2014年8月5日火曜日

技術の世界観・電力・半導体

▼世界観

  • 技術の世界は1位だからこそ資金や情報が集まってきますし、顧客も信頼してくれます。1位の存在感は圧倒的に大きく、後方からの追い上げは非常に難しい。
  • 英語で「Winner take all」、まさしく「勝者が全部取る」という世界です。どんな技術にしても、いまや世界のトップスリーに入らなければ、生き残りはほぼ不可能です。プライドやカッコつけのために1位を目指すわけではありません。生き残るために、世界一を目指さなくてはならない。これは国レベルだけの話ではなく、個々の技術者の人生がかかった話でもあります。
  • マネジメントする対象の技術を理解していないのに、実際の社会のなかでマネジメントができるはずはありません。
  • 豊かさ、アジア、オートメーションといった要因によって、モノやサービスが価値のある「商品」へと急速に姿を変える。そんな中で生き残るためには、たゆみなく技術を革新し、新たなカテゴリーを創出し、「それがなかったことにすら気づいていなかったものを世界に提供する」しかない。
  • 誰にでもできて失敗がないのがいい技術。
  • 技術系はなんで幅を広げなくてはならないということに気がつくのが遅くなるのか。事務系の方は、どうやらそれに早目に気がつくので、おそらく役員の数が多いという現象が起きる。技術関係というのは、たぶん究めるものがあるんですよ。ところが事務系の仕事って、究めるといっても、とことん突き詰めてというタイプの話ではないから、どうして人と差別化するかを一生懸命に考える。だから、自然に広がる。浅いから広がると言ったら一番適切な表現なんだけど。だから、技術系の場合は深いから広がらない。
  • 死の谷があるからこそ、研究開発プロジェクトのうちかなりのものがそこに落ちて、事業化段階まで進めない。死の谷が選別するのである。それは、開発段階とは桁違いの投資になるはずの事業化のリスクの大きさを考えれば、当然のことである。死の谷に早く遭遇させるほうがいいプロジェクトすら、あるに違いない。
  • 工作のときに考えた方がいいのは、死の谷の構造は一律ではないということです。つまり、谷の幅がどこをとっても同じで、対岸との高低差がまったく同じという画一的な谷ではなくて、同じ谷でもここから見れば谷幅がけっこう広いけれども、もっと違うところで見ると狭くなっている、あるいはこちらが高くて向こうが低いとか。そう言う場所をあらかじめリーダーは探しておいて、そちらへチームを誘導しないといけない。谷に直面してから、はてどうしようかと言っても、もうそれはかなり遅い話。
  • 今の科学は間違っていません。なぜなら、今の科学文明を動かしているのは、今の科学だからです。何かが足らないだけです。だから重要なことは、今の科学も、新しい現象をも、一律に説明できる科学理論を構築しないといけない、ということです。 物理学の理論はこのようにして進化するわけですが、現在の科学者のほとんどは、止揚することを知らないように見えてなりません。物理法則は常にファジーなものです。その時々で変わるわけです。それを固定化・権威化していることが、諸悪の根源です。
  • 地球上のほとんどの科学者たちは、まるで既存の科学理論に反する現象など、あってはならないと思いこんでいます。短絡的な表現をすると、知識ばかり詰め込んで、科学思想を教えない「受験制度」による教育が原因だと言いたくもなります。それと研究の考え方についても、今の科学界は失敗か成功かという二元論が支配しています。
  • そもそも研究に失敗という概念はありません。すべてが進歩です。成功か失敗かという考え方が存在するのは、そこに利益が絡んでいるからです。結果に利益が絡むかどうかという話であり、サイエンスにとってはどの方向に進もうと進歩です。
  • 「発明とはおしゃれな直感である。」byテスラ。「発明とは99%の努力と1%の霊感である。」byエジソン。(ちなみに原文では99%の「汗」)
  • 根本的に新しいものを開発するときに必要なのは、「君主」か「独裁者」です。本当に未来を見通す目を持った独裁者が必要なのです。誤解を恐れずに言えば、アドルフ・ヒトラーという人物は世界中で悪の代名詞にされていますが、科学技術上はそうではありません。このことは、ナチスドイツが第二次大戦中に生み出した数々の新技術をチェックすれば理解できます。ロケット兵器であるV2号がなかったら、アメリカとロシアの宇宙技術は生まれていませんでした。
  • 革新的な技術で、僕はよく肯定技術と否定技術という言い方をします。いまのビジネスを支えている技術が肯定技術、これを殺してでもまったく新しくビジネスを変えてしまうような技術が否定技術。そうすると、否定技術を始めるのは大変なんですね。
  • テクノロジーはペーシングとキー、ベースに分類することができる。キーテクノロジーへと発展する前の段階で、競争に与える影響力は大きいもののいまだ普及していない技術がペーシングテクノロジー、キーテクノロジーが発展して独占的でなく広く市場で使われるように普及したものがベーステクノロジー。
  • どの技術も成熟したと考えず、努力による今後の技術発展の方向性をゼロベースで予測する必要がある。
  • 技術の特性として、ある業界で開発され活用されている技術が、他の業界でも利用できることがしばしばあります。そのため、他業界の技術や研究途上の技術のうち、利用できそうなものを抽出します。

