2014年8月5日火曜日

地域づくりについて

■地域づくりができる人

  • 大事なのは、地域を興せる人とダメにする人の特徴を理解することだ。町をダメにする人は、その町を見て何がないかを考える人だ。「この町には新幹線がない、高速道路がない、空港がない、ゲートボール場がない」と、「ないもの」を探す人だ。結果として地域の特徴を失わせて魅力のない町にし、公共事業で町の財政を破綻させる。町を復活させられる人は、必ずその地域に「あるもの」を見つけることができる人だ。「この地域には光が射す、風が吹く、森がある」と。その地域の中に使える資源を見いだせる人だけが、町を興せる人になる。
  • E=MC2というのは、一般的にはエネルギーは質量×光の速度の2乗とされています。このうちCを、私は光の速度ではなくコンシャス=意識と解釈します。Mは質量ですから、意識をもつ人の数だと思えばいいでしょう。
  • 農山漁村の人口減少を食い止めるために効果的な移住施策
▼注目団体

■土地の歴史を活かして

▼利活用
  • 今ではお金と職(雇用)が、電話線とインターネットで越境して入ってくる。港から入ってくるものの価値は下がっている。だから港湾を24時間型の職住一体化したIT・金融センターに、というのは実は世界的な傾向。
▼文化圏
  • 行政でなく地勢、生活圏で考えていく方が共有できるものは多い。
  • 山とか川で文化圏は分かれるが、真ん中で分断されてるケースもある。行政の区切った境界を気にする必要はない。
  • 歌や踊りは残っている可能性がある。制度によって、生活の全ての余剰、瓦屋根も、よい衣装も、文字さえも禁じられても、無形の歌と踊りだけは許される。
  • 豪雪地帯で自然にマンモスがいるように動物園かなんかに作って、雪がそこに積もるのをながめるとかいいかも。
  • 1700市町村のうち、人口5万人以下の自治体は1200を超える。ほとんど。でも0人じゃない。無力じゃない。市民の力は小さなものです。ですが無力ではなく「微力」なのです。
  • 大きな建造物を建てるとなると、どうしても郊外にもっていかなければいけない。つまり駐車場を有した大きな美術館をつくるというためには相当な敷地が必要になってくる。盛岡のど真ん中にそれを得られるところはない。そうすると、そういうものは、もう都心の活性化にはつながらない。それよりも中津川という装置をふんだんに使って、中津川の清流、橋、岸辺、これを廊下や背景や壁面に見立て、空を天井に見立てて、天候や気候を照明に、風や雪や雲や雨を空調に見立てた、その美しい一つのまとまりの中津川の、上の橋から下の橋という景観の中に立てられる一つ一つの「小さな美術館」をそれぞれの部屋、つまり展示室として位置づけることを発想したらどうだろうか、という考えです。
  • 繁華街を社会の鏡として認識する。
▼アプローチ
  • 大切な資源は金ではない。村人が生活向上に一体となって動く団結と、自ら選ぶ貧困対策施行に必要な知識こそが大切。政治が悪くても、武力以外に貧困解消への道はある。
  • 「近さ」を軸に地域でつながる活動。点にフォーカス。
  • 風土(動く側と、迎える側)の関係で地域と地域をつなげる活動。線にフォーカス。趣味や興味といった軸でつなげる活動。地域にこだわらず、面全体に分散アプローチ。
  • 一面を緑にしたいと考えたとき、例えば法律で上から強制するみたいに一気に緑のペンキで塗ってしまえと考える人もいます。しかし、小さな緑の点をたくさん増やすことでも、一面を緑にすることができる。
  • 時代を軸に世代間をつなぐ。同世代だけに偏らずに付き合っていくこと。次の世代が自分達よりも充実した人生を送れるように、そんな取り組みを。
  • 大好きなやつのいる街を訪ねたときには、その街の何気ないものでも何となく好きになってきれいだなぁーと思ったり、美しいなぁーと思ったりすることがあります。というと、この街が美しい街であるためには、やっぱり大好きないいやつが、いい人が、いい市民がいっぱいいるということが前提になってくるでしょう。
