2008年6月15日日曜日

本「なぜ、デンマーク人は幸福な国をつくることに成功したのか」

世界一幸福な国民と名高いデンマークの人たち。

デンマーク・スウェーデン・フィンランド・ノルウェー・アイスランド。
色は違えどこの5つの国の国旗のデザインは一緒、通称スカンジナビアクロスって言われてる。これって、かつてこれらの国々をデンマークが治めていたからなんだそうです。

大学のとき、福祉について断片的に2つの方面からこのスカンジナビアモデルの優位性を聞いたことがあった。

一つは、師匠中嶋さんの話の中で。
日本はビジネスは中国に抜かれ、福祉はスカンジナビアに敵わない。って聞いてた。
そういや、俺らが大学で「理系学生の為のビジネス勉強会」を開催してた頃に1人ゲスト講演してもらった人で、大手IT企業の人が「今度は福祉がおもしろそうだからスウェーデンに仕事で行くんだけど、良かったら手伝いに来ないか?」って言ってくれたことがあった。彼は今頃どうしてるだろう。そんとき断った俺は、5年経ってやっとあの時言ってくれたことの大きさがわかってきました。

もう一つは、サークルの後輩の話の中だったな。
大学で福祉を学んでた子がデンマークに留学して帰ってきて、いろいろ教えてくれたことがあった。だいぶ価値観が変わったみたいで、かなーりわかんない話を延々と聞かされたけど、そんときは「へぇー全然違うんだろうな」くらいにしか感じてなかった。残念ながら。いや、話はおもしろかったんだけども。

で、そんなこんなで読んでみて。

見えてきたのは日本の歴史でした。
確かに、デンマークの人たちの政治への参画意識や、海外との交易の仕方、遊学を許容する懐の深い教育方針や制度、食料自給率300%・エネルギー自給率156%って結果を出す国策、外人の給料も自国民と同水準としていること、、、
日本にできていなくて、デンマークにできていることは数え上げればキリがない。

どっちも海に囲まれている小さな国だってことは変わらないけど、周りの国々との付き合い方に決定的な違いがあるのがおもしろいと思いました。貿易することで発展を続けてきたデンマークと、鎖国って政策を取った日本。

現代の制度が悪いわけじゃなく、今までの日本の歴史が自分達の国民性として現代にもしっかり根付いてる気がします。
海外との付き合いを拒絶した、「自分達は自分達」「自分達がよければいい」って考え方。
日本が好きって人は多いけど、大半の人は政治にはほとんど参加しないし、意見もない。

これは、士農工商なのか封建制度の名残なのか、お上の決めたことだからって頃から変わってない気がします。自分達で世の中を変えるって姿勢は、同世代にだって少ないって感じるし、俺だってできてないことたくさんあると思う。。。

人件費を徹底的に削るって日本の企業のやり方も、あんまり得策には感じないです。
確かに結果出すのは人件費削れば簡単だけど、そんな企業で誰が働きたいと思うのかな。ここでなきゃできない仕事ってのがある企業で、その仕事がよっぽどその人にとって魅力のある仕事なら安くたってそこで働きたい人はいるかもしれないけど、同じ仕事してもっと給料の高い企業があるならそこに流れるのは自然だし、そうあって欲しいと思います。そうでなきゃ、労働者の俺らはどんどん待遇が悪くなるだけじゃん。結構今って大事な局面なはずなんだけど、そういう認識ってあるんだろうか。

お客さんの「安くしろ安くしろ」要望に答える為に、誰がやっても同じことができるっていうCMMIの考え方のレベルアップも理解できるけど、仕事ってそういうもんなのか?自分に合った仕事を見つける為に、なぜ企業側が3年に1回とか人事異動をして強制ローテーションとかしてるのか、ちょっと疑問に思ったりもします。
「俺はこれでメシを食ってくんだ」ってのが見えて、それを一生かけて極めるつもりの本気でやりたい人に対して、ちゃんとフォローできてんのかな。もしくは、そういう人があんまりいないからこういう制度が取れるのかな。それとも、そういう「誰でもできる」低レベルな仕事しかなくなっちゃったのかな。

上下関係の狭間で過労死するまで働く中間管理職(好きで働いてんなら別にいいですけど)とか、自分達の払った年金が「宙に浮いた5000万件の年金記録」とか言われてんのに当事者以外我関せずな年金払ってる人たち(俺も)とか、そもそも税金で国民の為に仕事してんのにそんなずさんな管理しかできない公務員とか、なんかこの国で働いてんのバカらしーって他の国の人からしたら見えるのかなって思います。
俺だって思います。

ただ、そっから先の動き方は自分ではわかんなくて。
国民性がもろに出てるのはわかった。よくないこともわかった。でも、そっから先、どうやったらこの国自体をよくしていけるんだろ。俺にできることってあんのかな。難しいから考えんのやーめた、ってこともできるけど、それじゃ今と変わらない。変えたいと思ってはいるんだ。
世の中全てを変えることはできないけど、自分にできることはやりたいです。
それは、周りの幸せにもつながるし。

さーて、どうしていこうかな。

っと、話がそれましたがそんなことを考えるきっかけになる、いい本だと思いました。
こういう本を紹介することは俺にもできるわけだし、日本人みんなに読んで欲しいと思います。

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