■トップランナー方式

  • 家庭で使われる家電製品は、そのほとんどが「トップランナー方式」で規制されている。「トップを走っているランナーの性能に、後から走っているランナーも合わせなさい」というものだ。この結果、日本の家電製品は世界最高の省エネレベルとなり、世界一の競争力を持つことになった。同じトップランナー方式を、日本の火力発電所にも導入すればいい。それだけで日本全体の二酸化炭素の3%を減らすことができるのだ。

▼技術経営

  • 技術経営には三つのレベルがあると整理できる。
    • 第一のレベル、もっともミクロなMOTのレベルは、一つの研究開発プロジェクトのマネジメントである。誰がマネジメントをする人か、というマネジメントの主体として言えば、プロジェクトリーダーとしてのMOTである。自分が直接プロジェクトに関わりながら、そのプロジェクトとしての研究開発をどう推進するか、どんなテーマを選んだ上で、誰をメンバーにして、どのようにリーダーシップを発揮していくか、というのが、このレベルのマネジメントの問題である。
    • 第二のレベルは、複数の研究プロジェクトを抱える、一つの研究組織のマネジメントである。研究所長のMOTと言ってもいい。自分自身が研究開発活動を実際に行うのではなく、プロジェクトのリーダーにいかに研究プロジェクトをマネジメントしてもらうか、どのプロジェクトに資源を配分するか、という問題が中心となる。そこでは、資源配分をすべきテーマの選択をどうしたらいいのかという問題と、プロジェクト相互の関係と研究所全体としての存在意義をどう大きくしていくかという問題が大きなマネジメント課題となるであろう。
    • 第三のレベルは、企業の研究開発活動全体の統括、というMOTである。CTO(最高技術責任者)のマネジメントと考えていい。このレベルでの大きなマネジメント課題は、一般的に次の三つであろう。
      • 第一に、企業全体の技術資源の配分である。どのような技術分野、事業分野に技術者をどの程度配置し、資金をどの程度配分するのか。その配分は、当面の事業の発展に必要な事業ごとの研究開発活動への配分と、将来の可能性を考えた上での未来の技術ポテンシャルへの配分と、その二つの資源配分を両にらみで考える必要が出てくる。
      • 第二に、そうした技術資源の根幹をなす、技術系人材全体の育成のための仕組みと人材量の決定である。ここでは、採用と育成のための仕組みと、両方が重要になるだろう。
      • CTOによるMOTの第三のマネジメント課題は、企業全体の研究開発の計画と管理の仕組みをどのように作るか、という課題である。第一と第二のマネジメント課題を技術経営の戦略の決定と表現すれば、この第三の課題は技術経営の経営システムの設計と運用と表現していいだろう。
  • 「魔の川」「死の谷」「ダーウィンの海」
    • 「魔の川」は、研究と開発の間に横たわっている。技術者は、まずこの川を越えなければならない。研究は技術の「シーズ」であり、こういうものを世に出したいという提供欲求。一方、開発は顧客の「ニーズ」、つまり顧客がこういうものを欲しいという獲得欲求。 高度な技術を詩作品にする場合でも、この2つのベクトルが全くずれていてはうまくいかない。
    • 次に、開発から事業化に向けて、「死の谷」を越えることになる。事業化して「商品」になるためには、ユーザーのさまざまな欲求に応えていかなければなりません。 そのために試行錯誤が求められ、長い時間と資金が必要となる。
    • 最後は、事業化した製品を産業化していくために 「ダーウィンの海」を越える。この海に出ると、これまで出会ったことのなかった他の企業と競争状態となる。また、市場があると わかれば、新たな企業もそこへ参入してくる。価格や性能など、厳しい生存競争に勝ち残ったものだけが、広く普及していく。
  • 競争優位を構築する基本的な方策はコストリーダーシップ、差別化、集中の3つしかありません。この3つの戦略のうち1つも実現できていない企業であったり、1つの事業単位において3つの基本戦略を同時に2つ以上追いかけたりすることも、一般的に見て、競争優位を構築する戦略がブレていることになります。なぜなら、この3つの基本戦略は基本的には異質な方法であり、2つを同時に追いかけると矛盾が生じてしまうからです。
    • コストリーダーシップによって競争優位を確立しようとする企業は、あらゆる活動において顧客にとって最低限必要な機能を持ちつつも、コストの削減を考える必要があります。その精査を行う過程において、どの企業内活動でコストを削減することができるかを考えるのです。
    • また、差別化によって競争優位を確立しようとする企業は、どの活動において差別化を図るのかを考えます。
  • 価値連鎖は、競争優位を生み出す源泉がどのような構造になっているかを示せるように、活動を価値創造活動に分割して表したものです。企業はそれぞれの価値創造活動についてコストとその成果を精査し、競合企業との比較において改善点を模索しなければなりません。
  • 消費者がどのようなニーズを持っているのか、そしてそのニーズを満たす製品とは何か、そしてその製品をつくるためにはどのような技術が必要となるのか、、、このような発想で技術力を構築していかなければやみくもに投資を行うことになり、費用対効果が上がらないばかりか、企業の発展も望めないということにもなるでしょう。重要なのは、まさに「出発点は市場」という観点からの技術を考えること。そして、これが技術と経営の統合、つまり技術経営。
  • イノベーションの戦略の一歩は、古いもの、死につつあるもの、陳腐化したものを計画的かつ体系的に捨てることである。イノベーションを行う組織は、昨日を守るために時間と資源を使わない。昨日を捨ててこそ、資源、特に人材という貴重な資源を新しいもののために解放できる。
  • 脚光を浴びていないときに、どのような技術開発をするかというのが、本当の戦略的な技術の導入だと思う。