  • 子どもたちは、未来の街をつくる。でも、未来の街づくりは未来にやればいいってことじゃない。この街で、こんなふうに子どもたちに生きてほしい、こんな街をつくってほしいと願うならば、いま僕たちがその姿を子どもたちに見せなければいけない。いま必要なんです。未来をこんな街にしたいと思うならば、僕たちは今それを自分たちの姿でつくらなければいけない。僕は盛岡でそれを全力で取り組んでいます。
  • 苦しい訓練、本当にきつい訓練や激しい手術を耐えている。頑張ってそれを耐えさせているものは、きっと来るいい日のため。この子たちがこんなに強く願って、そして、帰っていく「きっといい日」の古里は、どんなだろうか。僕たちが迎えるんです。この子たちが、そんなに願って帰った古里が、働く場所もない、学ぶ保障もされていない、寂しい家の中に閉じこもっただけの、友達のいない古里であっていいものか。僕たちは、この子たちがそんな思いをして帰ってくる古里をつくるんだ。
  • 自分が外部に対して直接影響を及ぼす経験をしなければ、いくら頭がよくても、自分でもやればできるという自信を持つことが難しい。自分の住む地域のことを考え、草むしりやゴミ掃除や植林などに参加して、社会への関わりについて 興味を持つことが、今、必要なのではないでしょうか。
  • 必要なのはその地域で売れている地域外の商品を地域化することだ。良い商品を作ってもダメだ、売れる商品を良くすることが重要なのだ。地域の資源を使うことで、もっと価格を下げられないか。地域外から販売されるものならば、地域内の生産物で代えられないか。その視点で考えていくことが大事なのだ。
▼島いとこ
  • 島の道路が未整備で、自動車も普及していなかったころの屋久島には、"島いとこ"という風習があったということです。当時は、小船が交通手段でした。しかし、目的地に着く前に日暮れてしまうことも多く、こんなときは下船して、"島いとこ"の所にお世話になったということです。逆に島いとこがやって来たときには、自宅に泊まらせてあげたということです。島いとこには親戚関係はありません。こうした互助関係を結ぶ間柄をいうということです。
▼信仰
  • 神は自分のまわりにみちみちている。静寂の中にほとばしる清冽な生命の、その流れの中に共にある。あるいは、いま踏んで行く靴の下に、いるかもしれない。
  • 決して好ましい客でないが、凶悪に対し彼らは無防備。卑しめたり、粗末に扱えばタタリがひどいだろう。なだめすかして、なるべくおとなしく引き取ってもらわなければならない。恐ろしいからこそ大事にする。人間が自然の気まぐれに対して無力であった時代、災禍をもたらす力は神聖視された。"凶なる神聖"。それは"幸いなる神聖"と表裏となる。
▼風土の民
  • 風の民と土の民。
  • 土着とはその土の上に住むことではなく、土の中に根を下ろすこと。
  • ヨソモノに対して
    • 田舎に都会からのヨソモノが入るとき覚えておかなければいけない、受け入れる側が抱く感情。自分のテリトリーを侵されるのではないかという動物的本能からくる排他性。
    • どうしても超え難い人間の形成過程の違いからくる違和感。
    • この2つは簡単に溶けあえるものではない。ゆっくりゆっくり村人とつきあうこと。そして着実に互いの利害の一致点を見いだすようにすること。「郷に入れば郷に従え」は最低限のエチケット。何百年も先祖代々その土地に生きてきた人々の間に入って認められるには、新しく入った人間が、間違いなくその土地のためになり、その土地の将来に寄与するという実感が確実なものでなければいけない。いつ出てくかわからないとか、どうも得体が知れないという不安が残る限り、絶対に田舎では受け入れてくれない。
  • 観光旅行者に対して
