▼業界の特徴
- 日本の自動車業界がトヨタ型の垂直統合型だとすれば、中国は欧米型の水平分業型だ。いずれも一長一短があり、優劣を判断するのは難しいが、水平分業型の方が自由度が大きいのは確かだといえる。
- 中国の場合は、エンジンでさえ他社製を購入することが一般的に行われ、独自仕様は皆無に近い。そこには、汎用部品であれば、根幹部品といえども廉価に買えるものを買うといった考えが購買担当者にある。そうなると日本メーカーのような自動車産業のグループ化といったことは起こりえず、完全にオープンな形で汎用部品を購入する自動車市場が形成されてきた。
- 概して、2000年から09年までの10年間は、自動車メーカーの社会的な評価が欧米流の価値基準で行われはじめた時期だといえる。自動車メーカーはそれまで、いい製品を大量に作り、それを売ってもうけていれば社会的にも評価されてきたが、2000年からのグローバル化の時代は、それだけでは社会的にも、株主からも評価されなくなった。そこで各社がとった広報戦略の一つが、自社がいかに「環境に優しい」かを社外にアピールし、同時に環境経営度の上位ランクインを狙うことでもあった。
- 自動車業界はEVをきっかけに、クルマだけを売ってもうける時代から新たな時代に突入した。自動車メーカーは社会が要求するクルマを提供し、それにまつわる社会インフラ作りにも取り組むことが必要になってきた。それができる自動車メーカーがこれからの業界のリーディングカンパニーになるのだろう。
- トヨタは技術的にもPR的にもプリウスに一極集中している。何がなんでもプリウスを守らなければといった気持ちも働く。
- 自動車の環境対応の面で日本メーカーが優れているのは、①リチウムイオン電池、②モーター、特に永久磁石式同期モーター、③インバーター制御の3つの分野だ。とりもなおさず、EVやHVで最も重要な根幹部品に日本は強い。それだけに、日本がエコカーの分野で強いというのも不思議なことではない。
- トヨタはその創立から、発展までの全過程において、多額の税金をエネルギーとして費やしながら走り続けてきた。豊田市の全工場のラインから秒単位で新しい車が街へ飛び出す。その車は、貴重な石油資源を食いつぶし、大気を汚染させてあらゆる生物の健康を毒し、年間90万人にも達する交通事故死傷者を発生させてその家庭生活を破壊し、公共的な交通手段であるバスや電車を路上から駆逐し、田畑を埋め尽くして高速道路を走らせ、自分では一切の社会的費用を負担しないままにその蓄積を続けた。どこも同じかな。
- 環境負荷
- 最も環境に優しいクルマはどれか、とアンケート調査をすれば、その答えは
- 電池とモーターで走行する電気自動車(EV)、
- 家庭電源から充電できる電池で動くモーターとエンジンの両方を備えていてEV走行できるプラグインハイブリッド車(PHV)、
- エンジンとモーターを組み合わせて走行するハイブリッド車(HV)の順になる。
- 米国のおかしな控除
- 軍は石油会社のために働き、税金は自動車メーカーのために使われている。未来のためには使われていない。電気自動車への税額控除4000ドル。2.7t以上のクルマへの所得控除100000ドル
- 石油産業や自動車メーカーは変化に抵抗する。法で義務づけなければシートベルトも取り付けない。エアバッグも同じ。法ができて初めて燃費を向上させたし大気汚染対策をとった。無公害車も自主性には任せられない。
⇒規則で縛って、いい未来にしていく必要がある。 - 他移動手段との比較
- 電車ってどのくらい電気を使ってるんだろか。一回遅延したりするとどのくらいの損が出るんだろか。
- 走行距離
- 三菱自動車や日産自動車、あるいは行政機関が調べたところ、日本の平均的な自動車オーナーの一日の走行距離は、20~30kmだということです。興味深いのは、米国の場合です。あの広い米国の自動車オーナーは、きっとたくさん走るに違いないとお思いでしょうが、これも30~40kmなのです。
- 国土交通省の自動車輸送統計によると、自家用乗用車の1日あたりの平均移動距離は38.7km、軽自動車は27.8kmとなっている。三菱自動車による全国のドライバーアンケート調査の結果でも、1日の平均走行距離は、平日で約9割の方が40km未満、 休日では約8割の方が60km未満と答えている。