▼エネルギー

■マスタープラン

  • 日本には国としてのエネルギー利用のマスタープランが欠けている。
  • フランスのように原発が大半の国もあれば、隣のドイツのように原発の新規建設をやめてしまったので将来の電力供給とCO2削減に苦しんでいるところもある。米国は西部と東部でまったく状況が違う。西部では天然ガスを使って発電するが、東部のワシントンなどでは石炭を多く使う。米国が今のままでEVに電力供給をやると、CO2ということでは世界の基準からかけ離れたものになる。日本にはある程度のバランスで原発が導入されているので、米国ほど極端ではない。
  • 小さな批判の点から可能性の芽を潰すことは間違っている。そうではなく現状の方向を更に推進する形で進めていくことが可能になれば、いくつもの問題点を乗り越えていくことが可能になるはずだ。日本の面積は非常に狭いが、海を含めると12倍の面積を持っている。日本は海洋王国だ。その海洋の上で利用することのできる洋上風車、そして波力発電、こういったものを伸ばしていくことで、日本はおそらくエネルギーを輸出できる国になることも可能になると思うのだ。
  • 従来、電気需要の増加には、発電所を建てることで対応してきた。これを、電気を供給する側で管理・コントロールするので「サプライサイド・マネジメント」と呼ぶ。ところが今では、需要側で管理・コントロールする方法が主流になってきている。これを「デマンドサイド・マネジメント」という。発電所がまだ十分に建てられていない途上国であれば話は別だが、すでにある先進国では「デマンドサイド・マネジメント」のほうがずっと効率的になる。特に日本のたった60%しかない負荷率から考えると、効果は極めて大きい。
  • 日本の電気消費量が平らになったとしたら、どれくらい発電所がいらなくなるだろうか。現状の負荷率は60%程度だから、約40%の発電所は不要になる。電気の最大欠点、「電気は貯められない」という問題を、双方向の流れに変え、エネルギー全体の情報をネットワークで解決してしまおうとするのが、「スマートグリッド」の効果。
  • 日本の発電所は世界最高レベルを誇るとはいえ、それでも熱の40%程度しか電気に替えられない。
  • 電気事業は3つの事業に分けることができる。「発電」、「送電」、「配電」だ。その中で、電力会社の最大の資産は、実は送電線。その送電線を"自由化"することが重要。ヨーロッパで行われているような電力の自由化は、3つに分けた事業の中の、本来公共財となるインフラ部分を公共の所有としている。その上で発電したい事業者は発電して送電線につなぎ、配電事業者は送電線からの電気を販売すればいい。しかしながらその送電線は自動車にとっての道路である。
  • 電気というのは、発電・送電・配電、その3つに分けることができる。発電と配電はどんな事業者がやってもいいんだけども、このまん中に入る送電線というものは、これは本当に公共財です。車にとっての道路のようなもの、すなわち、道路のあちこちに関所を設けられてしまったとしたら車はもう走ることができない、現状の電気はそういう状況です。いろんな人たちが、例えば、北海道ではたくさんの風車を建てたがっている、ところが送電線を握っている北海道電力はそれを買おうとしない、そのおかげで日本では自然エネルギーが伸びない、という構造になっている。この送電線というものは、本来公がもって自由利用にすべきものです。
  • はっきり言おう。この地震の頻発する日本に、原子力発電所を置くことはできない。今すぐ廃炉にさせるべきだ。人々を危険にさらす甘い想定は認められない。