    • ブルゴーニュのある生産者に、別の生産者をどう思うかと尋ねる。すると"いいね、最高だよ"という返事が返ってきた。別の農家でも同じだ。"最高だよ。ベストだね"そうして4-5軒の農家で同じ質問をしてみたが、どこでも同じような答えが返ってきた。ところが、ランゲで返ってくる返事といえば"ああ、いい人だよ。ただ、ワインはいただけないね"とか、下手をすると"ありゃひどいね、ここだけの話、あいつは砂糖を混ぜてるんだよ"といった調子だ。今も年配の生産者にはそういうところがある。僕は、観光客がそれを耳にしたら、どんな印象を受けるだろうかと想像して、ぞっとしたんだ。ブルゴーニュ地方では国が生産者を支えるほどに制度も熟していたが、それだけじゃない。自分たちの土地を支える人間のメンタリティーもまるで違っていた。

■企業と地域

▼企業城下町の失敗例
  • ひとつの企業の都合によって工場が作られ、その周りに社宅と寮が作られ、生協の売店が置かれる。そこの労働者は柵で囲まれた社宅から、やはり柵で囲まれた工場の中への往復を繰り返し、彼の妻は必需品のほとんどを、すぐそばの生協で購入する。豊田市の中に、このような閉鎖地帯が点在する。企業の発展もその点を散らすだけ。よその土地から来て工場で働くものと、古くから住む人たちとは、ともに語りあうこともない。
  • トヨタ自動車は豊田市を作った、といわれる。がしかし、トヨタは何も作らなかった。ただ、養蚕地帯の中心地であり、繭の集散地だった挙母町に乗り込み、豊田佐吉の名前で町を塗り替えただけだった。
  • 今、日本は土地がいっぱい余っている。「不良債権がらみの土地」「だめになったテーマ・パーク」「旧国鉄の跡地」「埋め立ての土地」などなど。企業が開発はしたが軌道に載せられなかった土地たち。
▼地域企業のお金の流通の見える化
  • LEDIX
    • LEDIX(Local Economy Driver Index)は、帝国データバンクが算出する、地域経済における企業のパフォーマンスを測るための指標。

■地域づくりのアイデア

▼スポーツチーム
  • 地域密着のスポーツチームがあると、チームに夢を託して「○○!」と叫ぶ。そんな仲間が増え回数が増えれば、チームだけでなく、その街にも愛着がわいてくる。
▼親子で参加
  • 子供の声を取り込めないか。絵画コンテストや写真コンテストのギャラリーなんかにしてみてもいいかも。
▼地域通貨
  • 地域の中でお金がまわる仕組みを考えることはとても大切です。なぜなら地域経済が活性化しているときは、必ずモノやサービスが回転しています。そのときには必ず逆方向にお金が回るのです。地域経済の活性化の程度は、「地域の資金量×回転数」で決まるのです。しかも「円」と「共通商品券」があったら、人々はまず先に「共通商品券」から使いますね。他の地域では使えませんから。そうすると回転数が高まります。不安定な通貨は回転数を高めるのです。
  • 短くても、しっかり足元が固まっている諸通貨がひしめき合いながら、共存している。そしてその上に、円やドルといった国内向けの通貨があり、さらにその上に「共通通貨」が存在している。そんな、がっしりした短足通貨に支えられた集合体として、グローバルな通貨秩序ができあがる。通貨体制の三元構図だ。いわば、「3D」型のグローバル通貨秩序である。21世紀的な通貨のあり方として、そのような姿をイメージしてもいいのではないか。
  • 通貨の足と経済の腰がしっかりした地域共同体。それらが寄り集まって形成された地球共同体は、土台がしっかりしているから、そう簡単には崩壊したりしないだろう。バランスがとれた小宇宙群によって構成された大宇宙は、いくら大きくてもバランスが崩れないはずだ。それに対して、小宇宙のバランスをないがしろにした大宇宙は、それこそ足腰が弱いから不安定に泣く。
  • 足立区では、区内のお年寄りに支給していた「敬老祝い金」を、区内商店街の共通商品券に換えた。しかも支給額を割り増しして。この額、年間に4億円だ。地域内に4億円が循環するのだから、当然地域経済は活性化する。
  • 地域で資金が回れば経済は活性化する。地域内に貯蓄を残し、地域内で消費をし、地域内で稼げれば、地域は活性化する。とにかくまず、地域のおカネを流出させないことが大事だ。しかし考えてみてほしい。それが東京に流れるのなら、東京を豊かにするだけで済むが、海外に流れ出てしまった分は日本の富にすらならなくなってしまうのだ。その問題を防ぐには、自給率で見るのがいい。自給できていないものは、その分の富が海外に流出していってしまっている。