- 1日の走行距離が26km以下のユーザーの割合は全体の約半分。
- クルマの一日の走行距離の平均は、ほぼ40~50kmしかない。しかも走行している時間は平均すると約45分程度しかない。
- 事故、渋滞、交通規制などの道路情報や安全運転支援の情報提供サービス
- 地域の観光情報、店舗の情報、道の駅などの情報接続サービス
- クレジットカードによる料金決算サービス
- 車の中からネットワーク接続して、車上オンラインショップや施設入出門管理などを行うサービス
■ガソリンカー
▼コンセンサス
- 現時点での自動車メーカーのコンセンサスは2050年頃までに化石燃料がなくなり、最後のガソリン車として残っていたハイブリッド車やプラグインハイブリッド車も、最終的に電気自動車、それに水素と空気中の酸素を反応させて発生する電気でモーターを回す燃料電池車に取って代わられることになる。
- 1リットルのガソリンは2.3kgの二酸化炭素を排出する。
- ガソリン50リッターが燃えると、116kgものCO2が発生します。一般的なオーナードライバーが1年間に排出するCO2は、およそ5トンから6トンに及びます。
- 最近のクルマには200個から300個のマイクロプロセッサーが搭載され、まるで走る大型パソコンだといえる。それだけに、開発現場も超多忙で、発売日までにすべてのプログラムを組みかえるのは難しい状態だ。そればかりか、どうしてもバグが発覚する。そこで自動車メーカーは安全性に問題がない場合は、定期点検の際にユーザーには知らせずソフトを上書きするようにしている。
- 現在の平均的なクルマは20年前のクルマより非効率?
- 今の自動車は発熱したエネルギーのわずか12%しか、移動エネルギーに使えていない。爆発力だけ利用しているので、熱のほとんどが無駄になっている。その効率を著しく下げているのがエンジンだ。ハイブリッドにすると倍ほど走れるようになるが、それでも元が12%しかないからさほど改善されない。これが電気自動車になると効率は改善されるが、それでもハイブリッド自動車と変わらないレベルにしかならない。現在の電気自動車の走行エネルギー効率を著しく下げているのは、発電所の発電効率だからだ。
- 石油輸入量
- 1977年 880万バレル
- 2005年 1350万バレル
- 燃費の向上による節約
- アラスカ保護区から供給される原油の予想量は米国の1年間の必要量をまかなえるほど。しかし燃費基準をリッター17kmにあげれば、15年で同じ量を節約できる。
- 物流業者によっては年間の燃料代が2億円近いケースもあります。この場合は2900万円ですむわけですから、なんと1億7100万円もの節約になるのです。
- ハイブリッドカーの平均燃費の比較
- 日本車:18km
- 米国車:11km
- 環境整備の推進
- 概して、2000年から09年までの10年間は、自動車メーカーの社会的な評価が欧米流の価値基準で行われはじめた時期だといえる。自動車メーカーはそれまで、いい製品を大量に作り、それを売ってもうけていれば社会的にも評価されてきたが、2000年からのグローバル化の時代は、それだけでは社会的にも、株主からも評価されなくなった。そこで各社がとった広報戦略の一つが、自社がいかに「環境に優しい」かを社外にアピールし、同時に環境経営度の上位ランクインを狙うことでもあった。
- 特徴
- EVにはガソリン車とは違ういくつかの特徴がある。
- 従来車のエンジンに相当するのは電池だが、その分野を牽引するのは自動車メーカーではなく電池、電機、化学メーカーである。
- 従来車のトランスミッション(変速機)に相当する電機モーターも、同様に電機メーカーが得意とする領域である。
- コア(中核)技術の一つであるインバーターなども電機メーカーが得意とする。
- EVになるとクルマが情報通信ネットワークに常時接続されるため飛躍的な拡大が見込まれるサービス領域にも通信、電機メーカーの参入が起こる。
- ハイブリッドは確実にCO2削減が期待できる技術。つまり現実の世界でコスト削減ができ、技術的にも実現可能な領域に入っている。実現性が高い。
- 富士重が東京電力などと共同で行った実証実験のデータも貴重。近々、トヨタと富士重が手を組んでEVを共同開発するといったニュースが流れる可能性も高いといえる。