■電力

  • 地震がきて津波が起こり、発電所が止まったら終わりです。今どこから電気がきているかといえば、ほとんど東京の湾岸発電所。文字通り湾岸だから、もう何があってもおかしくない。
  • 家電製品すべてを省エネ製品に入れ替えた後、今の生活の電気すべてを太陽光発電でまかなうとなると、どれほどの発電装置が必要になるでしょうか。なんと8畳間1つ分強の広さ、2キロワットで足りるんです。8畳間1つ分強の広さがあれば自給可能になります。それがイラク人を100万人以上殺して奪ってくる石油と同じ価値です。命がけでやる原子力発電と同じです。馬鹿げてないですか?
  • 電気消費のピークは実は毎日は出ません。1年8760時間ありますが、その中で10時間以下しか出ません。しかも日本最大の東京電力のピークは、これは定式があります。ピークが出ているのは、夏場・平日・日中、午後2時から3時にかけて気温が31度を超えたとき。そしてこのピークに家庭は最も消費しない時間帯に当たっています。なんとピーク時の91%の消費が家庭以外の事業者によってのものです。夏場のピーク時の電力消費量の中で、家庭の電力消費はピーク消費量の9%程度しかない。91%は事業者の消費だ。
  • 事業者の電気料金は使えば使うほど単価が安くなるようにできている。一方で家庭の電気料金は途中まで安くなるんですけれど、途中からは使えば使うほど高くなるように作られているんです。
  • 電力会社(特に技術部門)は、再生可能エネルギー等を活用した分散電源の余剰電力を買い取ることには基本的に消極的。自前で生産した以外の、かつコストの高い電気をネットワークに入れることに積極的にはなれない。
  • また長年構築してきた同期電気による交流型のネットワークに直流を出自とする電気が入ってくることに違和感がある。安定供給を守るDNAに抵触する。
  • ここを解決するには、蓄電池の設置とローカルネットワークでの吸収が考えられる。
  • 東電の上層部に必要なのは利権、権威、それに競争原理のない市場性。
  • 消費者を人質にとっている電力会社の経営情報を守る必要などない。電力会社の情報は、消費者のそれと同義といってもよい。経営情報、なかんずくコスト情報は領収書まで公開すべきだ。これをやれば、おそらく電力会社の高コスト構造が是正され、大幅な電力料金引き下げにつながるだろう。
  • 1軒あたりの年間事故停電時間は、アメリカが97分に対して、日本は19分と圧倒的に短くなっている。
  • 電力会社はそもそも巨大である必要はない。地域の自治体の水道局の隣に「電気局」を作ればいい。そうすれば1つの県あたり、毎年流出する1000億円以上の資金を県内に循環させることができる。
  • 実際には地域内で発電した電気を地域内で供給したほうが、温暖化防止になるばかりでなく、地域経済の活性化にもつながっていく。
  • 2009年の政権交代があってから数カ月後の年末に、日本にもついに、太陽光発電に対して「FIT(フィードインタリフ)=固定価格での買取制度」という仕組みが実現された。これは設備に助成金を出すのではなく、発電した電気の量自体を電力会社に買い取る義務を課すものだ。画期的なのは、従来は設備を売れば助成金で儲かる仕組みになっていたのが、発電しなければ儲からない仕組みにしたことだ。
