2020年1月19日日曜日

僕の見つけた多摩ゆかり本

▼まほろ駅前多田便利軒

多摩地区が絡む本は全部目を通してみたい、と思って本を探していたら出会った、町田駅を舞台にした直木賞受賞作品。届いたときに結構大きい本で、「げ。」と思ったんですが読み始めてみるとテンポが良くてどんどん先を読みたくなって、あっという間に読み終わっちゃいました。町田で遊んだことのある人は、きっと街並みなんかは僕よりも頭の中に描きながら読めるんじゃないかなと。おもしろかったです。

▼風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡

ジブリの宮崎さんのロングインタビュー。インタビュアーはROCK IN JAPANの渋谷さん。そんな僕にとっての夢の組み合わせでナウシカ、紅の豚、トトロ、もののけ姫、千と千尋を語り尽くした一冊。数ページで収まる雑誌のインタビューなんかと違って、深くて濃い~ところまでいってます。そして渋谷さんらしくわかりにくい例えとか強引な話の持っていき方をひょうひょうとかわす宮崎さん、字面だけを追えばかみ合ってないなと思うところもあったけど、2人は楽しんでたろうなと思えたインタビューを読ませてもらいました。自分だけで語ってたら表現しきれないことをインタビュー形式であれば表現できる、そういうことってあるなぁっていう点でも参考になった一冊でした。ジブリ作品をもっかい見返したくなりました。

▼赤塚不二夫自叙伝 これでいいのだ

先日青梅にあるバカボンのパパ、赤塚不二夫の記念館に寄った際に買ってきた一冊。バカボンやおそ松くんを地で行く生涯は記念館の中でもいろんな写真で見せてもらってたけど、いろんなエピソードがおもしろおかしく書いてあって、特に母親への尊敬とか関係については、作品の中でも確かにそうかもなぁと思うところがありました。この本もいいけど、記念館も併せて楽しむともっと楽しめると思う一冊です。

▼ハングリー―日本を明るくするバカ力

紅虎餃子房や万豚記なんかの際コーポレーションは、福生から始まっていた。ということで興味を持って読んでみた一冊。代表の中島さんのビジネス哲学なんてものはほとんど書かれておらず(あるんだろうけど)、行き当たりばったり体でぶつかってなんとかしていくエピソード満載で好感を持ちました。今度福生に行ったときにはぜひ元祖・韮菜万頭に寄ってみたいと思います。

▼大菩薩峠〈1〉

ついに読みだした、世界最長の大河小説。もともとはジブリの鈴木プロデューサーの本に、彼のおもしろかった作品として紹介されていて興味を持ったんですが、最近よく行く青梅近辺が舞台になっていることもあって楽しく読めました。なんか主人公が主人公らしくないというか、変わってますね。これからどんな風に物語が進んでいくのか、楽しみです。そして僕に読み切れるかどうかも。

▼大菩薩峠〈2〉

続いて2巻。っといきなり目が。。剣士の話なのに、それでいいの?っていう展開に俄然興味を注がれました。文章は読みやすくて、登場人物それぞれに特徴がある分覚えやすくて、たくさんの人に読まれてきたのがよくわかりますね。そして青梅から伊勢の方へ、そして東海道へ、次々に話の舞台が変わっていくことでもなんだか日本中を旅行してるような気分にもなったりします。
長いことを活かした書き方というか、こんな小説もあったんだって思いました。

▼大菩薩峠〈3〉

この巻は主人公の話はほとんど出てこなく、草の根の庶民の話、特に女子供の暮らしを中心とした前半と、殿さまの話の後半。庶民の悩みの種はなんだかんだでお金であって、助けられるのは人のつながりであることも多いことなんかは、今と変わらないなぁと感じました。なんとなくですが、著者の中里介山自体にも今後の展開は全てはわかっておらず、日々の生活の中で得たヒントを作品に織り込んでいくのを楽しみながら書いていたんじゃないかな、とか感じて読んでました。

▼大菩薩峠〈4〉

青梅から江戸、伊勢から東海道と舞台を変えてきた物語の登場人物が、はからずも同時に甲府に集まり、新たな交流は意外なところでその登場人物をつなげていく。メンツ争いに執心するダメ支配ってのはこういう平和な時代だから出てきたのかなとか、資産家ってのはいつの時代も悪巧みに巻き込まれるもんかなとか、今に通じるというか、僕はこの物語を通して今を読んでるようにも思えてきました。

▼大菩薩峠〈5〉

舞台は甲府から江戸に戻る。読みながら、「ペンは剣よりも強し」というか、僕はこの著者が本当は声を大にして言いたい(そして庶民はみんな共感してくれるだろう)ことを、物語の場面として描いているなと思いました。それがこの作品が多くの人たちに支持された理由なんだろう、と。偉大な人だ、と思って、中里介山のお墓が羽村にあることを知って、墓参りに行ったのもこの頃でした。

