2006年7月23日日曜日

本「オシムの言葉」

最近、Jリーガーやらのインタビューによく出てくるこの本。早速読んでみました。

 「すごい人が代表監督になったな」ってのが、正直な感想です。オシム監督、この人すごいわ。先月のドイツW杯で日本がクロアチアと対戦したのは2回目だったんだけど、前回がいつだったかって覚えてる?そう、1998年フランス大会。もう8年も前の話。俺がクロアチアのことを知ったのはあんときのW杯くらいからだったかな。なんか内戦とか起こってるすごい大変な国だっていう特集番組がTVでいっぱい組まれて、それを対岸の火事として見ていた記憶がある。「ジョホールバルの歓喜」って言われる、中田のロングシュートから岡野がW杯出場を決めるゴールを決めた出来事のちょっと後くらい。その当時W杯初出場の道を開いた中田は当時20歳でもう引退してるってんだから、月日の経つのは早いもんだね~。
 でも、そんときのクロアチアって国に関しての俺の知識なんて、たかが知れてた。てのを今日、思い知らされた。
 クロアチア、スロベニア、ボスニアヘルツェゴビナ、セルビアモンテネグロが1つの国家・ユーゴとして存在していた90年代初頭。そこから、「東欧のブラジル」と呼ばれた旧ユーゴは妖精ストイコビッチをはじめとして、サビチェビッチ、シュケル、ボバン、ザホビッチ、ミハイロビッチ。。。多くの類まれなる才能を輩出した。その黄金世代は、時代に翻弄され、戦争で散り散りになることになってしまった。彼らは、同じ国の選手として出場したかもしれない。可能性はあったし、実際出場した大会もあったみたい。でも、セルビア人だから、ボスニア人とかって政治と武力に翻弄されて、結局国が分断されて一緒にサッカーできなくなった。その渦中で、ユーゴをまとめていた、オシム。権力や銃を持った人たちからいろいろ言われたと思う。誰を出せとか、あいつは出すなとか。でも、そんな微妙な情勢の中でもどの地域の人間からも好かれていたオシム。こんな人、日本人じゃありえないよ。日本にいたら経験できない経験を数多くしてる。命をかけて。日本のサッカー選手はもちろん、それ以外の報道陣、監督、審判、俺らサポーターもこの4年で、この監督の持っている全てをどんどん積極的に吸収していくべきだと思う。絶対、間違ってないから。そう思える監督。この本読んで、俺もちょっと指導受けてみたいって思ったもん。
 「君たちはプロなんだ、休むのは引退してからでいい。残念ながら、休みから学べることはないんだから。」「サッカーも人生も同じだ、走れなきゃ、考えられなきゃ使えない。考え続けるんだ。」「人間誰だってミスを犯すし、シュートを外すこともあるさ。それより、最後の時間帯にボランチが最前線まで上がってシュートしたことをなぜ褒めてあげないんだ?」「ライオンに追っかけられてるウサギの足がつるか?要は、準備ができていないんだ。」
 この人と一緒にいるだけで、多分自分がものすごく成長する気がする。今はキツイと思うこともたくさんあるだろうけど、自分のレベルアップに必要な最短距離を教えてもらえる気がする。4年後、俺は29歳。年齢的にはW杯に出る可能性がゼロじゃない、最後の大会になる。この人と一緒にW杯に出れたらなぁ。なんちて。「お前は悔いなく人生を走っているか?今のままでいいのか?」この問いかけに、ずいぶんと自分は励まされるんじゃないかって思う。
 出会いは、3つのものからもたらされる。『人』と『旅』と、それと『本』。うん、いい出会いをした日曜日でした。

0 件のコメント:

コメントを投稿