  • たとえば流れの中にらせん状の鉄板を入れ、回転で発電させる仕組みでは、わずか4.5mの長さで4人家族1軒分の発電をしていた(岐阜県石徹白)。この発電装置は量産できれば、おそらく50万以下で作れると聞いた。家1軒が自給できるとすると、太陽光発電の現在の単価と比較すると、約4分の1だ。太陽光発電設備がいかに高いか理解いただけただろうか。ところがその太陽光発電設備でも、1軒に3KWtを設置したとして、現在の価格でいうと約200万円程度で済む。先ほどのFITの買取価格で計算すると14.4年で元が取れる。
  • 電力会社がリモコンでリレースイッチを使って切るのだから、5分ずつ12軒契約していれば1時間連続して消すことができる。5分だけ消されるとどうなるか。きちんと窓やドアが閉まっている状態であれば、エアコンが消されても10分以下なら誰も気づかない。エアコンのリモコン装置を使って5分間だけ「送風」に切り替える。「冷房」モードの消費電力より、「送風」モードの消費電力の方が圧倒的に少ない。
  • 「皆さんの家庭の電気消費のために発電所が必要になっています。皆さんがライフスタイルを変えて節電してくれれば解決できます」というものだが、それは間違っている。消費のピークが出る時間帯は年間8760時間ある中の、わずか10時間程度にすぎないからだ。しかも世界最大の電力会社で、日本全体の電気の3分の1を供給する東京電力の電力消費のピークは、「夏場・平日・日中・午後2時から3時にかけて、気温が31℃を越えたとき」に限られている。
  • しかもその時間帯の電気消費は、9割以上が産業などの家庭以外の消費によるもので、家庭は最も電気消費量が少ない時間帯にあたっている。その時間帯に消費しているのは事業系なのに「民生需要」に含められている「デパート、コンビニ、病院・学校など」や「特別高圧」、「高圧」といった大きな産業向けの消費が圧倒的。
  • 原子力による温暖化防止には、原子力発電所を建てるリードタイムが必要だ。建てると言い出せば建つというものではない。建つまでには大体、約25年から30年のリードタイムがかかる。今が2010年だから、もし仮に原子力が地球温暖化防止に役立つとしても、効果が出るのは2035年から2040年頃からになる。
  • 省エネ製品のおかげで、電力消費のピークは2001年以降、記録は更新されていない。発電所の新設は不要になりつつある。オール電化は人々の理解と違って、実際の二酸化炭素の排出量は増加する。それもあって電力会社が「環境にいい」と言うのは「エコキュート」だけで「オール電化」が環境に良いとは言わなくなっている。しかも「エコキュート」や「IH調理器」に取り換える設備額を合計すると、現在ですらオール電化は得にはなっていない。
  • コストが安く蓄電できるようになると困るのは、オール電化にした家庭だ。深夜の電気を買って昼間に使うところが増えると、深夜電力を今ほど安く維持することができなくなる。やがては日中と同じ程度の料金にせざるを得なくなる。今、オール電化が安く思えるのは深夜の電気が日中に対して3分の1程度の価格に設定されているおかげだ。それが同じ料金になれば、オール電化にした家庭は大損することになる。しかし現に、それほどのバッテリーが開発されている。