▼大菩薩峠〈6〉

一つの場所から始まった物語は、新たに房総と高尾山にも舞台を広げていく。僕らの人生も一緒ですかね、両親、家族、幼稚園、小学校、、と出会ってく人たちが広がって、旅行なんかもして、それぞれが違うとこに住みだしたりして、同じ日本地図もそれぞれの目からは違って見えていて。同じ場所のことを違う視点で見させてもらえることは、新鮮ですね。そして舞台の変化よりもおもしろいのはやっぱ人の変化だなと思います。

▼大菩薩峠〈7〉

ようやく7巻まで来ました。。^^;これまでに読んだ一番長かったのはきっと三国志とか坂の上の雲あたりだろうけど、それならもう終わりに近づいてる巻だってのにまだまだ新しく舞台は信州にも飛び火していく。読みながら旅行しているような気分にさせてもらえるのはいいですね。なんだろう、会話の調子がいいのかな、こういうとこへ配慮してそれぞれの登場人物が話すであろう言葉を丁寧に齟齬の内容に積み重ねていくって簡単なことじゃないだろうに、それをこの量でできてしまうのは本当にすごい、の一言です。

▼大菩薩峠〈8〉

そして大菩薩峠も8巻目。人生の中で起こる波も最初の波には自分も揺られてしまうけれど、だんだんわかってくると誰と会っても自分は揺らがなくなってくる。登場人物にしても、そんな印象を抱きました。そしてそれは自分の人間関係においてもそうなんだろなと。大事なのは、周りがどうしてるかではなくて自分がどうしたいか、なんでしょうね。徳川と、江戸での薩摩の関係も意図してつくられてったものなんだなと、教科書を読んでも考えなかったことを考えるようになってきました。

▼大菩薩峠〈9〉

他の本にも寄り道しながら、少しずつ読み進めた9巻目。登場人物それぞれの個性はより濃く出てきたなと思います。そして場所が一度出てきた場所で書かれていたからか、あまり景色の描写はなくいきなり人のやりとりに入ることが増えてきたように思いました。物語を書いていくには、まずは場所の景色を書いてから場面に入っていく、でも何度も同じ場所を使えばそこが省略できるようになっていく。それが物語のテンポを上げていく要素にもなるのかな、と思いました。

▼大菩薩峠〈10〉

ようやく半分まで辿りついた。。。登場人物同士が最初はなんの交流もなかったところが、いろんなきっかけで知り合って、一緒に過ごすようになったり。今生きている自分たちも一緒ですね。それぞれに物語は語られていながら、関わってはじめてお互いの人生を知る。その一つひとつの物語に興味を持ちながら、これからの物語を一緒につくっていけることを楽しむのもいいんじゃないかなと思いました。

▼大菩薩峠〈11〉

ちびちび読み進めている大菩薩峠の、ようやく11巻。時代かな、路銀の都合で寄道せざるを得なくなったり、元気だったはずの人に何かがとりついたかのように変わってしまったり。でもそれが普通の時代で自分の財布だけでなんとかできる人は少なかったり、だからこそできる縁があったり、今よりこの時代に生きてた人の方が人に頼るのもうまかったし、頼りやすくもあったんじゃないかな、とか思いました。もちつもたれつって、もっと今の時代でもうまくやれる気がしてきました。

▼大菩薩峠〈12〉

久々に再開した大菩薩峠。懐かしい登場人物を思い出しながら、時間の流れも感じながら読み進めていました。他の本を何冊も読んでからこの作品を読むと、あらためて表現のうまさ、言い回しの豊富さを感じますね。最低限必要な語彙でするレベルでのコミュニケーションからずいぶん離れたところにいるな、と感じてそういう一工夫を自分もできるようになりたいと思いました。作品の中の話は、少しずつ展開しているものの大きな事件もなかったので、次を読み進めてみたいと思います。

▼大菩薩峠〈13〉

大菩薩峠もようやく13巻まで進んできた。後半に入っていよいよ人物像は個性を発揮しだし、人の出会って別れてを繰り返しながら登場人物の双方が別々に過ごしていた時間をメインにした話から、かつて一緒に過ごした時間を踏まえた出来事が増えてきた印象。さて、この先はどうなるか知ら。

▼なんじゃもんじゃ

国立に住んでいた山口瞳さんの旅日記的な一冊。自然、国立や青梅の話も多く、親しみを持ちながら読むことができました。 「鰻は脳溢血で死んだんでしょう。鰻は全身アブラですからね。どうしても血管に悪く作用する。」そんななんでもない酔っぱらったような会話が溢れてて、旅行にお酒は欠かせない、という人は楽しく読めると思います。あぁ、どこかでお会いしてみたかった。