  • 地域の人が、どこからモノを買って、どこに売っているかを矢印で表示してみよう。地図を仕上げてみると、地域内でとどまる矢印と、たとえば東京まで伸びていく矢印が記される。この中の、地域内だけで循環できる矢印は、その部分を「代替通貨」に変えることができる。すると面白い現象が起こるはずだ。財布には2種類の札が並ぶことになる。地域でしか使えない「地域札」と「円札」だ。円なら全国で通用するのだから、どちらから先に使うかといえば地域でしか使えない不安定な「地域札」となる。回転数が上がる。経済は活性化する。
  • 家庭のエネルギーの最大のものは「熱」である。その熱を得るのに、今は海外からの石油などに頼っている。しかし地域に熱源はたくさんある。たとえば森や草木、生ごみを発酵させたバイオガスなどだ。石油を購入するのでは、地域のお金が都会を経由して海外に逃げていく。それを地域に戻せば地域経済は活性化する。
▼洋服ポスト
  • 古くて捨てるのがもったいない服を、フリマでもなく、途上国の貢献に使うことができる。そんな場所が、地域の交流点になるっていうのはありかも。
▼挨拶で体調を知る
  • インディオの青年は、故郷の村に暮らしているときには一度も飢えたことがなかった。貧乏な村ではあったけど、その村でもし彼がお腹を減らしていれば誰かに「こんにちは」と挨拶をすれば相手はその声を聞いて「お前はお腹を減らしているようだな、うちにおいで」と言ってご飯を食べさせてもらえた。言葉の響きひとつで、空腹や体調がわかってもらえた。そんな言葉の響きを理解し合えるくらい日常的に挨拶を交わす間柄になれたらいいな。
  • 「野なかの一軒家じゃなし、近所だって黙って見ちゃいないからね、決して心配おしでないよ」こんな風に困ったときに声をかけ合える地域を作っていきたい。
  • ソーシャルSNSもいいけど、近所づきあいのあったかさを感じられる、見せてあげられるようにしたい。
▼資源は何?
  • アイスランドの人たち曰く「この国は火山と氷河に覆われた、世界でもっとも厳しい地形と気候に"恵まれ"ている。」この覚悟はすごい。厳しさに恵まれている、というのは、日本の漁師や農民に、いや日本人全てに贈りたい言葉。
  • 土地を耕し、自分たちの家を造り、生活用品を試作し、エネルギーを獲得する。どれだけの自給が可能かをベンチマークしていくべき。
  • 「黒川温泉一旅館」という、顧客の視点からの再定義を何より大切にする。定義が明確であるほど、何をキュレートすべきかがわかる。そして、売り上げよりも優先すべきことがはっきりしている組織は真の強さを発揮することを黒川温泉は物語っています。
  • 日本一大きなオニギリや日本一長い滑り台、日本一高いヤグラ、日本一長い駅名を作って若い者は戻ってきただろうか。日本一の座をあっという間に奪われた「やながわ希望の森公園前」駅は今頃どうしているだろう。ムラおこしのためにヤラセのハリボテを着せられた格好になったこの駅は、今やその長すぎる駅名を持て余しているかもしれない。何しろ寿限無みたいに不便だから、そのうちこっそり「公園前」か何かに改称されるのだろうか。
  • 北国では非生産的な融雪・雪落としに時間と費用とエネルギーを奪われる。しかしこれを「雪室」として、野菜や米の冷蔵に使った人がいる。雪の湿度の高い冷蔵のおかげで、鮮度を高く維持して市場価格の高い産物を作った。雪を溶かすのに石油を海外から買うぐらいなら、地域の木質ペレットで融雪すればいい。外の人たちに雪おろしを頼むぐらいなら、地域商店街の共通商品券でやってくれる近所の若者に頼んだ方がいい。こうして、地域産の資源を見つけることが大事だと思う。
▼ごみ処理
  • 都市の耐用年数は、処理処分場があと何年分しかない、ということでも表現できるのではないかと考えます。「都市の寿命」をごみから考えるということです。あと何年分ごみを処分する空間が、その都市にあるか、という視点で都市をランク付けすることもできるわけであります。