■温排水

  • 原発でタービンを回した後の蒸気は、冷却水として取水した海水で冷やされて、もとの水に戻ります。この蒸気を冷やしたあとの海水は、取水したときの温度より約7℃程度上昇して海へリサイクルされる。そのリサイクルされた水を「温排水」と呼ぶのです。発電所を立地する際に、電気事業者は温排水の拡散実態を調査することになっています。漁業への影響が懸念されるからでしょう。

■送配電

  • 発電事業や卸売事業は、価格変動が生じるハイリスク・ハイリターンの世界であり、送配電事業は確実に一定の利益を見込みうるローリスク・ローリターンの世界。
  • 米国型資本主義には前者の方が魅力的に映り、電力バブルともいえる勢いでガス火力発電が建設される一方で、送配電線の新設・改良工事は進まなかった。
  • 流通経路は、基幹部分および大口ユーザ向けを狙う「送電線」、小口・家庭用へ給電する「配電線」、需要端とネットワーク(系統)をつなぐ「引き込み線」、そして需要家の機械・機器をつなぐ家庭内配線等からなる。
  • 配電線には、高圧線(6,600ボルト)と低圧線(200ボルト、100ボルト)がある。
  • エジソンの復活(直流体系の見直し)がうたわれている。
  • 元々、電気が商業化されるにあたり長距離輸送に有効(送電ロスは電圧を高くすることで少なくでき、電圧の上げ下げが交流は容易)な交流に軍配が上がり、その後の電力需要拡大に伴う大規模発電建設により、交流を基礎としたネットワークが構築されて、現在に至っている。
  • 電圧は日本の場合、発電所(275~500kV)、一次変電所(125kV)、二次変電所(66kV)、配電変電所(6.6kV)、分電盤・ポールトランス(200/100V)。電源側から需要側まで、一方通行で電圧を下げながら交流の電気を交流システムで送っている。
  • 原子力、火力、水力を主とする大規模発電所では熱エネルギーを利用した蒸気や位置エネルギーを利用した水を使ってタービンを回し、その回転エネルギーにより交流電力が発電される。この発電は、同期発電といわれ、回転数が同じになる必要がある。川下に位置する流通や、需要側である機械・機器も同じ回転数で制御されるのが交流を前提とする現在の電力系統。
  • しかし太陽光、風力、燃料電池、バッテリー(PHEV)といった分散電源は回転系ではなく、直流。これを系統にいれるには、インバータにより交流に変換してから流すことが必要になる。
  • 一方、需要側も直流を使用する割合が増えてきている。かつては、モータ等を使う工場の需要など「産業用」需要が多かったが、生活が豊かになり社会が高度化してくるにつれて、家庭用や業務用等の民生化需要が増えている。代表が空調。またPCやIT化された情報家電は、直流を使用する。交流を直流に切り替えるのがコンバータ。交流で運ばれてきた電気を家庭内で直流に変換する必要が増している。
  • 供給側でも需要側での直流をシステムとする動きが急になってきている。需要は基本的にローカルであり、供給も再生可能エネルギー等分散型やオンサイト型が増えてくる。こうした動きを背景に、直流で発電・給電するローカルなネットワーク構築の必要が議論され始めている。
  • 2009年から新たな電力の買い取り制度を開始している。太陽光発電で得た余剰電力を1kWhあたり48円で10年間電力会社に売ることができる。
  • エネルギーを地域分散型に変えていくことは、電力会社のコストの最大部分である送電線を不要にしてくれる。そうすれば電気料金をグッと下げることも可能になる。このことは、日本の産業政策にも大きな影響を与える。調べてみると、日本の産業向け電気料金が高くなったのは、電気事業審議会が消費電力ピークの時間帯に消費電力の多い企業に電気料金負担を大きくした時からだ。それまで産業向けの電気料金は、1970年まで一般家庭の料金の40%以下だったのが、1980年には家庭向け料金の70%以上にまで上がっている。
  • 今、山手線を走らせている電気は、新潟の信濃川発電所からの電気を使っている。不正な「水泥棒」操作で、JR東日本が取水の権利を取り消された発電所だ。取り消されるとサケが昇り始め、どれほど川を壊してきたかを露呈してしまった。遠い新潟で作られる電気を東京に運んで来れば、当然送電ロスも大きくなる。しかし蓄電できれば、ずっと小さな電気で足りる。小さな出力の電気であれば、こんなことをしなくても地域産のエネルギーで走らせることも可能になる。電気をめぐる巨大なインフラを、小さなものに入れ替えていくことができる。
  • 公共財として、その送電線に誰もがつなげて、誰もがそこから使っていいという仕組みにしていくことがエネルギーの民主化に欠かせない。現状は電力会社が送電線を一企業の私物にしてしまっている。その権力のために自然エネルギーからの電気が買ってもらえなかったり、電力会社の子会社からの電気だけが高く買い取られたりしている。この送電線を電力会社から取り上げ、自由利用の原則に基づく公共物としての送電線にしていくことが必要。
  • 誰でも新たな自然エネルギーを造ったならば、送電線に繋いで利益を得ていいという仕組みにしていくべき。原子力発電所の発電単価は著しく高いから、民主的に選択したらもはや売れるものにならない。それに代えて、いまやそれより安い自然エネルギーが入ることになる。
  • 送電線を公共財化することができなければ、電力会社はずっと自分の送電線を盾にし、誰が作った電気であろうと、それを買わないというような選択ができることになり、自然エネルギーという、どこにでもいくらでも作ることのできるエネルギーを拒否することができる権利をずっと持ち続けて、再び原発震災を起こすことになるだろう。