▼燃えよ剣

著者 : 司馬遼太郎
文藝春秋
発売日 : 1998-09-16
今年の年始に高幡不動に初詣に行った際にご挨拶してきた多摩の喧嘩師、土方さんの生涯を描いた作品ということで、読んでみました。女の人から見たらどう見えるかはわからないけど、男ばっかりでつるんできた自分から見るとすごく共感する部分の多い作品ではありました。セリフもいちいちかっこいいな~と思いました。
偶然にも運命にも出会えた、やりたいことをやれる仲間と、共に時代を生きていく。そんな人生を自分も多摩で、歩いていけたらいいなと思わせてもらえる一冊でした。

▼放課後はミステリーとともに

あんまりミステリーって読まなかったんですが、国分寺の恋ヶ窪が舞台の作品ということで読んでみました。読み進めながら「なるほどなぁ」と思うコトも多かったんですが、だんだん慣れてくるというか、、型ができてしまっているなぁと感じました。条件設定や人物配置なんかが計算され尽くしていて、逆に裏をかかれないというか、想像の範囲は超えないというか。。
文章のテンポはとても良くて、読みやすいのは間違いなかったです。何度も何度も著者は自分で読み返しながら一冊を作っていったのはよく伝わってきました。

▼武蔵野夫人

国分寺が舞台の本だったので、読んでみました。おもしろいか、と言われると正直普通の文学作品という感じでしたが、自分の住んでる場所の話はおもしろく読めますね。親近感もあるし、すれ違う人の中に登場人物みたいな人がいると、「もしかして」なんて思ったりして。
土地柄もあるのか、確かにこんな人いそうだなとか思ったりもしました。僕が今見ている景色、歩いている道をかつては作者も歩いたかもしれない。そんなことを考えながら、あえて昔の雰囲気を残す建物に出かけて読んだりすると風情もあってとてもいい時間が過ごせることと思います。^^

▼塀のなかの民主主義

企業という組織の中での民主主義と、世間一般で考えられている民主主義は全然別物で、普通に考えたらおかしいと思うことであっても、塀の中に入ればその塀の中の民主主義に従うのが賢い生き方なんだと頭ではわかっていながら、そういう生き方に矛盾を感じている人たちにはぜひ読んで欲しい一冊。
なんだか、大きい組織になればなるほど細胞の一部というか歯車の一部というか、1人ひとりが頭を持つんではなくてトップ(いやもはや人間ではなく大企業という名の恐竜かも)の頭を全員が体の一部となって実現するような企業体質をまざまざと見せつけられる一冊でした。こんな矛盾を抱えながら生きている人は僕も含め多いだろうなと思いましたね。
そして、ソーシャルにシフトしだしてHERO = Highly Empowered and Resourceful Operatives「大きな力を与えられ、臨機応変に行動できる社員」が注目されてきている今、企業はそして僕たちはどう変わっていくべきなのかを考える一冊にもなり得る力を持った本だと思いました。

▼東京科学散歩

<本の紹介>
巷では、いま散歩がブーム。東京も、改めて見ると新旧名所から名もない路地まで見所はたくさんあります。でも、ぶらぶらと街を歩きながら、ふと疑問を感じることはないでしょうか?最近、桜の花の色が白くなってきたのはなぜか?パワースポットといわれる神社の「パワーの源」は何か?東京スカイツリーは、大きな地震がきても大丈夫なのか?そうした疑問に竹内薫が答えます!身近な風景から入る科学入門。ちょっと知的で面白い、一味違う東京散歩のはじまりです。

▼多摩 幻の鉄道―廃線跡を行く

<本の紹介>
多摩に鉄道が誕生して既に110年。高尾駅の国産最古のレールや、幻の国鉄スワローズ球場専用の武蔵野競技場線等、多摩には鉄道遺跡が多い。廃線跡、橋梁や煉瓦構造物、古レール、ユニークな駅舎等を紹介。

▼多摩のものづくり22社

著者 : 山本明文
ダイヤモンド社
発売日 : 2011-04-08
<本の紹介>
大田区ばかりが中小企業の街ではない。ハイテク地帯の多摩地区で独自の技術を培いつつ、着実に成長を続けている技術先行型優良中小企業を発掘。初めて公開される、オリジナリティあふれる技術と経営者の人となり。10年後の大企業はここから生まれる。

▼さらば国分寺書店のオババ

<本の紹介>
笑撃のパワーの中に天才的なセンスがキラキラしている、著者のデビュー作新装版。初版当時、「スーパーエッセイ」という発作的創作ジャンルをつくり出した伝説的作品が甦る。

▼武蔵野の民話と伝説〈中巻〉

▼武蔵野の民話と伝説〈下巻〉


▼TAMAもうひとつの東京―多摩白書

著者 :
東京市町村自治調査会
発売日 :
<本の紹介>
東京論が盛んだが、東京派もアンチ東京派も、もうひとつの東京=多摩を知らずして、東京を語れるはずがない。いま、あなたには、多摩の熱い息使いが聞こえるか。

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