  • NPOふうどが進めたバイオガスのプラントがあります。まず、地域の団地から生ごみを集め、それを空気に触れない形で微生物に分解させます。空気に触れないところで微生物が分解すると、メタンガス発酵します。メタンガスは別名「都市ガス」、燃えるガスが取れます。これをバイオガスと呼んでいます。残った生ごみ由来の液体は、すっかり臭くなくなって液体状の堆肥、つまり「液肥」になります。これを地域の有機農家に販売しています。そこから作られたコメや大豆を「液肥米」「液肥豆腐」として、ブランドづけして販売しています。ここがバイオガスプラントを作ろうとしたときに、ap bankが融資したのです。福岡県大木町は、以前は海に捨てていたし尿や生ごみを回収しバイオガスに入れたところ、ごみの量が実に44%も減ったのです。
  • 近年の都市におけるごみ問題は、盛岡でも深刻になってきていましたが、福祉バンクの活動はこの分野でも高く評価され、ごみ減量運動のモデルとして市民も大きな期待を寄せて回収のたびに「ご苦労さん」と声をかけてくれます。
  • 日本からの視察団が、スイスのチューリッヒ湖を見学したときのことです。湖があまりにもきれいだったので、「どうして、こんなにゴミ一つないんですか」と、案内をしてくれたスイス人に思わず聞いたそうです。すると、その人は困ったような顔をして、どうしてそのようなことを聞くのですか」と反対に質問されてしまったそうです。
  • 街角に空き缶がたくさん落ちている。それを自治体職員の怠慢だと言って拾わせたとする。もし自治体職員が拾い続けたとしたら、莫大な資金がかかる上に結局拾いきることはできない。でももし、たった5円でいいからその缶を店に持っていくと返してもらえるおカネをつけたら、1週間たたない間にもうどこに行っても空き缶を見つけることはできなくなる。このどちらが効率的か。
▼地域の本収集
  • 読書をしながら自分の住んでいる地域が出てくる本に出会うと、思わず嬉しくなる。その本は、知らず知らずに印象に残るものである。どこかにそれを収納する箱をつくり、みんなで読書をしながら地域本を探していくのである。
  • 地域が小説に描かれたり、映画のロケ地に使われることはその地域に魅力があるからであると考えている。だからその魅力を多くの人に伝えたいと思う。その情報発信の手段が当文庫である。さらに、地域が描かれた作品はそのまま国語教材として、市内にある学校の国語教育にも使えるのではないかと考える。
  • 当文庫では、過去の書物を集めることよりも、地域の「今」を集めている。「今」は自分が生きている時代の図書情報であるから集めやすい。地域の「今」を集め、「今」を整理し、「今」を次の時代に伝えたい。「今」は、やがて歴史の一ページになる。
  • 地域の歴史・自然・文化(それを風土といってもよい)に興味を持つことである。家の外に出て地域の風を頬に感じ、地域の史跡を訪ね、地域の食を味わい、地域の文化人と交流することである。そうすることによって、地域の図書は自ずと集まってくる。
  • 本に限らず情報紙、CD、DVD、記念資料、パンフレット、ポスターなどの資料があり、これらを含めて地域資料と捉えている。しかしこれらの資料は特定の人が特定の人に配るために作成したり、有料であったりして集めづらい。集められればいいですねというところである。
  • ローカルな図書情報であっても、特定地域の図書情報を集積していけば、地理的な地域の隔たりを越えて多くの人から特定地域の図書情報を提供してもらえるという電子図書館の利用法。
  • 郷里を離れて都会や別の地方都市に暮らす人が、郷里の図書情報を提供することもできる。自分が郷里に住んでいなくても郷里の土地勘があるし、幼友達もいるだろう。そうであれば、郷里の図書情報を提供することによって、懐かしい友達に出会えるかもしれない。電子図書館をつくって「ふるさと貢献」するのもよいだろう。
▼花や植樹