- 実際にEVで公道を走っていると、自分はガソリン車じゃないクルマに乗っているといった優越感のような、自己満足のフィーリングがある。HVが出始めたころも、やはり同じような気持ちを感じ取っていた。エコカーは世代変わりしたといえる。
- クルマというのはA点からB点へ走って価値を生み出します。しかし、EVは移動するときにインフラのようなものが必要になってきますが、EVは止まっていても価値を見いだすことができます。EVのバッテリーは、出し入れができるすごいエネルギーを持っているわけです。社会システムとかクルマの価値を含めても、ガソリン車とは全然違うものです。
- 将来的には排ガスのない救急車で医者のそばまで搬送できるようになるだろう。
- 日産がリーフを出すことによって関係する人々に刺激を与えながら、われわれの知識なりアイデアを関係政府とか地方自治体とか民間団体と共有することで環境保全がどんどん育っていくのだろうと考えています。そうすることによってEVが受け入れられるような社会ができてくると思うのです。
- 世界で最初に時速100kmの壁を破ったのは電気自動車でした(1899年)。
- そのうち日産は電池部分を切り離して車体本体を販売する。この方法は日本では認められないが、考え方自体が自動車業界の常識を超えるもの。
- 大雑把に言えば、電気自動車はエンジン自動車の10分の1しか二酸化炭素を排出しない。一方、世界全体の約2割を排出しているのは自動車からの二酸化炭素。
- 電気自動車は正当にも大好評を博した。予約が殺到し、数千人が予約リストに並ぶほどになった。これに危機感を覚えたのは、石油業界と、他ならぬ自動車メーカーだった。石油会社は石油の時代が終わることを恐れ、自動車メーカーはエンジンという技術的優位を失うことを恐れた。そして彼らは結束して、リース契約扱いになっていた電気自動車を一斉に回収し、試験すると言い訳しながら実際には叩きつぶした。
- 電気自動車は将来、現在のエンジン自動車の10倍も効率的になる。クルマは電気自動車になるしかない。しかもその発電方法も、従来の枯渇するエネルギーではダメで、更新資源である自然エネルギーに依らなければならない。そうでなければ効率が低くて、人類の生存を困難にしなければ実現できない。
- インホイールモーターを開発している会社として、日本にはダイレクトドライブ方式を採用するシムドライブや、ギアリダクション方式を採用するNTNがあり、世界的にも高い技術力を誇っている。
- 電気代は昼間電力で1kmあたり2円、深夜電力で1kmあたり1円と考えておくとよい。では、東京から大阪まで京都回りでおよそ600km、電気代は?昼間電力で1200円、深夜電力で600円です。もし4人で乗っていたとすると、1人150~300円という安さです。電気自動車の燃料代はかなり安いことがお分かりいただけたでしょうか。
- こうした燃料代の安さは、物流を根底から変革するに違いありません。たとえば4トン積みのトラックに4トン積んで時速90kmで走ると、高速道路での燃費はおよそリッター8kmです。このトラックを電気自動車に改造した場合、i-MiEVの2倍のエネルギー消費率として燃費ならぬ電費を1kmあたり200ワット時としても、東京~大阪600kmの電気代は深夜電力で1200円です。一方、ディーゼルトラックの場合、燃料代は軽油1リッター110円として8250円です。およそ7分の1ですむことになります。
- 可能性
- 2年に1度、オーストラリアで行われる世界で最も過酷なソーラーカーレースで東海大学のチームがダントツの強さで優勝したのだ。東海大のマシンはこのレースのために新たに製作したものだ。ソーラーパネルはシャープ製で、日本の人工衛星でも使用される、変換効率が30%と最高率のものを使用している。搭載電池の重量制限がある中で電池はエナジー社の18650、モーターはミツバ製のインホイールモーターを使用した。ミシュランのタイヤ以外はすべて日本製で日本の環境技術の最高峰を結集したものだった。
- 「iPod」などの携帯ツールの価値は、端末そのものよりも、その端末を使うための通信環境、それにダウンロードできるコンテンツ(情報の内容)によって決まってくる。将来的にはクルマもそのような商品になることは確実だ。特に今後EVが普及するとライフスタイルがガラッと変わる。よくいわれることだが、EVは排ガスがゼロなので、クルマがリビングルームの一つに変わる可能性がある。クルマ自体を自分の個室、あるいは隠れ家として使うことも可能なのだ。
