2007年5月26日土曜日

映画「マグダレンの祈り」

著者 :
ショウゲート
発売日 : 2004-04-23
これも今日見た映画。

重かったです。とっても。
娼婦が罪を償うことの象徴、マグダラのマリア。

うまくまとめられてた文章があったんで、転記させてもらいます。
転記元:http://www5b.biglobe.ne.jp/~michimar/book/024.htm

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この映画は1950年代のアイルランドが舞台です。カトリック教会によって運営されていた「マグダレン・ホーム」は未婚で妊娠した女性を収容する矯正施設でした。「マグダレンの祈り」は、そこに住み込みの助産婦として働いていた女性の回想録です。「マグダレンの祈り」の解説には、当時の社会通念が書かれていました。アイルランドはカトリック国です。避妊や中絶についての記載はありませんでしたが、人工中絶はできなかったのだと思います。当時のアイルランドでは、(今では信じられないほどに)結婚前の処女性が崇拝されており、未婚の母を出すことは一族の恥だと認識されていました。未婚で妊娠した女性は、その事実をひた隠しにされました。生まれた子どもは闇から闇へと葬られました。

マグダレン・ホームの門をたたいた女性たちは、そこで密かに出産をします。そのような施設の存在すら知らなかった著者は、マグダレン・ホームの実態を知るたびに絶句します。どんな鎮静剤を使うのかを聞くと、「使いません。我慢するだけです」と返されました。縫合の必要性を訴えても、「堕落した女には必要ありません」と即座に言われます。助産婦であった著者には信じられないほどに非衛生的な、そして、非人道的な環境で、「堕落した女たち」は出産をさせられていました。経済的な援助がない女性は、出産後の3年間は施設で「教育」されます。そして、子どもは孤児として養子に出されました。

マグダレン・ホームに来る女性たちは、10代から40代が中心のようでした。実父にレイプされた少女、酒をおごられて気が付いたら妊娠していた学生、恋人に捨てられて誰にも相談できなかった看護婦。そのような「堕落した女性たち」は、マグダレン・ホームで徹底的に迫害されていました。破水したらシーツを汚したと侮蔑され、出産間近の妊婦にも重労働がかされます。出産後のケアはありません。膿ではれあがった乳房を吸われて苦痛に顔を歪めながらも、我が子をいとおしく見つめる母親に、著者は言葉を失います。そして、最も残酷な仕打ちは、3年後には取り上げられる運命にある子どもを、母親に母乳で育てさせたことではなかろうかと思いました。「堕落した」女性たちがマグダレン・ホームに送られてくる経路は、司祭による紹介が多いようでした。娘の妊娠を知った母親が、夫に相談することすらできずに、家族や親戚に隠して娘をホームに送り届けるというケースもありました。

現在では、マグダレン・ホームは全て閉鎖されています。本書を原作とする映画「マグダレンの祈り」は、大きな反響を呼びました。そして、多くのアイルランド人が、近年になってはじめてマグダレン・ホームのことを知ったようです。マグダレン・ホームの中での出来事は、社会の闇から生まれたのではなくて、弱者に慈悲深くあるべき教会によって運営される施設が弱者を残虐に扱うことを許す土壌がアイルランドに存在していたことを解説者は指摘していました。

「ここで私たちがどんなめに逢っていたかを、いつか本に書いて世間に知らせてほしい」

「マグダレンの祈り」は、ある女性からそう言われた著者が、半世紀たった後に、その約束を果たすために書かれました。50年以上たった現在でも、取り上げられた我が子の消息を追う母親と、自分を産んでくれた母親を捜し求める孤児たちが数多くいるそうです。
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今の日本ってどうなのかな。
そういうことに対して男女共に意識が低いのは間違いないと思うけど、どっちがいいかは微妙かな。
未婚の女性が妊娠することに対して、女性だけがこんな仕打ちを受けるのはナンセンスだと思うけど。
ていうか、俺知らないけどそーいう施設あったりして。

知識の1つとして、一度観てみてもいい映画かな、と思います。

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