  • 大島椿のさかりは1月から3月だが、4月になっても花が咲いている。2月から3月にかけては旅行はシーズン・オフである。そこのところが大島はうまい。他の観光地がシーズン・オフのときが一番の観光シーズンとなる。大島に椿を植えた人は先見の明があった。
  • もっと市民が身近に植えて、いくらでも増やしていける花があるんじゃないかな。いずれそれが変えられないとするならば「第2盛岡の木」とか「第2盛岡の花」とかを決めて、市民の手で増やして、その季節が来たならもう本当に素晴らしい花祭りができるような、そんな街になりたい、と思うのであります。
  • 地域のシンボルのケヤキをどうしても切らなければならないことになりました。その代わりに、市役所はとても味なことをやりました。周辺の世帯に、庭を持っているお宅に100本のケヤキの苗を配りました。100年のケヤキを切る代わりに100本の小さなケヤキの苗木を地域に配ったのです。「大ケヤキの代わりに地域で100本のケヤキをみんなで育ててください」ということです。住民たちも納得をして、ケヤキの苗木をそれぞれの家の庭に植えたのです。
  • 岩手国体の年にきれいな街づくり運動という中で、中津川の岸辺を緑の川岸にして迎えようということになった。ばかなことをやったんですが、手っ取り早く緑にすることができるオーチャードグラスという成長の早い牧草の種を一斉に川岸全体に撒いたのです。あっという間に茂って見事に緑色の川岸になったんですが、結果として小さな忘れな草やミヤコグサなどの、たくさんの在来の中津川に本来あった小さな草花が、日影になって死に絶えてしまった。まさにアメリカの牧草畑と同じになってしまったのです。
  • いろんな色があるあじさいだが、これは、土の成分が原因となっていることが多い。一般的には酸性の時は青系の色に、そして中性からアルカリ性の時はピンク系になることがわかっている。ただ土壌だけが要因なのではなく、あじさい自体に含まれる助色素と呼ばれる遺伝的な要素も色に影響している。ちなみに毒があるので、お腹がすいたからって食べちゃダメだぞ。
  • 日本全土を覆っているソメイヨシノだが、大変な問題を抱えている。それは、この桜が一本のソメイヨシノから始まった「クローン」だということ。みんな同じDNAを持っているのだ。言い換えると、日本全土のソメイヨシノは、自然に増えることがない。完全に人間がコントロールしている状態なのだ。 ソメイヨシノがクローンであるため、なんらかの病気が流行ると、一気に全滅する恐れがある。また、自然に増えないから、ちゃんと新しい桜を植え続けないと、一気に寿命がきて、日本の桜のほとんどが消滅する恐れもある。
▼アート・景観づくり
  • 脈絡もなく膨大なコレクションを並べたてる中で鑑賞の「感動」が「疲労」になってしまう。美術や芸術鑑賞は、自分の好きな作家や作品にじっくりと浸りたいというのが本当だと思うのです。テーマをはっきり絞った小規模な、個人美術館を志向していくことの方が大事なのではないでしょうか。
  • マンハッタンでは給水塔に杉の樽を使うなど工夫している
▼学術機関
  • 今の時代、地方都市にあっては大学誘致に対する熱烈ラブコールが盛んである。大学が立地することによって、なんといっても若い人たちが街を徘徊することになり、街に活気が得られる。大学は知的産業の雄だから、地域の研究開発の能力が上がる。地域の産業との交流を通して、産学共同の実が挙げられる―といった長所を期待してのことだ。
  • 地域の中で英会話をやって儲けている企業があって、どんどん東京にお金を持っていっているとしよう。それなら地域の中で英会話をやればいい。英会話を教えられる人がいないほど人の少ない地域なら、空き家があるだろうからそれを活用しよう。インターネットを通じて、「ここで週2回英会話を教えてくれれば家賃はタダにします。高速インターネット接続済み」と広告してみよう。家賃10万円を毎月払っている都会の人なら、タダにつられて来てくれるかもしれない。それでタダで英会話を始めれば、他社より安い英会話教室を提供できる。

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