- リーマンショック以降、景気の刺激策としてグリーン革命が出てきたわけですが、これが予想以上の展開を見せた。その影響で環境関連産業やEVは早く進化しています。だからといって、いま市場にEVがあるかといえば、そうではない。
- EVがブームになっていますが、台数的にはほとんど意味がないですね。消費者に渡っている台数を見ると、その数はほとんどない。市販という形で買うことができるのはアイミーブとステラだけでしょう。消費者にとって、いま現実的にエコカー(環境対応車)といえるのはハイブリッド車(HV)だけです。あるのはEVへの関心とか環境保全を盛り上げる政府の話だけです。
- 中国では電気自動車だけでなく、農業用の電気自動車のような性能が低いレベルでの「電池の乗り物」が増える可能性があると考えている。小野は日本と中国の違いを他のところにも見る。日本メーカーは、バージョン1.0にならないと商品を売らないという。それと比べると、中国や米国のメーカーは未完成のバージョン0.3でも売ってしまう。これは中国や米国のメーカーが不良品を売るということではない。少しばかりの課題があっても、とにかく商品を市場に出して、問題があればそこで解決をしながら商品に磨きをかけていく方法。
- 問題点
- 電気自動車は寒いらしい。本当のところはどうなんだろう。
- エンジンが不要と言っても、容易には自動車は開発、生産できません。自動車メーカーの買収が絶対的な条件となります。電機メーカーや家電メーカーが電気自動車を生産するようになるというのは、あまりにも自動車開発、生産の実情を知らないことによる妄想にすぎません。
- 電気自動車が高価なのは事実です。しかし、いつまでも高いというのは誤解です。電気自動車の価格は急速に低下する一方で、たとえばEUではCO2排出量規制による税金が高くなり、CO2排出量の多いエンジン車は50万円もの税金を払わなければならなくなる場合さえあります。また、1リッター400円とガソリン代の高騰が深刻なものになるでしょう。エンジン車の維持費は急速に高くなりますから、高価になるのは電気自動車ではなくエンジン車なのです。
- 電気自動車が最も問題なのは、通常のモーターを使用する限りではまったく空気を汚さないわけではないことです。道路上での排気ガスは出なくなりますが、バッテリーを充電する際に、その分余計に発電所で排出されるからです。汚い部分は、どこかにある火力か原子力発電所に隔離されて、目の前からはなくなるだけです。エネルギー源は基本的に化石燃料か原子力ですので、廃棄ガスと放射能を排出して環境を汚染します。ちなみにスイスは国家として、「電気自動車は大気汚染に対して無効である。」というオフィシャルな見解を発表しています。世の中では、このあたりのカラクリを理解していない、いわゆる「電気自動車の信者」も増えています。
- 電気自動車実はガソリン自動車が世に出る以前に製作されている。
- 排気ガスを出さないことからクリーンカーだとも言われる、間違い。確かに走行中は排気ガスを出さないが、エネルギー源であるバッテリーを充電する際に電気の大元である火力発電所で排出される。
- EVになり、集まった膨大な情報は、地形と航続距離の関係、アクセル開度が電費に及ぼす影響など、次世代の電気自動車を開発する際の競争力の源泉となる。グーグルが電気自動車で使うソフトのノウハウを手に入れることで、自動車メーカーの新たな競争相手になるかも。
- リース契約
- ロサンゼルス・タイムズによると、EVのリース価格は現在、最低月199ドルまで値下がりしている。フィアットの「500e」はディーラー入荷前から順番待ちの状況となっており、ホンダ系ディーラーでは、月259ドルでのリースが始まった「フィットEV」が既に売り切れ。
- システム連携
- リーフにはITといった日産が得意とする技術が盛り込まれている。iPhoneなどの携帯端末から充電やエアコンの管理ができるようになる。なかでも役に立つのは、ナビゲーション(経路誘導)システムとの連動で周囲の充電ステーションの場所が分かり、そこへ誘導してくれること。
