2010年9月9日木曜日

組織を束ねる

・集団の行動は、その集団に属する個人の行動を全部合わせたものではない。集団は1つの
 まとまりであり、それ自体が独自の行動をもつ。この時、1人ひとりの人間の個性は、
 集団に対する<水平的な一体化>と指導者に対する<垂直的な一体化>の2つの方向で
 解消される。

・同僚同士の間のモラルハラスメントは、直接の上司に管理能力がないために激しくなる
 ことが多い。もともと下級管理職の多くは、人をまとめる力を買われて、その地位に
 ついたのではなく、仕事の能力が優れていたためにその地位を与えられており、それと
 部下たちの人間関係を調節するのは別のことであり、また人間関係の問題を解決するのが
 自分の職務に含まれているという自覚すら持っていない。同僚からのモラルハラスメントで
 まず助けになってもらえるのは一緒に働いている上司のはずだが、ここが安心して相談できる
 ような雰囲気が作られていないのであれば、どうすることもできない。
 これは管理能力がないと考えられるべきものである。

・ある集団に冗談ばかりいっている人がいるとすると、その人は決してその集団の
 リーダーにはなれない。集団のメンバーの信頼をかち得るには、適量のユーモアやジョークを
 交えて、まじめな話ができなければならない。笑いの中にある「弛緩」の要素が信用の失墜、
 信頼感の喪失につながっていく。

・うまくいく上司と部下の関係は、はためで見るよりはるかに同等だ。

・私達はみんな管理職だ。好き嫌いに関わらず、誰もが組織の一員であり、ある結果を出すには
 管理術が必要だ。
 責任はどこにでもついてまわり、状況に応じて様々な道具を使いこなさなければならない。
 だが、私達は管理職であると同時にサポートスタッフでもある。この2面性は大切な意味を
 持っている。どちらもそれぞれの役割から、そして互いにうまく相手をサポートしたり
 管理することから、力と成功を引き出す。こういった協力体制は、全ての組織のあらゆる
 レベルで行われている。

・マネージアップの使命とポイント
 ・私達はみんな上司であり、部下だ。リーダーは自ら腕まくりして塹壕に入ること。
 ・優れたリーダーは「原因と結果」を真剣に考える。
 ・周りで何が起きているか気づくだけでは足りない。「なぜそうなったか」を知らなければ
  ならない。
 ・会社の目標達成の役に立っていないとすれば、邪魔をしているのだ。
 ・こう自問をすること。「今日の私の仕事は目標達成の一助となったか?」

・人事部の利点の一つは、同じことの繰り返しではなく、無数の違う分野と関われること。
 いい人事部は福利厚生のパンフレットを配るだけではなく、社員のキャリア開発を成功させる
 運転手の役目を果たす。

・信頼されるには、まず相手を信頼すること。
 ・この格言は、与え手と受け手の関係を示すのではなく、二人とも与える側にいる。
  そうでなければ二人とも受け手にはなれない。信頼をダムの貯水池のように貯めるだけで
  放流しなかったら、たちまち職場の協調体制にひびが入る。

・問題を解決するのは社員ひとりひとり-上司ではない。

・「上司優先」は実に貴重な「常識」だ。異論もあるだろうが、ほとんどの企業はピラミッド型の
 階級組織で、民主主義よりは封建制度に近い構造となっている。この事実をすっぱり認め、
 自分の部下が自分を優先してくれるのと同じように、自分の上司を優先することによって、
 サービス、リーダーシップ、責任の流れが形成され、そのメリットも上下方向に流れていく。
 上司優先だからといって、個人の意志や能力が抑制されるわけではない。

・全ての社員を平等に扱うことは、スター社員にとっては不公平。
 差別化ができないような管理職は、足手まとい。

・リーダーには、備えておかなくてはならない2つの重要な能力がある。
 1つ目はビジネスの現実を具体的に定義できること。もう1つは、「ありがとう」と言えること。
 ・何を指して「ベスト」というのか、ボスによる定義を知らずに自分のベストを尽くすことが
  できるだろうか?
 ・今日頑張った仕事が朝令暮改で骨折り損になる可能性はあるか?
 ・人に気づかれず、関心をもたれない仕事に対しても、個人的な犠牲を払う価値があると
  思えるか?

・交流を持つことは結構だが、それがどんなメリットをもたらすのか考えた方がいい。
 一時的に仕事を交換するとか、クロス・トレーニングをするとかいうほうが、生産性の向上に
 結びつくだろう。

・好奇心はビジネスシンクの原動力であり、柔軟な頭脳があって初めて育つ。画期的な
 ソリューションには新鮮な思考が必要であり、好奇心は未知のものへの探求をうながす。
 今知っていることが、未知のものや意外なソリューションの探求を妨げないとも限らない。
 職場に好奇心を育てられれば、疑問をもつ人間が働きやすく、疑問を持たない人間が
 働きにくくなる文化を創造できる。

・利益は、身体にとっての酸素、食物、水、血液のようなものだ。
 このために生きているのではないが、これがなければ生きられない。

・その組織に個人が所属する理由、関わる理由はそれぞれ違っててもいい。意味づけや想いは、違ってたっていい。でも、それは他の人の想いを知らなくていいということではない。それぞれが、周りの人たちが何を求めてそこに参加しているのかを知る必要は、絶対にある。

・会社なんて矛盾だらけのところで、矛盾がないことなんかありえない

・権限で人を動かさないこと。人徳で動かす。困難に自分が立ち向かっていく姿を見せること。

・オフィスの中では、効率を求めるよりは秩序を優先した方がよりよい結果を生むことが多い。直属上司以外の別の誰かを頼りにする場合、それを本人に決して知られてはいけない。

・自分から見て有能な人が転職する場合は、その理由を聞き出すこと。その組織にいた場合、いずれ自分も同じ理由にぶち当たるかもしれないことを想定しておくべき。

・社内で一番最初にチェックすることは、昇進した人がどんな行動を取ったか、昇進を望む人たちはどのように行動しているかを知ること。自分にないどんな能力を持っている人が同じ土俵にいるかを知ること。

・会社は、あることに非常に精通していても他のことにはまるっきり知識がない人間よりも、そこそこにいろいろな仕事に通じている人間の方が重宝と考える。だから、いろいろな部署を異動する人材は、それだけ会社にとって重要な存在ということ。同じ組織で塩漬けにされている場合、昇進は難しいと考えるべき。

・ビジネスの社会では、学歴があっても実務経験のないものは役立たずだが、逆に実務経験があっても学歴のない人は最初から相手にされない。必要以上にたくさんの仕事をこなしたら、仕事の相対的評価は下がってしまう(←どんなに頑張っても、給料はさほど変わらない)!

・職場に子どもを連れてくる場合などは、退社の直前にすること。周りへの負担が少ない形を選択すべき。

・管理職になったら、自分自身がどうであるということよりも、周囲の状況に通じていることが何よりも大切。

・「要は何?」ってキツク聞くのと、「えっと、一言で言うと?」ってやわらかく聞くのは、同じことを聞いてるんだけど返ってくる答えは全然違う。聞き方も、その人のスキル。欲しい答えが返ってこないのは、自分のせいでもある。

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