■電車

  • 電車はプリウスのように、ブレーキから得られた電気を再度蓄電することができる。これを回生電力というが、実はプリウスより前から新幹線も地下鉄も回生電力を使っている。しかし電車は蓄電装置を乗せていないため、送電線に戻している。そのため、次の列車がすぐに来なければ、そのまま電気は無駄になってしまうのだ。ところが電車が回線電力を蓄電できるようになれば、電車がさらに一層効率の高い乗り物になる。
  • かつてアメリカにあった鉄道は、自動車メーカーと石油会社らによって買収され、放漫経営の上で破綻させられている。それによって現在のモータリゼーションを実現した。

■充電・蓄電

  • 世界中が日本の蓄電技術に注目し、しのぎを削る中、日本は技術を持っていたけれども、残念ながら活用させることができずにいる。この蓄電技術が進展したら、どんな社会がイメージできるだろう。中国の電動バスは、停留所で数分電気に触れるだけで充電する。行った先でまた数分充電するだけで、再度フル充電することができる。だから送電線網がいらなくなった。まったく同じことが電車でもできる。電車は1区間走れるだけの電気プールができれば、各駅ごとに瞬時に充電していけばよくなる。
  • 従来のバッテリーと違って充電に電圧がいらなくなると、これまで捨てられていた電圧の弱いエネルギーも貯められることになる。どれぐらい利用できるようになるかを調べると、従来の1.6倍に達する。1.6倍ということは、現在家1軒の太陽光発電設備は、平均約3キロワットと言われるが、それが4.8キロワットの太陽光発電を乗せているのと同じになるのだ。パネルの発電効率をわずかでも上げるのに、メーカーは必死に努力しているのだが、それよりずっと簡単に効率利用できる方法があったのだ。
  • 東芝が開発した「SCiB」というリチウムイオンバッテリーは6000回以上の充放電が可能なので、単純に1日1回充電しても、15年以上使える長寿命、フル充電するのに急速モードで約5分、ハイブリッド自動車向けの「SCiB」では、なんと1分半で急速充電できる。しかも有害物質を使っていない。寒冷地でも問題ないことに加えて、さらにすごいのは生産コストが従来のリチウムイオンバッテリーを下回るというのだ。
  • 自転車で充電
    • 回転で生みだされる電気をバッテリーにためられる。自転車に取り付けられ、こぐほど充電できるのはどうか。ガチャってはめられてそんなに重くもない。どの程度充電できているのかわかるメーターも必要。充電が不要なら外せばいい。単三でも個別バッテリでも接続できるように、電源の差し込みグチの形状のインプットがあればいい。あとは、充電した電気を売れる仕組みがあるとなおいい。どうやったら作れるかな。。
  • サッカーボールで充電
    • サッカーボール型の充電池「soccket」。30分蹴るだけで3時間の点灯が可能。そろそろ日本でも発売されるのか。。
  • 給油の向き
    • 車の給油口はなぜ車の両側にないのか。両側にあればガソリンスタンドで向きを気にする必要はないのに。まぁ、EVになったら車の真ん中になるから問題ないとも言えるけど。
  • 充電タイマーアプリ
    • 充電中にユーザーが車から離れることを想定して、携帯電話に充電終了のお知らせが届くようなアプリも期待される。