- たとえば、蓄電量が減ってくればクルマが自動的にその情報を情報センターに送り、センターは自動的に最寄りの充電ステーションを紹介し、そこまでナビゲーション(経路誘導)システムで案内するといったことも将来は可能になる。当然支払いも自動的に決済され、ドライバーはその間、自由に時間を使うことができるようになる。
- 配送トラック
- ヤマト運輸の配送トラックがEVになっていくらしい。何台くらいあるんだろ、影響はどのくらいあるのかな。。
- PHEV
- エコカー候補の筆頭に挙げられているのが、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)である。これが普及すると、家庭やオフィスでグリッドからの充電が行われることになるが、分散的に増大する電力需要をどのように供給するか、発電所建設は間に合うかという問題が出てくる。
- 車は駐車していることが多く、バッテリーに溜められた電気の有効活用も課題。PHEVとグリッドを連結し、双方向で電気のやりとりをすることが不可欠と見られ、注目されている。これは、V2G(Vihcle to Grid)として、多くの関係者が取り組み始めている。
- 車の電池から電線へ逆に供給することができるシステムはネット・メータリングといわれ、需要側は電力販売収入が得られる(差し引きされる)ことになる。この仕様とするコストは、現在の米国では300ドルまで低下している。
- 充電時間は、家庭ではオフピークが多いと考えられるが、パブリックではピークアワーでチャージされる可能性があり、これへの給電は大きな課題。
- アルコール混合ガソリン
- 普通のガソリン車でも、エタノールを混入するとエコカーに変身する。ガソリンとエタノールを混入した燃料は、かつてはエンジントラブルの原因になると懸念されていたが、技術進歩により克服できた。
- GMやフォードは85%エタノール混合(E85)が可能な車を積極的に販売しており、それを提供するSSを支援している。世界の乗用車はアルコールを10%混合できるものが標準となっている。
- 電気自動車の価格を決定している電池価格は、現在の100万~150万円から2015年近傍では30万~40万円に低下するでしょう。電気自動車の価格は、エンジン車と同等か、それよりも安くなると考えられます。現在の価格がもっとも高く、これからさらに高くなる要因は全くありません。一方で、エンジン車の実質的な価格はこれから高くなります。
- 電池には充電の終期になると電気が入りにくくなる特性があります。満腹に近くなると、食べるスピードが落ちるのと何か似ています。
- リチウムイオン電池にはこれまでの電池と比較して優れたところが多い。その一例をあげると、電池が充電状態を記憶するため継ぎ足し充電をすると容量が減ったように見えるメモリー効果がないので小刻みな充電ができたり、急速充電ができたりする。大型のリチウムイオン電池は衛星や潜水艦などにも使われてきた。しかし欠点がないわけではない。「熱暴走」といって、熱を帯びると燃える可能性があるのだ。それだけにいかに安全を確保して性能を上げ、廉価に作るか、という開発競争になる。
- 消費者がバッテリーと運命をともにしないような方法を考えてあげないといけません。毎日バッテリーを交換するシステムではなくても、新型のバッテリーが出たら自動的に交換してあげるとか、そうした方法です。そうやって古い技術に消費者が縛られないですむ方法をなんらかの形で提供してあげないと、消費者はEVを買い控えると思います。
- 家に太陽電池と充電池のある世界だと、EVは充電池の一部として存在し、家庭の必需品となる。夜は電気をEVにため、昼はEVを使うといった生活。EVを止めても排ガスを出さないので、駐車場にEVを止めて、電気を使って何かができるといった形でライフスタイルを変えることもありうる。
- 同じリチウムイオン電池でも携帯電話用と自動車用では必要とされる電気の量(容量)が何十倍と違う。その技術は一度の発明で逆転するものではなく、長年の積み重ねがものをいう世界。
- 大手バッテリーメーカーのGSユアサ。
- リチウムイオン電池の2次使用。クルマで要求される電池の耐久性は一般的には10年、15万キロだが、それを過ぎた場合でも高い残存容量を持つ電池を再利用することは可能。だいたい、EVでの使用後でも70~80%の容量の再利用が可能。日産はそこに目をつけて補修部品として使ったり、太陽光や風力発電の蓄電用に使う目的で再販することを検討している。
