2009年1月2日金曜日

本「働くことの心理学」

<本の紹介>
楽しく働きたい、やりがいのある仕事に就きたい、働くことに前向きな若者の気持ちと
長時間労働、低賃金、わかりにくい上司のいる職場。選びきれない仕事、達成感のない自分さがし、曖昧な不安。
若者の気持ちと労働の実態に鋭く切りこんだ心理学的論考。

この本を読んで考えたこと。
働くことに対してのいろんな立場の人が考えてることは、
やっぱり立場が違えば「知ろうとしなきゃわからない」ものなんだろなってことでした。

「働く」ということを知識として知っているだけの中学生頃まで、
アルバイトを通して働くことを経験していく高校生から大学生、
実際に社会に出て働くことが生活の基盤になる社会人、
その間で、働くことをサポートしていく教員や就職課の職員、
働きたくても働けないニートやフリーター、もしくは働く意思のない引きこもり、
そういう息子や娘を抱える家族、職場内での教育すべき立場の人々、
監督すべき立場の人々、男女間での意識の差と雇用に対する問題、、、

ほんとに色んな立場の人たちにいろんな考え方や尊重すべきことがあって、
そしてカテゴライズしないで話せばそれはより詳細化され、結局は個人個人で違うケースになる気がする。
この先の将来に不安を感じているのは、これを読んでる君だけじゃない。俺だけでもない。

今、派遣で働いてた人たちが大変なことになってる。
自分の知り合いにもいるけど、どうなるんだろ。先行きは不透明だ。

でも、そういう働き方を提示したのは、もともとは日経連だった。
「雇用の流動化」=「雇用の不安定化」を推進した割には、
彼ら自信の地位には少しも影響がないようになっていた。

「経営者は終身雇用」は守って、切れるところを切れるようにする。
選挙に行かない若者が多いのも問題だけど、参政権を持つ人たちの中で
投票率の高い世代が困っている問題が早期に、その人たちに都合よく解決されていくのは
政治家としてやっていく為の常道になるから、その為に影響が他のところに出るとしても
それは実施されていってしまう。

そのしわ寄せは、今若い人たちに向けられてる。
ここ数年起きている猟奇的な殺人事件とかで「危険で、扱いづらい」って認識を持たれてる若者に。

そこに手を加えずに、「派遣もいいもんだ」って働いてる若者が多いってのも
それで良いのかと思うこともある。「ハケンの品格」とかってドラマは人気があったらしいすね。
ドラマを見ない俺はなんとも言えないけど、これを見た人はどんな風に感じたんだろう。
どっかの試算を読んだけど、派遣で働いてる人の生涯収入予想は、約5000万円。
ボーナスもない、年功序列や経年的な賃金アップの望めない環境。
かたや正社員で働いてる人のそれは2億5000万円。2億も違うんだ。
ただこの話には「現状のまま行けば」って話と、それでも妻と子ども2人を想定した一般的な4人家族で
暮らしていくのに最低必要と言われる金額が3億5000万円(生活白書より、だったかな)になってるから、
正社員でもその人だけが働いてちゃよっぽどうまくやるか
残業もしくは節約等の我慢をしなきゃやっていけない計算になる。
派遣なんて、普通に考えたら絶対に自分の力だけじゃ生きていけない人たちってことになる。

今は確かにそれでもいいかもしれないけど、「働く」ってことは「傍(はた)を楽にする」ってことであって、
自分の頑張りが自分に対してのみ還元されてるようじゃダメなんだ。
自分が働くことで、親や家族、自分の守りたい人が楽になる。
それが「働く」ってことなんだから自分の都合ばっかり通そうとしてちゃダメなんじゃねーかなと。

「やりたいことが見つからない」「やりたいことじゃない」って言って働かずに、
親に食べさせてもらってる人たち。「働かないものには食べさせなければ解決する」っていう
安易な考えもあって、それもそれで納得したりしたんだけど、そういう簡単な話じゃないみたいすね。

<マズローの欲求階層>
生理的欲求>安全の欲求>所属と愛の欲求>承認の欲求>自己実現の欲求

これにならえば、自己実現なんて最後でいいんだ。
まずは食べることを確保するとか、安全を確保するとか、
そのレベルの欲求が満たされない中で自己実現なんて言ってる場合じゃない。
と思うのは俺の個人的な見解なんですけど、逆に「自己実現につながらないから、
低次の欲求も満たす必要はない」みたいに考えるのが引きこもりなようで。
で、結局何もせず「引きこもり→存在感の喪失→暴力による存在感の誇示→
存在感の喪失→暴力で誇示→喪失」って悪魔のサイクルがまわってる。

じゃ、どーしたらいんだろう。
解決策なんて、そんな単純なものじゃない。難しいなって思いました。

男女間の問題についてもそう。完全に対等な方が果たしていいのか。

なんか、いろいろ感じることが多い本でした。
この状況、自分の周りの人たちだけでもなんとかできればいいなと思いますけど、
言い方とかもあるしなんとも言えないっす。
基本的に、人は人に言われたことはやらないから。

結局は、自分で決めるしかないんだろうなー。

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