▼記憶媒体

■半導体

  • 現在、半導体業界では、ReRAM、あるいはRRAMと呼ばれるメモリが次世代メモリとして注目を集めています。ReRAMは、現在SSDとして商品化されているフラッシュメモリよりも5桁も高速で、かける電圧は20ボルトから2ボルトまで低減可能です。しかも製造が簡単なので、夢のメモリと言われています。
  • 大量の電力消費と放熱は、地球環境を脅かす重大な問題です。そのため最近では、データセンターの記憶媒体をフラッシュメモリにかえて、電力の低下を図ろうという機運が生まれています。
  • グーグルなどの大手サイトでは、膨大なデータをデータセンターのハードディスクで記憶しています。大きな電力を消費するハードディスクを動かし続けるためには原発何十基にも相当する莫大な電力が必要です。さらにデータセンターから出る熱を冷やすための空調にも大きな電力がかかります。少しでも電力を低減するため、データセンターの多くは、アメリカとカナダの国境地帯など寒い地域に建てられています。
  • 「世の中には知恵を持ったいろいろな人がいるから、半導体を使って画期的な製品を考える人が必ず出てくる。だからこそ、低電力、大容量といった半導体技術を開発・発信し、世の中の新しいアプリケーションを考える人たちを刺激する必要がある。そうしないと、使い道を考えてくれる人が出てこなくなってしまう」
  • 日本のためにはとにかく新しい半導体だ。その半導体は自分が作る。日本を良くするのは俺しかいない。

▼パソコン・ケータイ

  • パソコンには、精神を引き込んで奴隷にする「魔性」があることがわかった。
  • ケータイ病におかされた子供たちは今や、世界でもっとも勉強をしない子供たちとさえ言われています。中学校で数学教師をしている私の教え子が言っていました。昼休みに勉強や読書をしたり校庭で元気よく遊ぶような子はまず見当たらず、おしゃべりをする子も少なく、ほとんどは黙々とケータイを手にしているそうです。

▼瞬間移動装置

  • 米海軍が1943年に行った「フィラデルフィア実験」について、ご存じの方も多いと思います。米軍は駆逐艦を透明化する実験を行ったと言われています。正式名称は「レインボー・プロジェクト」と呼ばれます。これはステルス機のように、レーダーの電波を反射しない方法ではなく、強力な磁場で光を曲げ、本当に透明化させようとする試みでした。このときに使われた駆逐艦がエルドリッジ号です。管内ではテスラコイルらしきものも使われたようです。その結果は、青緑色の霧が発生して、何か制御不能の空間の暴走状態が生じ、エルドリッジ号は不可視状態になったのではなく、本当に消滅してしまったのです。
  • 驚くべきことに、エルドリッジ号はフィラデルフィア港からテレポーテーションして、1600マイル(2560km)離れたノーフォーク港にあらわれました。悲劇はそこから始まりました。乗員は全員、とんでもなく悲惨な状態に巻き込まれていました。体の一部が船の壁や床に融合してしまった乗員も少なくありません。通常は、とても想像できません。映画「フィラデルフィア・エクスペリメント」という映画をご欄になった方は、よくおわかりでしょう。

▼宇宙開発

  • 日本人から集めた多額の税金と視聴料で打ち上げたかぐやの映像を、なぜ日本人である我々が見られないのか。

▼建設機械

  • 建設機械というのは技術の粋を集めて開発・生産しているにも関わらず、単価が非常に安いです。最も普及しているモデルの建設機械では、車体重量1トンあたりの価格が約50万~70万円です。ということは、1kgあたり500~700円。これは、牛肉やマグロとは比べ物にならないぐらいに安いのです。

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