- 充電は、インターネットで「コンセント・サポーター」を募集し、その方の家あるいは事業所のコンセントをお借りしておこないました。なるべく多くの方に電気自動車を知ってもらおうと、621ヶ所に立ち寄りました。
- 神社に限らず、寺社、コンビニ、交番、タイヤ販売店、カーディーラー、、など、たくさんのネットワークがあり、それらはきっと充電のネットワークに早変わりするのではないでしょうか。何も"充電スタンド"などを新たに建設しなくとも、充電のネットワーク=充電インフラを持っていることを、私たちはこの充電の旅で知ることになりました。
- この人の白馬村までのルートは、充電施設を吟味したものになるはずです。宿泊が必要であれば、その宿にもきっとコンセントがあるでしょう。そうした宿舎を選ぶはずですから。すると、この人の走った跡には充電施設が生まれます。宿舎の人、コンビニの従業員、公共施設の職員なども、充電施設を貸すという練習ができます。そして充電を通じて、私たちが見失いがちな知らない人とのコミュニケーションが生まれるでしょう。
- 1000台の電気自動車が白馬村に集まれば、1000の充電街道が生まれます。彼らのルートをたどれば、たとえ航続距離が短くとも誰でも電気自動車で旅ができるわけです。
- 充電インフラさえ十分に整備されれば、EV自体にそれほど大量の電池を積む必要はなくなる。クルマが軽くなると同時に値段も下がる。つまり、インフラが整備されればEVはいろいろな意味で軽くなる。インフラによって小型化されたEVが特定の地域内を自由に走ると、それは公共の交通手段と同じになり、これまでのCO2(二酸化炭素)を排出して走るクルマとはまったく違った世界が誕生することになる。
- ルノーと組んでベタープレイスはイスラエル、デンマークで充電装置を備えたEVのインフラを構築する。電池の交換ができるルノー製のEVも市場に導入する計画だ。日本ではこの試みはあまり大きく報じられていないが、実はEVが普及するブレークスルー(突破口)になる可能性を秘めている。
- 日本では、14年春までに全国に10万基のEV用充電器が整備されることになっており、それだけで1000億円以上の税金が投じられる。
- EVインフラの整備は2008年あたりから神奈川県や東京都を中心にやっと始まったばかり。急速充電器の費用は1台300万円前後と高く、地方自治体の補助がないと普及は難しい。
- 1億台の電気バイクを保有する中国では、バイクを家で充電するという電気バイク文化を持っています。電気バイクの置き方、コンセントの設置の仕方、ブレーカーが落ちないような工夫、充電を開始する時間、終了する時間、誰がコンセントにプラグを入れるのか、途中で電気がなくなったときの対処の仕方、救援方法(電池交換など)、その組織、システム、、。電気バイクの普及といっても、これだけの生活習慣の構築とインフラの整備が必要なのです。文化がなければ電気自動車は普及しないのです。
- EVで長い距離を走るときには道すがら充電することになるので面倒くさいという人がいるが、急速充電ならば15分から20分止めるだけですむ。1時間運転したら手洗いにいったり、休憩をとったりする。こうしてちょっとだけ余裕を持てばいい。会社からの帰宅途中にガソリンスタンドに寄らずにすむ快適性もある。家に帰ってからプラグを電源に差し込むだけですむ。
■燃料電池車(FCV)
- 燃料電池車は電気で作る水素が燃料。必要なエネルギーは電気自動車の3-4倍。
- 最も重要なことは、FCVといったクルマありきの話ではなく、まず将来的に私たちが水素インフラを必要としているかどうかを論議すること。
- 燃料電池の実用化までに必要な奇跡
- 製造コストが平均100万ドル。
- 大量の水素を積み込むだけのスペースがない。
- 水素はひどく高価。化石燃料で作ってもガソリンの2-3倍。
- 水素を補給する施設が必要。水素の補給所を最低1-2万か所造らないと関心を引かない。
- 市場のライバルが進歩するかも、2020年のハイブリッドカーに勝てるのか。
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