国語だけで済んでいるというのは、植民地にならなかったことの
 証で、むしろ名誉なこと。

そんなに難しいことは言っていない。でも、小さい頃には知らなかったこと、ぼんやりと理解はしているものの言われるまではっきり認識していなかったこともあった。4つの愛の順番てのも、そうだよなと。家族や身内の仲間(こっちもある意味家族)をなによりも大事にしている人って、やっぱり素敵だなと思うし人間的にも信頼できる。

ここでもやっぱり、人として大事なのは細かい知識やスキル以前に相手への「いたわり」とか伝わる「頼もしさ」とかそういった部分だよなと思いました。

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